旅限無(りょげむ)

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首相の留守には何かが起こる 其の壱 

2010-10-05 16:08:52 | 政治
■まったく綱領の無い寄せ集め素人政権与党の政治というものは、これほど危なっかしくて無責任なものなのか?!と、うっかり「政権交代」の夢を見てしまった多くの有権者は「解散はしない」という一点だけでは挙党一致している民主党政権に歯痒い怒りを覚えているのではないでしょうか?場当たり的な外交の貧困を検察を生贄にして失政を糊塗して知らん振り、2度目の予算編成はいよいよマニフェストの大嘘がバレて財源が見つからずにお先真っ暗、直近の記憶で唯一V字回復したのは「クリーンな政治」を掲げて鳩山・小沢コンビに引導を渡して追い落とした時とクラッシャー小沢を代表選で敗北させた時だった!と総理大臣の留守を預かる誰かさんが考えたとしか思えないタイミングで検察審査会が議決した「小沢起訴」が発表されて、再び党内に衝撃と亀裂が走って大騒ぎが始まったとか……。

■こんな内輪揉めにしかエネルギーを使えないようでは日本の政治は混乱の中でどんどん衰退して行きそうで心配なことであります。図体ばかり大きくなった吹き溜まりの政党なので、野党時代からの悪い癖が治らず、特に閣僚になれなかった者たちの言動にはマスコミを利用して目立った者勝ちの小粒なパフォーマンスが目立ちます。民主党が綱領も党のリーダーも決まっていない弱点をこれだけ稚拙に曝け出しているのですから、やっと開かれる国会の場で野党側から厳しい追求と批判が加えられることでしょうが、解散に追い込むだけの迫力は期待できそうにありませんなあ。もしも「小沢起訴」を騒ぎ立てて時間を浪費して重要な政治課題を棚上げするような愚かな論戦を仕掛けるようだと、有権者は次の選挙の投票先が無くなってしまいましょうなあ。


民主党の枝野幸男幹事長代理は2日、さいたま市内で講演し……「中国とは法治主義が通らないという前提で付き合わないといけない。そういう国と経済的パートナーシップを組む企業はお人よしだ。カントリーリスクを含め、自己責任でやってもらわなければ困る」……「中国と日本は明らかに政治体制が違う。米国、韓国との関係同様に信頼関係をもって協力して物事を進めることを期待する方がおかしい」と強調。「悪しき隣人でも隣人だ。それなりにつきあいをしていかないといけない」とも語った。
2010年10月2日 産経ニュース 

■いやしくも先の参議院選挙で幹事長を務めた人の言葉として、余りにも無責任!後だしジャンケン!何を今更!の発言であります。選挙の惨敗後に辞任しようと思ったら、一緒に簀巻きになれて大川に投げ込まれるのが恐かった仙谷官房長官に引き止められて幹事長代理に留まったのは周知の事実でありますから、そんな首の皮一枚残して政党幹部に残っている人が、こんな危ないことを言い出すのも、松原仁一派やら『建白書』の長島一派やら、「超党派」の原口一派やらが「倒閣運動ではない」目立ちたがり屋競争を始めたのに刺激されてのことなのかも知れませんが、クラッシャー小沢が大嫌い!→小沢が阿(おもね)るならチャイナも嫌い、と短絡して「悪」呼ばわりしたとすれば、またまた民主党にスットコドッコイが出現したことになるかも?


前原誠司外相は3日、民主党の枝野幸男幹事長代理が講演で中国を「あしき隣人」と呼んだことに関し、「日中間はこれから良き隣人として戦略的互恵関係をしっかり結んで、共存共栄の道をしっかり探っていくべきだと思う」と述べた。都内で記者団に語った。菅直人首相のアジア欧州会議(ASEM)首脳会議出席については、「日本の立場をしっかりと国際社会に伝えてもらえると確信している」と期待を示した。 
2010年10月3日 時事通信 

■鉄火面のように無表情で八ッ場ダム工事の中止を宣言して半世紀以上も悩み苦しんで来た地元の皆さんを路頭に迷わせてしまった責任を、いまだに感じていないように見える前原外相は、「何度でも足を運んで地元の皆さんと……」と言ったまま、二度と再び現場に姿を見せなかった国交大臣時代の大罪をすっかり忘れてしまったかのようです。民主党が考える戦略的互恵関係の正体が白日の下に示されたのが尖閣衝突事件で、検察に外交の失敗の責任を押し付けるという最悪の手段を使って「共存共栄」を実現するつもりならば、これほど危険なことはないでしょう。そして、菅アルイミ首相が「日本の立場」を世界に向かって発信など出来ないことを百も承知で「確信している」前原外相は、相当に腹黒い人物なのかも?

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