うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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惜しかったU-17日本代表! ブラジルにロスタイムで痛恨のオウンゴールで敗北

2009年10月25日 | サッカー(年代別)
◆サッカー・第13回FIFA U-17ワールドカップ ナイジェリア大会(2009年10月24日 @ナイジェリア・ラゴス)

・1次リーグB組 (第1節)
ブラジル 3(1-1)2 日本
得点者:ブラジル)26分 ギジェルメ、67分 ネイマール、90分+4 オウンゴール
        日本)35分 高木善朗、84分 杉本健勇


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今大会のU-17日本代表21名(日本サッカー協会HPより)
出場24チームの最終登録メンバー(各国21名)


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プラチナは決してメッキではなかった

この試合は、本当に本当に惜しかった。生まれて初めて、ブラジルに負けて本気で悔しいと思いました。今日の試合を相撲で例えれば、平幕が横綱をあわや徳俵まで追い詰めた末に、うっちゃられて金星を逃した感じです。試合展開からしても、勝ってもおかしくない内容でしたから。それだけに、ロスタイムでブラジルのFKからGKのミスによるオウンゴールで負けたのは痛恨としか言いようが無いです。日本のこの年代は、トーナメント主体の大会形式や高校受験によるブランクや下級生が球拾いをさせられる悪習といった、育成システムに大きな問題点があります、特にこの年代のGKの育成は喫緊の課題でしたので、最大の不安が最も重要な場面で露呈する格好となりました。GKの嘉味田隼(ヴィッセル神戸ユース)は信じられないミスを犯しましたが、決して落ち込まないでほしいです。人間躓いた時、2つのタイプに分かれます。そのまま蹲るのか、それとも這い上がって迎え撃つのか。嘉味田は若いからこそ、後者であってほしいです。

正直言って、試合前は日本の前評判は高いとはいえ、ブラジルに相当押し込まれて完敗を喫する事すら想像しました。国歌吹奏の時の日本イレブンは過緊張のあまり、顔が強張っていたほどですから。実際に試合序盤は、ブラジルはロングボールを放り込んで動きの硬い日本を自陣に釘付けさせます。その上で、持ち前の個人技とスピードと巧みな連係による華麗なパス回しで日本を凌駕し、完全にブラジルが試合を支配。どの年代に共通してますが、立ち上がりにエンジンの掛かりが悪いのは日本の課題です。ピンチを体を張って辛うじて阻止。不慣れな人工芝やゴールマウスが日本に味方します。ただ、日本も前半15分過ぎから徐々に落ち着きを取り戻し、正確な技術と華麗なパスワークでブラジルを相手に真っ向勝負を仕掛けます。しかし、ブラジルは前半26分にギジェルメのロングシュートが日本のゴールマウスに突き刺さって先制を許します。

しかし、リードを許した日本は慌てませんでした。このまま畳み掛ける攻撃でズルズルと後ろに下がってもおかしくない展開でしたが、日本は「取られたら取り返せばいい」と言わんばかりに、ブラジルを相手に真っ向から反撃します。そして、前半35分、日本は右サイドから崩してブラジルDFのクリアミスに、元プロ野球選手で「スーパーカートリオ」の高木豊さんの次男・高木善朗(東京ヴェルディユース)が右足を冷静に振り抜き、美しいミドルシュートがブラジルゴールに突き刺さって同点!。いい時間帯に追いつきました。それにしても、3兄弟全員が年代別代表に選ばれた高木一家は本当に凄いです。粉飾同然のマッチメークと御用メディアを使って捏造行為をする、拳闘界のチ○ピラ一家とは比較にならないと思いました(笑)。

後半に入っても両国の真っ向勝負は続きます。特に後半立ち上がりから15分頃にかけては、試合の序盤から飛ばし過ぎて足が止まり始めたブラジルを相手に、日本は「プラチナ世代の最高傑作」である宇佐美貴史(ガンバ大阪)を中心に再三好機を作り、まるで立場が逆転したかのような戦いぶりでした。しかし、ブラジルは、後半22分にネイマールがスルーパスからオフサイドギリギリに日本DF陣の裏へ飛び出し、GK嘉味田と1対1の場面を作り出して落ち着いて交わして勝ち越し点を挙げます。日本にとっては非常に嫌な流れでの失点。その後も畳み掛けるようにブラジルが押し込み、FKからあわや失点の場面を作られますが、主将の内田達也(ガンバ大阪ユース)が何とかクリア。逆に、その直後の後半39分、ボールを奪った日本はカウンターから松原健 (大分トリニータU-18)のロングパス一本で、ブラジルDFの裏に抜け出した杉本健勇(セレッソ大阪U-18)が冷静に流し込んで再び同点!!

その後は、試合を完全に支配した日本が徹頭徹尾に渡って攻め続けます。中でも、後半44分に、相手GKのクリアボールを高木善朗がダイレクトでのループシュートのシーンは本当に惜しかったですし、日本の勝ち点3獲得が最も近づいた瞬間でした。それだけに、冒頭で述べたロスタイムでのあのミスは返す返すも痛恨でした。たしかに守備は課題がありました。今後の予定を考えると、勝ち点1は欲しかったのが本音です。しかし、今日ばかりは、ドローに持ち込めなかった事を貶すよりも、ブラジルを相手に真っ向勝負に挑んだ戦いぶりを素直に褒めて上げたい試合内容でした。日本は、ただでさえ地理上のハンディがあるので、中々強豪国と真剣勝負ができませんから、今大会は選手たちにとっても今後のサッカー人生において大きな財産になるはずです。だからこそ、1次リーグを勝ち抜いて1試合でも多く世界の舞台を踏んで欲しいです。10年前に「黄金世代」がナイジェリアで起こした快進撃の再現を期待したいです。

それにしても、代表と名のつく男子の試合でこれほど緊張感と興奮を味わったのは、本当に久しぶりです。

はっきり言って、フル代表のトーゴ戦よりはるかに興奮して面白かった!!(笑)



▼今回のブラジル代表戦のU-17日本代表メンバー
GK
1 嘉味田隼(ヴィッセル神戸ユース)

DF
2 岡本拓也(浦和レッズユース)
3 廣木雄磨(FC東京U-18)
4 松原健(大分トリニータU-18)
5 内田達也(ガンバ大阪ユース)

MF
10 柴崎岳(青森山田高校)
11 高木善朗(東京ヴェルディユース)
13 堀米勇輝(ヴァンフォーレ甲府ユース)
  →76分 16小川 慶治朗(ヴィッセル神戸ユース)
14 小島秀仁(前橋育英高校)

FW
7 宇佐美貴史(ガンバ大阪)
9 杉本健勇(セレッソ大阪U-18)


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