白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

除草剤の恐怖―巨大な人体実験

2011年01月25日 | 農薬

 

除草剤の恐怖と言えば、何方もご存知のヴェトナム戦争での米軍による枯れ葉剤の散布を思い浮かべる事でしょう。ベトナムで使用された枯葉剤、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)や2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)の混合剤などの副産物として生成されたジベンゾ-パラーダイオキシン類、その中でも、特に,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)は毒性が強く、動物実験でも催奇形性が確認され、内分泌かく乱作用や発ガン性など生体への重大な影響は歴然としていて、其の使用はとうに禁止されるべきでした。

 

―ベトナム戦争時の枯葉剤散布―Wikipediaより

其のベトナム戦争での枯葉剤の製造メーカーでもあったモンサント社が開発し、最も安全な除草剤として数十年に亘り世界の市場で販売されてきたグリフォサートアンモニウム塩を主成分とする除草剤「ラウンドアップ」が、今になって、農作物に深刻な病害の発生原因と解り、この除草剤の作用機作が栽培された大豆やとうもろこしを摂取する人間や家畜の健康にも深刻な影響が示唆される等、問題となる実体が明らかになって来た話です。

 

モンサント社は、この除草剤に耐性の遺伝子組み換え大豆やとうもろこしなどの種子を「ラウンドアップ レデイ」の名で売り出し、其の作付け量は、米国からブラジルやアルゼンチンの大豆やとうもろこしの生産の大部分を占めるに至っています。大豆の大部分を輸入する一大消費国の日本、味噌や醤油、豆腐や納豆などにどれほど遺伝子組み換え大豆が利用されているか分かりません。将来顕在化するかもしれない健康被害が予想される事態であり、日本は、輸入大豆の一大人体実験国と言う事になりそうです。

 

モンサント社の除草剤の市場戦略は、「ラウンドアップ レデイ」作物種子を購入した農家がラウンドアップ ブランドのグリホサート除草剤だけを使うようにさせて、2000年に切れた特許の後もその販売を手中に収められるように図った事です。それには、喩え嘘であっても、ラウンドアップ ブランドの除草剤の安全神話が不可欠です。

グリフォサート除草剤、「ラウンドアップ」は散布後、直ちに生物分解されて無害物質に変化するとメーカーは宣伝してきました。実は、それは真っ赤な嘘であり、アメリカでもヨーロッパでも、提訴された法廷で、虚偽宣伝として有罪判決を受けました。事実、モンサント自身の試験データでも、散布28日後の成分の分解率が僅か2%であった事を明らかにしています。

グリホサートが1週間、数ヶ月、或いは数年掛かって分解されるかどうかは、土壌の粘土粒子量、含有する無機、有機成分量、pH等や除草剤構成分子を分解する特別な酵素等によって大きく左右されと言うのです。ある条件下では、グリフォサートは土壌栄養分と結合して長期に亘って安定化します。ある研究では、グリホサートが半分の量に分解するのに22年を要した事実があり、モンサント社の製品宣伝の偽りを明らかにするには余りある事です。

パデユー大学で35年間、植物病理学者として研究を続けて来たDon Huber博士によれば、グリフォサートによる病害の特徴とその発生形態について、この除草剤の作用は病原菌であるフザリウム菌、ピシウム菌、リゾープス菌など、その種類によって症状が異なるが、その生成毒素によって起る、黄化枯死する苗立枯病と同じような原理だと言うのです。このような何処の土壌にも存在する土壌病原性菌の活性を除草剤のグリフォサートが促進し、植物の必須ミネラル成分の摂取を阻害して本来植物が有する病原性抵抗力を奪い、結果的に黄化枯死させると言うのです。

―フザリウム菌稲苗立ち枯れ病―

其の機作は、グリフォサートの持つキレート作用によって、植物にとって最も重要なミネラル分である鉄、亜鉛、銅、マンガン、マグネシュウム、カルシュウム、ホウ素、その他の有用元素が不動化され、摂取を抑止して栄養不全を起させてその防御力を奪い、一方、有用な土壌細菌を死滅させて、土壌病原性菌を活性化してその毒素で植物を枯死させる様に間接的に働かせているのです。

人間や家畜などの生物に対するグリフォサートの影響は、「ラウンドアップ レデイ」穀物を通しての同じキレート作用であり、摂取された有用なミネラルの生体内での作用不全を起す事であり、酵素システムに致命的な障害を発生させる可能性を秘めていると言うのです。

Don Huber博士は、アルツハイマー病を例にあげて、その銅とマグネシュウムの減少が指摘される事など、全米で1990年以来、発病率が9000%に達している事実を挙げています。又、亜鉛、銅、マンガンは、生体の活性酸素の除去に重要な働きを持つSOD酵素の活性に関与し、其の大切さは言うまでもないと申してます。

しかし、グリフォサート誘発のこれらのミネラル不全は、実験室テストを実施しても簡単には確認できませんし、処理出来ません。時には、適切なレベル量のミネラルが見つかるでしょうが、それはグリフォサートが、生体内で既にそれらのミネラルを代謝不全にしている事実を見落とす事になると言っています。

話は違いますが、養液栽培の培養液には、キレート鉄が利用されキレート配位子であるエチレンジアミン四酢酸(EDTAH4)が有毒であるとの指摘が予てからあります。又、土壌を離れた水耕栽培では、フザリウム菌等の土壌伝染性病原菌の感染が栽培管理上の脅威となっています。其の点、新プランター栽培は、土壌機能を備えた培地に共存する微生物作用で感染防止作用が機能していると言えます。しかし、エチレンジアミン四酢酸は微生物分解されず、培地に残るかもしれませんが、閉鎖系の培地での害作用は別段考えられません。 

出典―GMWatch―Monsanto's Roundup triggers over 40 plant diseases and endangers human and animal health Monday, 17 January 2011、抄訳より―

 


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