旅限無(りょげむ)

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飛ぶか?テポドン 其の四

2009-03-31 15:18:46 | 外交・情勢(アジア)
PAC3の迎撃範囲は半径約20キロと狭く東北には未配備だが、発射機などは車載式で移動展開できる。故障による本体の落下やブースターの直撃に備え、陸上自衛隊秋田、岩手両駐屯地に空自浜松基地(静岡県)の高射教導隊に配備したPAC3の発射機を移動。秋田県の空自加茂基地には指揮所運用隊を配置する。本来、PAC3は政経中枢の大都市圏への配備計画に基づき、導入が進められてきた。改良型が想定コースを外れ、首都圏に飛来する恐れもある。

■「人工衛星」の打ち上げに成功すれば、中東やアフリカの国々に向けての売り込み材料になりますし、万が一の事態になって日本の何処かに破片が落下すれば、牙を抜かれて平和ボケが進んでしまった日本国内に、見当外れの臆病風が吹き始めるかも?


入間(埼玉県)、習志野(千葉県)、武山(神奈川県)、霞ケ浦(茨城県)の空自4基地に配備したPAC3を、首相官邸をはじめ都心の防護に充てる。発射機の展開地は、防衛省庁舎のある陸自市ケ谷駐屯地と朝霞駐屯地(東京都など)、習志野基地。指揮所運用隊は入間基地に置く。イージス艦は「こんごう」と「ちょうかい」が日本海に展開する。日本海に2隻を配置すればSM3で全国を防護できるが、改良型の射程は米アラスカ州全域に届く8000キロ以上との分析もある。最大射程で発射すれば高度は1000キロ以上に達し、迎撃可能な高度が100キロ程度のSM3では対処できない。
3月26日 産経新聞

■今のところは「破片」が落下するかも?と心配している日本ですが、ずっと昔から「本物」が日本に狙いをつけて配備されている事実を熱心に伝える努力を払ったマスコミは見当たりません。北朝鮮には日本各地を狙ってノドンが配備されているのは有名でしょうが、その北と西にはチャイナの中距離核ミサイル群が「先には打たないよ」という但し書き付きとは言え、しっかり日本を狙って配備されていますし、ロシアとて御同様。従って、改良型テポドンの「破片」が落ちて来るかも?と大騒ぎしてみせるマスコミには、もっと別の国民に伝えるべき事実がたくさん有るはずなのです。

■クリントン政権の時代に、北朝鮮に対する先制攻撃が実施される直前まで事態が緊迫したことがありましたが、したたかな北朝鮮外交はその危機を凌いで逆にカネと原油を手に入れる話をまとめ上げてしまいました。将軍様は自分の度胸と外交手腕に自信を深めたのかも知れませんが、同じ手に乗って騙されるほど米国は愚かではないので、オバマ新政権は本気で新たな交渉を始めようとする気配すら見せておりません。ブッシュ前大統領は苦し紛れの置き土産として、「テロ支援国家指定」を解除して政権を去りましたが、オバマ政権がもっと大甘の対応をする可能性は随分と低そうです。


北朝鮮の核をめぐる6カ国協議の韓国首席代表、魏聖洛・外交通商省平和交渉本部長は25日、北朝鮮がミサイルを発射した場合、「一定の対応が不可避」としながらも、国連安全保障理事会による制裁については積極的に推進しない姿勢を示した。これまで日米韓が一致して安保理での制裁を示唆しながら北朝鮮に圧力をかけてきたが、ミサイル発射が近づいたことから、韓国政府は現実的な対応策を検討し始めたとみられる。……

■大筋では合意はするものの、6カ国協議は実際には米朝間の接触を維持するための保険にしか過ぎませんから、日本が変な期待を持って気を揉んでみても何も得られないのは当然でしょう。

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