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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

計画と設計

2020-11-18 22:44:27 | 建築構造
今週末見学会を開催するコラボワークス_02は1回目のヒアリングの最中から頭の中ではこの景色が頭に浮かんでいました。

この景色にするためには何が必要なのでしょうか。

つまりどんな設計が必要かという事ですが、

普通に考えれば、お部屋の大きさやお部屋の配置、つまりどの様な動線にして、この角に開口を設けるかといいうことですが、

毎度毎度お伝えしている通り、それと同時にどのような構造躯体にするかも同時に考えるのが設計です。
ついでを言えば、どの様に日射を取り入れて、遮って、どの様に空調して、換気してというのも同時に考えます。

何が言いたいかというと、意匠的な設計が終わってから、空調設計をして、空調設計が終わってから構造計算をして、という様な流れ作業では、それぞれが分断されてしまってお互いの特徴を他方に活かせずに、単なる後付け設計になってしまいます。

特に今回は建物の角に3.64mずつのサッシです。合計7.28mのサッシがあるので、素人目に考えても構造的に弱い建物と想像できるんじゃないでしょうか。

そこで考えたのが、この角に設けるサッシを建物の最外周にするのではなく、もう一回り外に箱を付け加えてあげること。
環七通りで終わりじゃなくて、環八も作っちゃえみたいな。

それが画像の両端にある白い箱の出っ張りと茶色い箱の出っ張り。


じゃぁ、それがあるとないとでどのくらい揺れが違うのかを比べたのが下のアニメーション。

あくまでも簡易的な検証なので、実際の地震時の揺れとは違いますが、揺れ方の違いは明らかです。



この「出っ張り」のおかげ。

ではこの出っ張りを何にするか。
当たり前ですが使いやすくしなくちゃいけないので、この様な構造補強のイメージをしつつ、どの部屋とどの部屋を繋げようかと考えるのがプランニングなんです。←構造を計画してから、間取り配置を考えている証拠。

この時点では、外観のイメージも頭の中で同時進行させます。

サッシを囲むように軒を作ると、ウチとソトの中間領域ができて緩く空間がつながるなぁとイメージしました。
そして、その軒は低ければ低いほど格好いい。
サッシと同じ高さにすると重心が下がって建物に安定感が出ます。

すると、出っ張ている箱も背が低くなるので、他の壁よりも硬くなります。
ギョーカイ的には剛性が上がるというのですが、このおかげでより建物が強くなります。(超若干ですけどね)

つまり、外観を格好良くするためのアイディアはそのまま構造補強へのアイディアにもつながります。

そうそう、このサッシは北西に向いています。
軒が深くて低い方が、西日が射しにくくなるので、空調効率もよくなります。

おかげでこの景色を得ることができました。

立ちながら、座りながら、寝そべりながら、ハンモックに揺られながら、どの体勢でもお庭を楽しむことができるようになりました。

空を遮りながらお庭を楽しむ。

え~、暗いの?
いいえ、ちゃんと日が射すところは別の方向から入るようになっています。


他にも2階のレイアウトは1階と2階のバランスを良く見せるために屋根は低くしたいという想いと空調効率を良くすることを前提に、部屋同士の使い勝手が良くなるようにレイアウトして、構造が一番単純になるように検討されています。



この様な事までが最初のご提案までにほぼ完了しています。
これがプランニングという作業ですが、私の場合大体手描きのスケッチで行っています。

そこから、どんな使い勝手や機能を加えていくのかという作業に入るのがネイティブディメンションズの設計です。

小さい家って間仕切りが多いと狭く感じたり、使い勝手が悪くなるので、それをいかに解消するかがとても重要になります。
小さい家を一番得意とする設計事務所が設計したお住まいを是非お楽しみに。

建物の両端がなんのスペースになっているかは見学会でご確認ください。
この位置にあって、超使いやすいと思っていただけると思います。

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