断言してしまいますが、点心の王道といえば肉まんなんです。
「いや餃子だろ」
「焼売や小籠包、蝦餃なんかもあるぞ」などといった意見もあるかとおもいますが、やっぱり肉まんが王道なんです。自分的には。
理由はざっくりと3つあります。
まずひとつ目は皮。
肉まんはやはり皮がフカフカしていないと美味しくないと思うのですが、この生地の具合がなかなかに難しい。
発酵した生地を使うのがセオリーなのですが、粉を何にするのか?酵母はどれを使うのか?水分は何を使って練りこむのか?膨張剤は使用するのか…
老麺という発酵生地を使うのが中華では一般的なのですが、香りのよい生イーストを今回は使用。
薄力粉に牛乳を加え、ベーキングパウダーを補助的に使い練りこんでみました。
以前紹介した
蒸しパンの生地とほぼ一緒の手順でございます。
皮の製作には、生地の練り方や発酵の見きわめなど他の点心に流用できる事が多々含まれています。
次に具材。餡であります。
生のひき肉をベースに包みこんでいくやり方もあるのですが、火を入れるとハンバーグの様になってしまい皮との一体感がどうも出ない。
そこで当店の肉まんは生肉と煮込んで味付けした肉の両刀使い。
肉のみでは単調になってしまうので野菜も加える。
オーソドックスですが筍と干し椎茸、甘みののっているキャベツなどを中心に今回は使用。
肉汁が出過ぎると皮にしみ込んでしまうので、それを防ぐために春雨なんかも加えてたりします。
味付けは醤油と甜麺醤を基本に生姜などを効かせ、ブラックペッパーをアクセントに。
鍋の基本的な操作、具材を適度な大きさに切りそろえる刀工、バランスの良い味付け、これらができないと美味しい餡にはなりえません。
最後に成形。包み方です。
成形は時間との戦い。素早く成形しないと発酵しすぎてしまう。
まず生地を棒状に伸ばし、所定の重さにちぎる。切らずにちぎる。
切るより早く分けられるのでちぎる。
続いて円形に伸す。
ちぎった断面を上下に置き、上から潰して麺棒で伸す。
均等に包めるように中央を厚めに伸す。
伸した生地に適量の餡を入れ包む。
肉まんがきれいに成形出来たら一人前といわれています。それゆえに難しい。
ヒダを寄せていく右手も重要なのですが、実は左手の動きもかなり重要。
なめらかに左手が動かないと均等なヒダが入りません。
小さめの茶碗で練習したりしてました。
均等にちぎっていく手の感覚、麺棒の使い方、ヒダの寄せかた全て一筋縄ではいかない技術であります。
これらが3つの要素が合わさったものが肉まんなのです。
王道と言わずして何と言えば良いのでしょうか!
…なんて偉そうなことをいいつつ実はあまり得意ではなかったりいたします
画像の肉まんも一番出来の良いものだったりして
この菜肉包子(ツァイロウパオズ)はとりあえず期間限定商品ですのでお早めにどうぞ。