失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「木枯らしを抱きしめて/みんな夢の中」加藤いづみ 1997年

2005-04-26 | 湾岸系
カーネーション・レア・トラック。

加藤いづみは、カーネーション・ファンには「いづみちゃんのピラニア」とアルバム「Sad Beauty」でおなじみの女性ヴォーカリスト。一般的には「好きになって、よかった」の人か。

1991年デビューの加藤は、そのほとんどの作品を高橋研とともに制作していたが、初めて高橋以外と組んだのが97年作のアルバム「Sad Beauty」。直枝政太郎が数曲書いているのでカーネーションマニアは所有率高し。そのアルバムからのシングル・カット。

①木枯らしを抱きしめて
作詞:天野滋・加藤いづみ、作曲:坂本覚、編曲:白井良明
これには直枝氏は関わってない。またまた白井アレンジの曲だ。なんだか凄い仕事量だな。

②みんな夢の中~野外セッションバージョン~
作詞・作曲:浜口庫之助、編曲:CARNATION(演奏も)
今回の目玉、アルバム未収録曲。高田恭子1969年のヒット(紅白にも出たらしい)のカヴァー。ハマクラといえばカーネーションファンはもちろん「愛のさざなみ」だが、これは裏・愛のさざなみ、とも言うべき作品だ。

車の往来の音に重なるようにア・カペラで始まり、ワン・コーラス歌いきる。2番からキーボードに続いてドラム、ベースが入ってくる瞬間がゾクゾクする出来。鳥羽修のギターは控えめで「さざなみ&うわばみ」とは好対照。ちなみに直枝氏はシンセサイザーを担当している。夢をテーマにした曲らしく、カーネーションの演奏も途中で消えてしまい、最後はまたア・カペラに戻って終わる。加藤いづみの声は私には甘すぎて、好きなヴォーカリストとは言えないのだが、この曲と詞にはベスト・マッチ。アレンジも地味といえば地味なんだけど、優れた演奏家集団としてのカーネーションの実力が堪能できる、味わい深い仕上がりになっている。

「野外セッション」というとカーネーション「A dream goes on forever」(トッドのカヴァー)を思い出す。この「みんな夢の中」がホントに野外録音なのかは不明。上述の車のSEのアイデアから名付けただけかも知れない。

③①のカラオケ。
定価1020円、中古で500円。これは探していて、神保町の中古屋で見つけた。うれしかった。

ところで1969年にはこんな素敵な曲がヒット・チャートを賑わしていたかと思うと、うらやましささえ感じる。レベル高いぞ歌謡曲。

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2 コメント

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Unknown ()
2005-09-27 06:36:47
そーですよねー。歌謡曲ってレベル、すっごい高いんですよねー。しみじみ…って、おはようございますこんにちは、8cm師匠。TBとコメントどもでした。早速私もTB返しにやってきましたが、ひゃー、コレ欲しいなぁ~!8cmCD道、侮れないですな。加藤いづみちゃんの声は確かに普通で聴いたら私も決して好きな方の声の部類ではないんだけど、カーネーションがバックにいるというそれだけでこんなにも魅力的に感じられるんだから不思議。「Sad Beauty」は是非!ってカンジですね。上田ケンジ曲にも震えますよ。
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ウエケン、エンケン (nakamura8cm)
2005-09-28 00:42:36
いつもどーもー(笑)

この曲のオリジナル、エンケンのライブ終わったあとに流れてたのを聴いたことがあります。昭和歌謡の奥深さを感じる名曲ですね。

実は今、「エンケン祭り」帰り。今日も熱かった!
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