相模野のトト

家計調査データを読む

お休みします

2017年12月10日 20時49分13秒 | 社会・経済

2013年2月から始めたこのブログは、主として米国センサス局の季節調整法X-13Arima-Seatsを用いて総務省統計局の「家計調査」のデータで需給分析を行ってきました。
使用しているデータベースは、この間継続して使用してきましたがメンテナンスが必要となりました。
ちょうど1年前にも体調の関係でお休みしましたが、今回のメンテナンス期間中、このブログをお休みさせていただきたいと思います。


勤労者世帯の家計収支の推移について(2017年第3四半期版)_その5

2017年12月04日 10時37分11秒 | 社会・経済

勤労者世帯の家計収支のうち、消費支出の推移を細目単位で見てきましたが、消費支出の21.4%を占める「その他の消費支出」は、消費支出が2008年1月と比べて2017年9月が14,000円(年ベースで168,000円)減少する中で、14,100円(年ベースで169,200円)減少し消費支出減少の主因となっています。
そこで、「その他の消費支出」の明細単位でその推移を見て行くことで、どの項目について支出を抑制しているのかを明らかにしてゆきたいと思います。

前回と同様に、これらの細目の推移を見て行くため、2008年1月から2017年9月までの各月数値を米国センサス局の季節調整法X-13Arima-Seatsを用いて分析し、得られた「季節調整済」「傾向値」をグラフ化し、ビジュアル的に推移を掌握できるよう工夫してみました。

◇その他の消費支出の推移(勤労者世帯)について(再掲)

分析期間(2008年1月から2017年9月)におけるその他の消費支出の推移は、2008年1月の77,700円から2016年10月の61,900円までの間はほぼ一貫した減少傾向で推移した後、11月の62,100円から2017年9月の63,600円までの間は緩やかな増加傾向で推移しています。
詳細は、「勤労者世帯の家計収支の推移について(2017年第3四半期版)_その4」を参照してください。
なお、その他の消費支出には、「諸雑費」「こづかい(使途不明)」「交際費」および「仕送り金」の細目があります。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます。以下のグラフについても同じです。)

◇諸雑費の推移(勤労者世帯)について

諸雑費の細目は、「理美容サービス」「理美容用品」「身の回り用品」「たばこ」および「その他の諸雑費」が含まれていますので、これらについての推移も見て行くこととします。
分析期間における諸雑費の推移は、2008年1月の23,600円から2011年5月の21,900円の間は緩やかな減少傾向で推移した後、6月の21,900円から2017年9月の24,800円までの間は、期間中若干の増減が含まれるもののおおむね増加傾向で推移しています。



諸雑費の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2015年9月から2016年9月まで13か月連続で減少し、10月から2017年9月までは12か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年5月から2017年7月まで15か月連続で増加し、8月、9月は減少しています。

○理美容サービスへの支出金額の推移(勤労者世帯)について

理美容サービスとは、入浴、理容、美容に対するサービスに関するもので、銭湯・温泉入浴料、理髪料、パーマネント代、エステティックや衣装着付けなどが含まれます。
分析期間における理美容サービスへの支出金額の推移は、2008年1月の2,820円から2011年7月の2,660円までの間は緩やかな減少傾向で推移し、その後、8月の2,660円から2017年9月の2,990円までの間は緩やかな増加傾向となっています。



理美容サービスへの支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2014年8月から2017年9月まで38か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2014年2月から2017年9月まで44か月連続で増加しています。

○理美容用品への支出金額の推移(勤労者世帯)について

理美容用品とは、衛生、理容、美容に対する商品に関するもので、理美容電気器具、浴用・洗顔石鹸、シャンプー、歯磨き、整髪・養毛剤、化粧水・乳液・口紅などの化粧品等が含まれます。
分析期間における理美容用品への支出金額の推移は、2008年1月の4,550円から12月の4,220円までの間は減少傾向で推移した後、2009年1月の4,230円から2017年9月の4,710円までの間は、ほぼ一貫した緩やかな増加傾向が続いています。
季節調整済みで見ると、2014年3月に2,500円以上ジャンプアップしているのが目を引きますが、4月からの消費税率改定(5%→8%)を控えての駆け込み需要によるものです。



理美容用品への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2016年5月から2017年4月まで12か月連続で増加し、5月から9月までは5か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年11月から2017年6月まで8か月連続で減少し、7月から9月までは3か月連続で増加しています。

