で、その公演をする劇場というのが、新宿2丁目にある地下劇場で、だいたい何しても良くて壁さえも後で黒に塗り直せば何しても良いという、海のような広い心の劇場なのです。
そして最大の特徴として、24時間使って良いという・・・
そうです。泊まれるんですね~。
小屋入り初日は完全徹夜でした。2日目は役者陣が小屋入りして舞台稽古と場当たり。ここで初めて芝居の全貌を知ることになったため、照明・音響はこの時間に明かりをつくり音を入れ、この日は終了。音照舞監はもう今日は劇場でゆっくり寝ようと話していると、演出家くんが暗転稽古をやりたいと言ってくる。
「スタッフは帰って大丈夫だよ」って、音照舞監がいなくてどうやって暗転稽古するんだ~い!
で、1時くらいには終わるだろうと思っていたら結局終わったのは4時でした。
二日で4時間睡眠というファンタジー。
3日目はゲネと初日公演が終わったところで完全に電池が切れて家に帰る気が起きず、また劇場に泊まることに。劇場にシャワーはついていたのですが「お湯に浸かりたい!」という日本人気質が出てきたため、スタッフ数人と演出家くんで銭湯へ行くことに。
24時の新宿2丁目はもう異空間でした。外国に迷い込んだよう。びくびくしながらも、こんなことがなければ一生来なかったかもしれない世界が新宿にあるんだな~と冒険気分。たこやき屋のおじさんが「学生さん?二丁目になにしに来たの~?」・・・確かに~。
銭湯もファンタジーな空間で、女湯は普通でしたが演出家くん曰く「男湯は自分以外全員入れ墨」だったようです。コインランドリーで洗濯して帰劇場。照明バトンに洗濯物を干して就寝。
しようと思ったら床面の塗り直し作業があったため、雀が寝たのは結局4時。
4日目は起床して立ち上がったら、やたら立ち眩みがする。何でかなーと考えてみたら劇場入りしてから忙しすぎてろくなもの食べてない上に、地下劇場のため日光にまったく当たらず、ビタミンの生成ができていなかったためと判明。スタッフ陣はビタミン剤をのんでしばし日光浴。
4日目は帰宅できたのですが、結局帰るのさえ億劫になりもう一泊。最終日はバラしてそのまま徹夜で打ち上げ。結果的にふとんで寝たのは5日ぶりになりました。
今回よく分かったこと。「演劇はたくさんの人のかなりの無理によって可能になる」