其の弐のつづき
■北朝鮮では、02年7月に断行された「経済管理改善措置」の時に、1㌦=2.15ウォンから150ウォンとなっていたので、その後、17分の1に暴落しているのですなあ。タイだって、こんな貨幣を受け取るのは楽しくはないでしょうし、北朝鮮側もせっせとドルや円を「製造」して支払い続けるわけにも行かないでしょう。そこに拉致事件の発覚ですから、タイは韓国と同じように、拉致を経済活動とは切り離すつもりなのか?現在のところは不明です。上手に拉致問題解決の包囲網を作りながら、食料支援が行なえるような状況が作れれば一番良いのですが、世論の感情が極限まで悪化してしまっては、時々報道される飢餓線上の子供達のスクープ映像でさえも、同情を引かなくなっていますなあ。何だか、親なの虐待で命を失う子供のようで、生まれた場所が悪かった、と他人事として思ってしまいがちです。
■北朝鮮の生みの親であるロシアからも興味深い数字が出て来ました。因みに、朝鮮民主主義人民共和国などという無闇に長い国名になったのは、オリジナルがロシア語だったからだそうですなあ。今の将軍様の幼名はユーラちゃんという立派なロシア風の名前だったそうですなあ。本籍地もハバロフスク近くだそうですし……。以下の世論調査はロシアのバシキロワ・イ・バルトニョルイという調査機関が1500人を対象にして調べて「旧革命記念日」に発表した数字です。11月7日が記念日だったことをすっかり忘れていましたなあ。
人名 肯定的評価 否定的評価
レーニン 54.5% 28.7%
ジェルジンスキー 45.8% 28.8%
ニコライ2世 40.4% 29%
スターリン 37.3% 45.5%
ラスプーチン 21.5% 46.5%
トロツキー 21.5% 42.8%
デニキン将軍 29.9% 35.7%
ケレンスキー 18.6% 49.4%
■歴史教科書などで、復習してみるのも一興でしょう。「三つ子の魂百まで」とは言いますが、レーニンやスターリンを支持する人達の年齢は記事だけからは判断出来ないのですが、共産党時代の方が「まだマシだった」と高齢の人達が考えているそうですから、こんな結果が出るのでしょう。プーチン支持が80%を越えるという話も案外、本当なのかも知れませんぞ!苛烈な歴史が連続しているロシアの本性を見る思いがする数値です。最後に朝日新聞が得意とする中国ネタと環境ネタが合体した数値をメモしておきましょう。御題は『チベット氷河「急速解凍」』というフザケたものです。
雲南省の北部、チベット自治区との教会にそびえる梅里雪山(標高6740メートル)、チベット仏教を信仰する人々に「聖山」とあがめられている。その標高2350メートル付近に、チベット人ばかり約300人が暮らすミヨン村がある。……ミヨン氷河は標高6000~2800メートル付近の間にあり、総面積は12.55平方キロ、厚さは平均30メートル。……最高積雪量は94年の70センチをピークに減り続け、昨年は9センチに過ぎなかった。
■雲南省の山奥まで取材に行ったのは御苦労様なことでした。減少する氷河の写真を撮って来た川村直子さん、ご苦労さんまでした。でも、こんな話は資料を漁れば簡単に手に入るものです。中国科学院の発表を信じないのならば、現場に行く意味も有るでしょうが、一応、信じても良いのではないでしょうか?確かに、氷河は冬季の降雪を蓄えて成長して夏の暖気や雨で融解して大河の水源となっています。この記事の書き方だと、94年度の豪雪で数百万頭の家畜が死亡した大災害がすっぽりと抜け落ちていますぞ!降らないのも困りますが、94年の豪雪は降り過ぎでした。
