議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

国会の怪時計-その5

2017-02-17 | 国会雑学
国会内の時計は、衆参両院に1台ずつある親時計が30秒ごとに送る信号に従って、子時計が時を刻んでいました。

親時計は国会議事堂が完成した昭和11年以来、分銅を動力源にした国産の振り子時計が使われてきましたが、時を経て今は変わっています。

ちなみに、振り子時計は地震等で止まる恐れもあり、昔は職員が配置され、地震等に備え、本館の振り子は南北に、別館にもあった振り子は東西に、揺れる方向を変えて危機管理していました。

今は親時計が定期的に正しい時刻を受信し、院内すべての時計の日時を微調整しており、人手で時計の針を戻したり、止めたりすることは不可能に近い状態です。

法案議了が時間切れにならないために、議場の時計を止めるなら、振り子の針を戻したり、止めたりするのではなく、今は完全に電源を切るしか方法はありません。

ちなみに、「国会の怪時計-その3」「国会の怪時計-その4」では、日銀の閉店時間とのせめぎ合いで国会の「時計が止まった」と思われる事例を紹介しましたが、この場合の問題点は、12月27日の日銀の営業時間の終わりである午後3時までに補正予算が成立して大蔵証券が発行され、国庫金の操作を行うことにあったはずです。

したがって、いくら参議院の時計を止めて補正予算が午後3時までに成立したことにしても、日銀の時計が止まっていなければ意味がないことになります。

もちろん、日銀の時計も止めていたものと思われますが、この場合、参議院の時計を止めることと、日銀の時計を止めることを比べた場合、「先決問題」は後者になり、日銀の時計さえ止まっていれば、参議院の時計まで止める必要がなかったといえるのではないでしょうか。

というわけで、そのうち「先決問題」について紹介したいと思います。

○国会の怪時計(その1~その5)


国会の怪時計-その1
国会の怪時計-その2
国会の怪時計-その3
国会の怪時計-その4

最新の画像もっと見る