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厚木市議会議員「奈良なおし」の思うことをそのままに

B1グランプリ10年目の曲がり角

2015-12-05 17:19:07 | まちおこし活動
古豪の退会相次ぐB―1グランプリ 10年目の曲がり角
 富士宮やきそば、厚木シロコロ・ホルモン、甲府鳥もつ煮……。数々のご当地グルメのブームを引き起こし、地域おこしにつなげてきたイベント「B―1グランプリ」が今年、初開催から10年目の節目を迎えた。毎回数十万人を集め、数十億円規模の経済効果を生み出す催しに成長した一方で、「当初の理念と違ってきた」「参加が負担」と主催組織を退会する団体が目立つ。B―1グランプリに何が起きているのか。

■脱退の団体「事務局の運営に違和感」
 「事務局の運営に違和感を覚えるようになった」。小倉焼うどん研究所の代表の竹中康二さん(47)は理由を語る。事務局とはグランプリを主催し、出場団体を束ねる愛Bリーグ(ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会)を指す。
 
 第1回大会には1万7千人が来場。参加10団体が「今後も協力しあおう」と愛Bリーグを発足させた。竹中さんは「当初は手作りのイベントで、互いに助け合おうという雰囲気に満ちていた」と振り返る。違和感を覚え始めたのは、大会が数十万人を集めるまでに成長し、リーグ事務局がブランド管理を強化するようになってからだ。

 例えば、各団体が食品メーカーやコンビニと商品を共同開発して販売する場合、「B―1グランプリ」のロゴを入れて、愛Bリーグとその団体に売り上げの一部が支払われる契約を結ぶよう求められた。
 地域でご当地グルメでのまちおこしに取り組む、愛Bリーグには加盟していない団体と協力しあう組織を立ち上げたときは、「愛Bリーグの理念を理解していない団体との活動は好ましくない」と注意を受けた。

 地元名産のジャガイモを使ったコロッケでまちを売り出す「みしまコロッケの会」(静岡県三島市)は09年に初出場。2年連続で入賞したが「愛Bリーグと目指す方向性の相違がある」と12年8月に退会した。

 第3回大会で1位を獲得した「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」は11年に退会した。「厚木と言えばシロコロ」と言われるように普及をはかるという当初の目的が達成されたためと説明する。

 代表の中村昭夫さん(52)は「ご当地グルメブームをここまで盛り上げたのは、間違いなく愛Bリーグの功績。一方で規模が大きくなり運営が難しくなったのも事実」と指摘。「卒業生としては、ご当地グルメの新たなスターを生み出す場として長く続いてほしい」と話す。
(2015/12/05 朝日新聞より部分的に引用)


厚木でB1グランプリが開催されてから丸5年が経過いたしました。

あくまで私の肌感覚ですが、B1グランプリは2010年の厚木大会、2011年の姫路大会がピークで、そのあたりから愛Bリーグと出店者の間の意識のズレ、またご当地グルメに対する考え方のズレ、ご当地ブームに対する世間の感覚の変化など、色んなものが変わってきたのかなと思います。

私は厚木シロコロホルモン探検隊のお手伝いをしていますが、その目的は「厚木のまちおこし」であり、「厚木市PRのため」と考えています。故に、市外で活動する際に随行することが多いのですが、特定の飲食店関係者が入らない探検隊であるから、純粋に活動ができるのかな?と思っています。

「B1グランプリ」は登録商標で愛Bリーグの管理、「シロコロホルモン」ほか関係名称も厚木シロコロホルモン探検隊での商標管理になっています。必要経費で年間1万円程度かかるので、市内で商標を使わないお店がありますが、そういうお店でも美味しく食べられますし、もちろん認定店でも美味しく食べられます。なにより大事な事は「シロコロホルモン」は厚木でしか食べられないという枠組みづくりであって、厚木のまちおこしである以上、厚木にいかに誘客するか?という概念がなにより大事なのだと思います。

一方、B1グランプリはスタートした時は、知名度は低いが愛されているご当地グルメを「B級グルメ」として定義して、まちおこし、街のPRに使っていこう!というイベントだったのが、いつしか専従職員なども抱えて等の事情もあるのでしょうが、路線が変わってきたのかな?と感じる事が多くなりました。

代表例が圏央道・厚木PAに「B-1グランプリ賑わい屋」という店舗で、3ヶ月おきにB1グランプリ出展のご当地グルメが入れ替わりで食べられるというものですが、いつでもどこでも食べられるB級グルメは、ビジネスではあるけれど、まちおこしには直結しません。また、2~3年前だったと思いますが、あるB1グランプリ上位入賞のある焼きそばがコンビニの企画弁当として売られた時には呆れるしかありませんでした。

更には開発型メニュー乱造も目立つようになりました。B級グルメは知名度は低いが愛されている「発掘型」、まちおこしを狙って考案された「開発型」の二類型があり、過去の大会で上位になっているのは「発掘型」だと思います。

発掘型はもともと地域に根ざした料理であって、伝統や郷土愛などに裏打ちされているので、地域の支えもあるのですが、開発型は飲食店や有名料理人、コンサルタントがメニューづくりに携わり、地域の裏打ちが無い中でグランプリに出場するので長続きしません。実際「富士宮やきそば」「厚木シロコロホルモン」「甲府鳥もつ煮」「なみえ焼そば」の中心は飲食店以外の人たちで上位入賞を果たしています。勿論、開発型であっても地域に根付き、発掘型へ転換する事例が無いわけではありません。

こうした部分がある中で、ご当地ブーム自体少し冷めてきたんだと思いますが、古豪の退会はこうした背景もあるのだと思います。

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