「世界の屋根」と呼ばれるチベット高原の平均標高は4000メートルを超える。長江や黄河、メコン川、インダス川、ガンジス川などの源流域がある。中国科学院青海チベット高原研究所(北京)は、中国国内の同高原の15箇所で氷河を定点観測している。……国内の同高原と周辺の氷河は46298、総面積は59406平方キロに及ぶが、この40年間で平均7%縮小した。……海面温度が上がってインド洋などから大陸に吹きつける湿気を含んだ夏の季節風の期間が長引いて降雨量が増える一方で、大陸から海洋に吹き出す冬の季節風が弱まって降雪量が減った。……今後100年でチベット高原の氷河の50~60%が減る可能性がある。
■米国に負けない石油消費国に移行しているチャイナが自分の事を棚に上げて氷河の危機を叫ぶのは笑止!なのですが、この記事には重大な欠落が有ります。「チベット解放」前にはチベット高原には少なくとも3箇所の大原生林が存在していました。チベットと聞くと、雪を頂いた岩山と草原をイメージするでしょうが、山すそには野生動物が沢山棲息している森林が有るのです。否、有ったんです!誰かが勝手に「御留め山」に入り込んで、好き放題に伐採して木材を根こそぎにして持ち去ったのです。有名な原生林を持っていた地域に暮らすチベット人は「昔は大人が5人でも抱え切れない大木が生えておってなあ。……あの持ち去られた木は何処へ行ったのかいなあ?」と言っておりますぞ!
■「大躍進」などと変な事を思いついた毛沢東さん、それを真似した金日成さんが、自分の国を不毛の大地に変えましたなあ。伐るのは簡単ですが、植えるのは大変ですよ、チベット高原はねえ。どうする心算なのでしょう?毛沢東さんの業績を「失敗2割、成功8割」などと寝言で誤魔化しても、ちゃんと自然は復讐して来るのです。それを地球規模の気象変動の中に埋め込んでしまうというのは、ちょっと虫が良すぎるのではないでしょうか?環境問題に熱心な朝日新聞も、それに乗っかって記事を書いている場合ではないでしょ!
おしまい
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い
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■北朝鮮では、02年7月に断行された「経済管理改善措置」の時に、1㌦=2.15ウォンから150ウォンとなっていたので、その後、17分の1に暴落しているのですなあ。タイだって、こんな貨幣を受け取るのは楽しくはないでしょうし、北朝鮮側もせっせとドルや円を「製造」して支払い続けるわけにも行かないでしょう。そこに拉致事件の発覚ですから、タイは韓国と同じように、拉致を経済活動とは切り離すつもりなのか?現在のところは不明です。上手に拉致問題解決の包囲網を作りながら、食料支援が行なえるような状況が作れれば一番良いのですが、世論の感情が極限まで悪化してしまっては、時々報道される飢餓線上の子供達のスクープ映像でさえも、同情を引かなくなっていますなあ。何だか、親なの虐待で命を失う子供のようで、生まれた場所が悪かった、と他人事として思ってしまいがちです。
■北朝鮮の生みの親であるロシアからも興味深い数字が出て来ました。因みに、朝鮮民主主義人民共和国などという無闇に長い国名になったのは、オリジナルがロシア語だったからだそうですなあ。今の将軍様の幼名はユーラちゃんという立派なロシア風の名前だったそうですなあ。本籍地もハバロフスク近くだそうですし……。以下の世論調査はロシアのバシキロワ・イ・バルトニョルイという調査機関が1500人を対象にして調べて「旧革命記念日」に発表した数字です。11月7日が記念日だったことをすっかり忘れていましたなあ。
人名 肯定的評価 否定的評価
レーニン 54.5% 28.7%
ジェルジンスキー 45.8% 28.8%
ニコライ2世 40.4% 29%
スターリン 37.3% 45.5%
ラスプーチン 21.5% 46.5%
トロツキー 21.5% 42.8%
デニキン将軍 29.9% 35.7%
ケレンスキー 18.6% 49.4%