○身の回り用品への支出金額の推移(勤労者世帯)について

身の回り用品とは、傘、かばん類(ハンドバック、学生鞄、旅行鞄など)、装身具(指輪、ネックレス、腕時計など)等の身の回り用品及びそれらに対するサービス(修理代、賃借料、洗濯代など)に関するもののことです。
分析期間における身の回り用品への支出金額の推移は、2008年1月の2,220円から2017年9月の2,240円までの間、平均的には2,030円±180円(9.0%)と増減の振幅はやや大きいものの、横ばいから緩やかな増加傾向での推移となっています。



身の回り用品への支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2015年10月から2016年12月まで15か月連続で減少した後、2017年1月から9月までは9か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年5月から10月まで6か月連続で減少し、11月から2017年9月まで11か月連続で増加しています。

○たばこへの支出金額の推移(勤労者世帯)について

分析期間におけるたばこへの支出金額の推移は、2008年1月の1,010円から2017年9月の930円まで、平均的には1,100円±90円(8.0%)と増減の振幅幅がやや大きいもののほぼ横ばい状態で推移しているものと思われます。
季節調整済みの推移を見てお分かりだろうと思いますが、2010年9月は、10月からの値上げ(ほとんどのたばこは1箱(20本入り)110円のアップ)を控え、買いだめが起こった影響で前の月に比べ2,800円ジャンプアップしています。



たばこへの支出金額の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2015年12月から2016年7月まで8か月連続で増加した後、8月から2017年9月までは14か月連続で減少しています。
なお、対前月比では、2016年3月から2017年2月まで12か月連続で減少し、3月から6月まで4か月連続で増加した後、7月、8月、9月と3か月連続で減少しています。

○その他の諸雑費の推移(勤労者世帯)について

その他の諸雑費とは、上記の4つの項目に属さない「冠婚葬祭費」「寄付金」「保育所費用」および「介護サービス」などの費用のことです。
分析期間におけるその他の諸雑費の推移は、2008年1月の13,000円から2011年5月の11,900円までの間は横ばいから減少傾向で推移した後、6月の11,900円から2017年9月の13,700円までの間は期間中若干の増減は有るものの増加傾向での推移となっています。



その他の諸雑費の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2015年5月から2016年7月まで15か月連続で減少した後、8月から2017年9月までは14か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年5月から2017年4月まで12か月連続で増加した後、5月から9月まで5か月連続で減少しています。

◇こづかい(使途不明)の推移(勤労者世帯)について

こづかいとは、世帯主や世帯員のこづかいで使途不明なもののことです。
分析期間におけるこづかい(使途不明)の推移は、2008年1月の22,600円から2017年9月の12,700円まで、期間中僅かな増減変動はあるもののほぼ一貫した減少傾向となっています



こづかい(使途不明)の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2016年10月から2017年7月まで10か月連続で増加した後、8月、9月は減少となっています。
なお、対前月比では、2016年12月から2017年4月まで5か月連続で減少し、5月、6月と増加した後、7月から9月まで3か月連続で減少しています。

こづかいの2008年1月は22,600円、2017年9月は12,700円ですから、1月当たり9,900円(年当たり118,800円)減額となっています。
収入が減少傾向で推移する中では、世帯主などのこづかいを減額し節約を図り、または必要経費を捻出せざるを得ない状況にあることが浮き彫りになっています。

◇交際費の推移(勤労者世帯)について

交際費とは、贈答用金品及び接待用支出並びに職場、地域などにおける諸会費及び負担費などのことです。
分析期間における交際費の推移は、2008年1月の22,200円から2009年1月の22,800円までの間は増加傾向で推移した後、2月の22,800円から2017年9月の18,000円まで期間中若干の増減は有るものの、減少傾向で推移しています。



交際費の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2015年8月から2016年12月まで17か月連続で減少した後、2017年1月か9月までは9か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年9月から2017年6月まで10か月連続で増加した後、7月から9月まで3か月連続で減少しています。

交際費の2008年1月は22,200円、2017年9月は18,000円ですから、1月当たり4,200円(年当たり50,400円)減額となっています。
収入が減少傾向で推移する中では、世間や会社での付き合いを減らし節約を図り、または必要経費を捻出せざるを得ない状況にあることが現れています。

◇仕送り金の推移(勤労者世帯)について

仕送り金とは、世帯票に記載のない者への生活費、下宿料、家賃、教育費などの全部又は一部を継続的に補助するための現金支出のことです。
分析期間における仕送り金の推移は、2008年1月の10,800円から2017年9月の8,100円までの間、不定期なやや振幅の大きい増減を繰り返しながら緩やかな減少傾向で推移しています。

 仕送り金の分析結果では、傾向値の対前年同月比では2016年3月から2017年1月まで11か月連続で減少した後、2月か9月までは8か月連続で増加しています。
なお、対前月比では、2016年8月から2017年8月まで13か月連続で増加した後、9月は減少しています。