相模野のトト

家計調査データを読む

物価の優等生(鶏卵)が高騰している

2013年12月12日 16時59分22秒 | 社会・経済

このところクリスマス用のケーキやお節に使われる伊達巻の原料の一つであり、物価の優等生である「たまご(鶏卵)」の卸売価格が高騰し、各方面に影響が出だしているとTVをはじめとしたメディアをにぎわしています。

◇鶏卵の入荷量・卸売の動向

下図は、鶏卵の入荷量・卸売価格の動向について、農林水産省のHPに掲載されているものを転載したものです。

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それによれば、最近の卸売価格は、11月上旬には250円/Kg(前年同旬比15.7%増)、中旬279円/Kg(24.6%増)、下旬298円/Kg(24.7%増)と大幅な値上がりをしています。
値上がりの原因は、価格安定対策である鶏卵生産者経営安定対策事業の成鶏更新・空舎延長事業により採卵鶏が減少したことと、夏の猛暑により採卵鶏が大量に死亡したことにより、鶏卵の生産量が大幅に減少していることによるものと言われています。
その影響は、今後徐々に家計に表れてくると思われますので、家計における近年の鶏卵の推移を明らかにしておきたいと思います。
方法は、総務省統計局の家計調査の勤労者世帯の「鶏卵」データを米国センサス局の季節調整法X-13により分析を行ったものです。

◇鶏卵購入頻度の推移

分析期間における100世帯当たりの鶏卵購入頻度は、1ヵ月当たり約390回前後で横ばい状態から、最近は2009年3月をピークとして若干の増減はあるものの減少傾向で推移しています。
このような傾向から、分析期間を通しては若干の減少傾向となっています。
具体的頻度は、1世帯当たり週に1回弱程度の購入頻度といえます。

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この1年間では、2012年10月から2013年3月までは年率ベースで0.2%の増加、2013年4月から9月は年率ベースで0.0%推移しています。

◇鶏卵支出金額の推移

分析期間における鶏卵支出金額は、2005年、2008年から2009年および2010年から2011年にかけての3回、後に説明する鶏卵の平均価格(鶏卵の卸売価格)が高騰した時に支出金額は増加しましたが、それ以外はほぼ減少傾向で推移しているといえます。

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この1年間では、2012年10月から2013年3月までは年率ベースで0.0%の横這い、2013年4月から9月は年率ベースで2.3%の増加傾向推移しています。

◇鶏卵購入数量の推移

分析期間における鶏卵購入数量は、購入時に平均価格が高騰する時期があったにもかかわらず、若干の減少傾向で推移しています。
鶏卵は、家計では最もポピュラーな食材の一つで、ケース(鶏卵10個入り)単位での購入が普通であり、価格が高くなったから数量を減らすということには直接つながらないもの思われます。
2,700g前後の購入数量から、このことからも週に1ケース(10個入り)程度の購入と推測出来ます。

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この1年間では、2012年10月から2013年3月までは年率ベースで1.4%の減少、2013年4月から9月は年率ベースで1.5%の増加傾向推移しています。

◇鶏卵平均価格の推移

分析期間における鶏卵平均価格は、鶏卵の卸売価格が高騰した時(2005年、2008年から2009年および2010年から2011年)に大幅な値上がりをみていますが、それ以外の時期は若干の値下がり傾向にあるものの、比較的安定した推移となっています。

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この1年間では、2012年10月から2013年3月までは年率ベースで3.1%の値上がり、2013年4月から9月は年率ベースで1.7%の値下がり傾向推移しています。

◇鶏卵購入世帯数の推移

分析期間における1万世帯当たりの鶏卵購入世帯数は、若干の減少傾向にありますが、下のグラフでは大きな変動のように見えますが9,470±20世帯の変動幅にあり、購入世帯数は安定的に推移しているものと思われます。

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この1年間では、2012年10月から2013年3月までは年率ベースで0.3%の増加、2013年4月から9月は年率ベースで0.0%で推移しています。