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謝りゃ良いというものでもなし 其の参

2007-03-21 13:11:29 | 社会問題・事件
政府の原子力委員会は20日、06年版の原子力白書を公表した。北陸電力志賀(しか)原発の臨界事故隠しなどを受け、「(電力会社は)安全を最優先し法令を順守することが必要」との見解を、白書に添えて配布する異例の公表ぶりになった。見解は19日に開かれた同委の臨時会議で「隠ぺいは国民の信頼を揺るがす」として、白書とともに配ることが決められた。国に対しても、原発の安全確保のシステムが信頼できるものかどうか確認するよう求めている。

■「安全を最優先し法令を順守」することを、この段階で電力会社に再確認しなければならないということは、これまでは非常に危険な状態で原発は運転されていたという事です。安全を最優先せず、法令を順守していない電力会社に対して、莫大な国家予算を補助している政府が何も言えないのなら、誰も原発を信頼しなくなってしまいますなあ。


白書は、今世紀末に世界の平均地上気温が1990年に比べ2.4~6.4度上がる可能性があるとの予測を挙げ、地球温暖化問題の深刻化を指摘。世界のエネルギー需要が2030年に現在の50%増となるとの予測も紹介したうえで、原発は二酸化炭素排出量が少ないことなどから、原子力は温暖化とエネルギー問題の「中核的解決手段の一つとなりうる」と位置づけた。解決の前提条件として「核不拡散への対応、安全確保、放射性廃棄物の適切な管理」の三つを挙げた。放射性廃棄物問題では高知県東洋町が、廃棄物処分場建設のための調査対象として、国に応募中だ。しかし地元住民の多くや、高知・徳島の両県知事らが反対している。
3月20日 毎日新聞

■核関連の廃棄物は一箇所に大量に集めると、自然に発生する中性子線によって核爆発を起こすことは広く知られているそうで、実際に旧ソ連のウラル地方では大規模な爆発事故が起きたとも言われていますなあ。青森県に次いで高知県にも大量処分と大量貯蔵を目的とする施設を作る話が進んでいる時に、肝腎の電力会社が安全を最優先とは考えず、情報公開の法令を守らない態度が明らかになるのは致命的ではないでしょうか?電力会社が「大丈夫です」と百回言っても、誰が信じるのでしょう?将来の臨界爆発を覚悟で、可能な限り辺鄙な場所に施設を作ってしまうしか無い!と政府と電力会社が開き直ってしまったら、もう住民との話し合いは札束の数でしか進められませんなあ。でも、核物質の爆発事故を、一体、幾らと見積もるのでしょう?


1999年に北陸電力志賀原子力発電所で臨界事故が起きる前に、東北電力女川原発と中部電力浜岡原発で制御棒の脱落トラブルが起きていた問題で、いずれも制御棒の落下防止装置が機能しなかったことが19日わかった。3基は同じ沸騰水型原子炉で、構造に共通の問題がある疑いが強い。制御棒が抜けたのは、いずれも制御棒を駆動する水圧の調整弁を開閉操作していた時だった。操作した調整弁は同一で、制御棒を炉心に挿入したまま固定するか、逆に固定状態から可動状態に戻すことが目的だった。しかし、開閉する弁の順番を誤ったため異常な水圧が制御棒の引き抜き方向にかかった。制御棒には落下を防ぐため、ツメが溝にはまるような形の落下防止装置が駆動部分にある。ツメは引き抜き方向の水圧を利用して外す構造となっているが、通常は制御棒の自重がかかっており、制御棒を持ち上げる操作を加えないと外せない。しかし、高い水圧がかかったことで、制御棒を持ち上げる操作はなかったにもかかわらず、ツメは強制的に外れたとみられる。
3月20日 読売新聞

■「開閉する弁の順番を誤った」のは人間で、記事を読む限りではこうした人的ミスを想定した設計にはなっていない事になります。ならば、絶対にそんなミスをしない人間をその操作に当たらせねばなりませんが、それは人間を理解して居ない傲慢な態度でしょうなあ。どんなにメチャクチャな操作をしても、絶対安全に自動停止してくれないと困りますぞ!日本全国の原発は、例外なく海岸沿いに建設されていますが、技術的には特別な理由は無いそうです。意地の悪い人は、いざとなったら危ない物を海に流して知らん振りするために最初から海べりが選ばれたのだ!などと言っているそうですが……。海上からのテロを想定して、海上保安庁の皆さんは日夜原発を海側から監視しておられますし、陸上では施設内に向かう道路を厳重に警戒している人も居ます。うっかり日本海の夕陽を追ってドライブなどしていると、原発の「外堀」を越えて侵入してしまうことも有るそうで、実際に旅限無の知人の1人は、かつてこの間違いを犯してテロリスト扱いされて大変な目に遭ったと言います。

■しかし、いくら外を固く守っていても、内部で操作を誤ったらどうしようも無いのでしょうなあ。心配されている原発テロのシナリオでは、原発内に内通者を侵入させておいて、その手引きで発電所内部にテロリストが入り込み、原子炉を暴走させて大爆発させてしまうというものだとも聞きますからなあ。それに近い危険な兆候は、本当に一度も起こっていないのか?と疑心暗鬼にもなります。


北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、臨界状態にあった15分間に原子炉内の複数のセンサーが異常を感知し、計12回にわたって中央制御室に警報音が鳴り響いていたことが17日、わかった。当時の原子炉内の状況を示すモニターに記録されていた。原子炉自動停止信号が出ていたことも示されており、当時の緊迫した状況が浮き彫りになった。モニターは、当時の関係者が保管していたコピーで、臨界直前の1999年6月18日午前2時11分から、炉内で降下した制御棒3本が再挿入された同33分までの運転状況が記録されていた。

■「計12回」も警報が鳴り響いていたのなら、調査を受けても沈黙を守っていた「数百人」の社員の中には事態の深刻さを知っていながら黙っていた者が確実に存在しますぞ!まさか、全員が「聞こえませんでした」と口裏を合わせていたのではありますまいな?!そして偶然に告発者となった人だけがそれを知らされなかったのか?
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2 コメント

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12回は関係ないでしょ (通りすがり)
2007-03-22 10:53:49
>■「計12回」も警報が鳴り響いていたのなら

1回目の警報で、異常は当然気づくので放置していたわけではないでしょ。
しかし、操作自体には問題があるわけだけど、その瞬間は、何が起こったかわからない状況だったのだと思いますよ。
全ての話は、いつでも後からとやかく言えるものです。
計12回のアラームに特に意味はありません。
中性子量が低下するまでなったという結果ですからね。
子細な話に拘らずに、技術者倫理としての原因を考えなくてはいけないと思います。
通りすがりさんへ (旅限無)
2007-03-22 11:35:41
技術的な側面からのご指摘、ありがとうございました。確かに「12回」には大きな意味は無いでしょうね。ただ、アラームが何度も鳴っているのを聞いていて、その原因が極めて危険なものだった事を知っていたはずの関係者が、たった一人を除いて黙っていたという、正に「技術者倫理」が問題で、それを補強する状況証拠して、「12回」という数に注目したという次第です。

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