旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

好対照の事件 其の参

2005-11-29 00:10:28 | 社会問題・事件
其の弐の続き

■予想がドンピシャに当たると世間の人は大喜びするもので、占いや予言が大流行していますが、意地の悪い人は有名な預言者や占い師が過去に公表した言葉を掘り起こして、「ぜんぜん当たらない」現実を指摘してくれたりします。ノストラダムスさんぐらいに、訳の分からない文章を書き並べるような技術を持っていないと、予想も予言も当たらないものです。競馬の必勝本だの、パチンコ必勝法だのが良い商売になるのは、裏を返せば、過去の本がほとんど当たらないからでしょう?宝くじの大当たりが出ると評判の売り場は、日本有数の販売数を持つ場所ですし、単なる偶然を大袈裟に宣伝に使う知恵者がいるので、つい買ってしまうのが人情です。

■しかし、麻雀やポーカーのように互いの手の内を隠し合って実施される入札で、相手の隠し持っていた金額の97%に当たる数値を的中させるなんて、それこそノストラダムスもビックリ仰天しますぞ!彼の予言が「外れない」のは、年号や人数などの数値を言わない事、具体的な地名や人名には言及しない事です。入札は、具体的な工事内容と工期が決っている上に、役所の技官が厳密に弾き出した秘密の数値がはっきりと決められているわけですから、これを読み切って97%で落札するには、ゴルゴ13なみの超人的な勘と技術が無ければ無理でしょうなあ。つまりは、漫画の世界の話なのです。いい年をしたオトッツァンたちが、しかつめらしい顔をして漫画を演じているというわけです。

■ここに並んだ企業名は、常に、大卒者が就職したいと思っている所ばかりのようです。日本の一流企業と言うのは、官製談合に参加できるかどうかで決るのです。これを「日本の特色ある社会主義」と呼ぶのです。略して「会社主義」


特捜部は旧公団時代の入札について、メーカー側から「配分表」とみられる文書を入手。関係者によると、その後、NAAからも「配分表」とみられる文書が見つかった。

■テレビ局が「ヤラセ」をしたと分かれば、数ヶ月間は叩かれ続けますし、ヤクザさんが博打場で八百長をすると、肉体の一部が切断されるのだそうです。同じ事を何度しても、有名企業の中で倒産した所はまったく無いのは不思議です。つまり、不況だ!デフレだ!と世の中が意気消沈して、地方にはシャッター商店街が増えるような時代でも、「公団」という場所には何故か資金が余っているのです。ここにストローを突っ込んでちゅうちゅうと吸える企業が、優良企業なのでしょうなあ。このカラクリを完備させて超え太らせたのは田中角栄さんらしいのですが、当時は、「御蔭さまで」落札させてもらえた企業は、ダイレクトに田中先生に献金していたものでしたが、最近は巧妙になって、「自由民主党様」宛に献金が届くのだそうです。

■自由民主党という政党相手に逮捕状は取れませんから、なかなか談合が贈収賄事件に発展することはないようです。「公団」とは関係のない歯医者さんなどが献金すると、すぐにバレるようですが、政党の有力者は高齢の方が多くて、上手に脳軟化症に罹って「記憶に無い」状態になるようです。個人が特定できなければ逮捕は不可能ですから、渡した愚か者が逮捕されて、受取人はヤミの中に消えてしまうようですなあ。

■国債発行高が減らない、増税は必至だ!と言うのは簡単ですが、じゃぶじゃぶと他人の金を撒き散らしで、自分の権力を楽しんでいる連中がいる限り、財政が健全化するはずは有りません。談合有る所に役人有り、役人有る所に天下り有り、天下り有る所には優良企業が有るのです。この鉄の輪を切るのは不可能だとも言われています。酒税が上がったら禁酒して、煙草税が上がったら禁煙、ガソリン税などが上がったらせっせと歩き、消費税が上がったら霞(かすみ)を喰って生きるしか抵抗策は無いようです。勿論、訳の分からない食品を食べ続けて、アスベストと排気ガスを吸い続けて病気になったら御仕舞いです。それにしても、政治家と位の高い役人さん達は、どうしてあんなに丈夫で長生きなのでしょうなあ。「政治家健康法」とか「天下り健康法」とか、誰か書かないのでしょうか?

其の四に続く

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