■歴史教科書などで、復習してみるのも一興でしょう。「三つ子の魂百まで」とは言いますが、レーニンやスターリンを支持する人達の年齢は記事だけからは判断出来ないのですが、共産党時代の方が「まだマシだった」と高齢の人達が考えているそうですから、こんな結果が出るのでしょう。プーチン支持が80%を越えるという話も案外、本当なのかも知れませんぞ!苛烈な歴史が連続しているロシアの本性を見る思いがする数値です。最後に朝日新聞が得意とする中国ネタと環境ネタが合体した数値をメモしておきましょう。御題は『チベット氷河「急速解凍」』というフザケたものです。
雲南省の北部、チベット自治区との教会にそびえる梅里雪山(標高6740メートル)、チベット仏教を信仰する人々に「聖山」とあがめられている。その標高2350メートル付近に、チベット人ばかり約300人が暮らすミヨン村がある。……ミヨン氷河は標高6000~2800メートル付近の間にあり、総面積は12.55平方キロ、厚さは平均30メートル。……最高積雪量は94年の70センチをピークに減り続け、昨年は9センチに過ぎなかった。
■雲南省の山奥まで取材に行ったのは御苦労様なことでした。減少する氷河の写真を撮って来た川村直子さん、ご苦労さんまでした。でも、こんな話は資料を漁れば簡単に手に入るものです。中国科学院の発表を信じないのならば、現場に行く意味も有るでしょうが、一応、信じても良いのではないでしょうか?確かに、氷河は冬季の降雪を蓄えて成長して夏の暖気や雨で融解して大河の水源となっています。この記事の書き方だと、94年度の豪雪で数百万頭の家畜が死亡した大災害がすっぽりと抜け落ちていますぞ!降らないのも困りますが、94年の豪雪は降り過ぎでした。
「世界の屋根」と呼ばれるチベット高原の平均標高は4000メートルを超える。長江や黄河、メコン川、インダス川、ガンジス川などの源流域がある。中国科学院青海チベット高原研究所(北京)は、中国国内の同高原の15箇所で氷河を定点観測している。……国内の同高原と周辺の氷河は46298、総面積は59406平方キロに及ぶが、この40年間で平均7%縮小した。……海面温度が上がってインド洋などから大陸に吹きつける湿気を含んだ夏の季節風の期間が長引いて降雨量が増える一方で、大陸から海洋に吹き出す冬の季節風が弱まって降雪量が減った。……今後100年でチベット高原の氷河の50~60%が減る可能性がある。
■米国に負けない石油消費国に移行しているチャイナが自分の事を棚に上げて氷河の危機を叫ぶのは笑止!なのですが、この記事には重大な欠落が有ります。「チベット解放」前にはチベット高原には少なくとも3箇所の大原生林が存在していました。チベットと聞くと、雪を頂いた岩山と草原をイメージするでしょうが、山すそには野生動物が沢山棲息している森林が有るのです。否、有ったんです!誰かが勝手に「御留め山」に入り込んで、好き放題に伐採して木材を根こそぎにして持ち去ったのです。有名な原生林を持っていた地域に暮らすチベット人は「昔は大人が5人でも抱え切れない大木が生えておってなあ。……あの持ち去られた木は何処へ行ったのかいなあ?」と言っておりますぞ!
■「大躍進」などと変な事を思いついた毛沢東さん、それを真似した金日成さんが、自分の国を不毛の大地に変えましたなあ。伐るのは簡単ですが、植えるのは大変ですよ、チベット高原はねえ。どうする心算なのでしょう?毛沢東さんの業績を「失敗2割、成功8割」などと寝言で誤魔化しても、ちゃんと自然は復讐して来るのです。それを地球規模の気象変動の中に埋め込んでしまうというのは、ちょっと虫が良すぎるのではないでしょうか?環境問題に熱心な朝日新聞も、それに乗っかって記事を書いている場合ではないでしょ!
おしまい
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