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家計調査データを読む

都道府県庁所在市別「魚介類(まぐろ、あじ、いわし、かつ、かれい、さけ、さば)」の消費について(1)

2015年03月28日 19時48分22秒 | 社会・経済

総務省統計局は、平成27年(2015年)3月13日に家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令都市ランキング(平成24年(2012年)~26年(2014年)平均)を公表しました。
その中から、前回は「穀類」について、ビジュアル的に一目で地域差等が明らかになるよう、各市の購入数量及び支出金額から購入単価(平均価格)を算出した上で、平均購入単価と各市の購入単価の差と、先の購入数量及び支出金額を一つのグラフ(3D効果付きバブルグラフ)上に表示してみました。
今回は、「魚介類」について、同様にグラフ(3D効果付きバブルグラフ)によりビジュアル的に地域差を明らかにする試みを行ってみました。
魚介類の項目は、鮮魚が他の鮮魚を含み15品目、さしみ盛り合わせ、貝類が他の貝を含み5品目、塩干魚介が他の塩干魚介を含み6品目、魚肉練り製品が他の魚肉練り製品を含み4品目、及び他の魚介加工品が5品目の合計36品目ものデータが掲載されています。
この内、購入数量と支出金額のデータが揃っていないもの、及び「他の◯◯」と複数の魚介類が含まれるものを除いた25品目について、4回に分けて報告したいと思います。
初回は、「鮮魚」のうち、「まぐろ」「あじ」「いわし」「かつお」「かれい」「さけ」及び「さば」についてです。
なお、家計調査の収支項目分類表では、生鮮魚介とは「採取されたままのもので,保存などのための加工がされていないもの。冷凍,洗浄,切断,不要物の除去などの最小限の加工を加えたものも含む」と定義され、鮮魚とは「刺身,切身(フィレ)を問わない」と定義されています。

◇都道府県所在市別「まぐろ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「まぐろ」の消費量の多いのは、靜岡市(購入数量:5,625g、支出金額:13,859円、購入単価(平均価格):246円/100g)、甲府市(4,387g、10,247円、234円/100g)、前橋市(3.636g、7,970円、219円/100g)、那覇市(3,399g、 5,851円、172円/100g)および宇都宮市(3,350g、7,584円、226円/100g)の順であり、少ないのは、長崎市(434g、 931円、215円/100g)、松江市(533g、1,170円、220円/100g)、福岡市(588g、1,542円、262円/100g)、大分市(592g、1,587円、268円/100g)および佐賀市(663g、1,754円、265円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は2,016g、平均支出金額は4,630円、平均購入単価は231円/100gです。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます、以下も同じ。)

◇都道府県所在市別「あじ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「あじ」の消費量の多いのは、松江市(購入数量:2,977g、支出金額:2,934円、平均価格:99円/100g)、長崎市(2,900g、2,971円、102円/100g)、佐賀市(2,498g、2,820円、113円/100g)、山口市(2,355g、 2,841円、121円/100g)および宮崎市(2,172g、2,430円、119円/100g)の順であり、少ないのは、札幌市(158g、 227円、144円/100g)、那覇市(177g、216円、122円/100g)、福島市(385g、457円、128円/100g)、山形市(444g、495円、111円/100g)および仙台市(485g、607円、125円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は1,177g、平均支出金額は1,301円、平均購入単価は113円/100gです。



◇都道府県所在市別「いわし」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「いわし」の消費量の多いのは、鳥取市(購入数量:2,306g、支出金額:1,565円、平均価格:68円/100g)、長崎市 (1,255g、1,028円、82円/100g)、松江市(1,237g、987円、80円/100g)、青森市(1,217g、 728円、60円/100g)および佐賀市(1,178g、909円、77円/100g)の順であり、少ないのは、那覇市(113g、 122円、108円/100g)、福島市(294g、281円、96円/100g)、山形市(371g、238円、68円/100g)、長野市 (378g、374円、99円/100g)および札幌市(398g、298円、75円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は764g、平均支出金額は604円、平均購入単価は81円/100gです。



◇都道府県所在市別「かつお」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「かつお」の消費量の多いのは、高知市(購入数量:4.965g、支出金額:9,204円、平均価格:185円/100g)、水戸市 (2,139g、3,361円、157円/100g)、仙台市(2,049g、3,384円、165円/100g)、福島市(2,048g、 3,370円、165円/100g)および盛岡市(1,825g、2,995円、164円/100g)の順であり、少ないのは、大分市(385g、 644円、167円/100g)、金沢市(446g、626円、140円/100g)、佐賀市(493g、741円、150円/100g)、富山市 (504g、653円、130円/100g)および札幌市(527g、680円、129円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は1,057g、平均支出金額は1,687円、平均購入単価は156円/100gです。



◇都道府県所在市別「かれい」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「かれい」の消費量の多いのは、鳥取市(購入数量:4,671g、支出金額:3,862円、平均価格:83円/100g)、青森市 (3,461g、2,568円、75円/100g)、秋田市(2,682g、2,765円、103円/100g)、金沢市(2,443g、 2,722円、111円/100g)および新潟市(2,424g、2,241円、92円/100g)の順であり、少ないのは、高知市(312g、 356円、114円/100g)、那覇市(376g、279円、74円/100g)、鹿児島市(379g、435円、115円/100g)、靜岡市 (393g、462円、118円/100g)および松山市(523g、668円、128円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は1,219g、平均支出金額は1,356円、平均購入単価は116円/100gです。



◇都道府県所在市別「さけ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「さけ」の消費量の多いのは、青森市(購入数量:4,727g、支出金額:6,053円、平均価格:128円/100g)、札幌市 (4,354g、6,078円、140円/100g)、新潟市(4,053g、5,060円、125円/100g)、盛岡市(4,009g、 5,298円、132円/100g)および前橋市(3,922g、5,278円、135円/100g)の順であり、少ないのは、高知市(1,460g、 2,263円、155円/100g)、熊本市(1,985g、2,940円、148円/100g)、宮崎市(2,095g、2,914円、139円/100g)、徳島市 (2,129g、3,239円、152円/100g)および鳥取市(2,145g、3,087円、144円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は2,875g、平均支出金額は4,155円、平均購入単価は146円/100gです。



◇都道府県所在市別「さば」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「さば」の消費量の多いのは、松江市(購入数量:2,125g、支出金額:1,638円、平均価格:77円/100g)、鳥取市 (1,846g、1,259円、68円/100g)、鹿児島市(1,818g、1,691円、93円/100g)、和歌山市(1,680g、 1,797円、108円/100g)および高知市(1,624g、1,298円、80円/100g)の順であり、少ないのは、福島市(670g、 579円、86円/100g)、山形市(677g、432円、64円/100g)、仙台市(695g、649円、93円 /100g)、那覇市 (798g、766円、96円/100g)および東京都区部市(812g、776円、96円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は1,218g、平均支出金額は1,071円、平均購入単価は88円/100gです。


都道府県庁所在市別「穀類」の消費(購入数量・支出金額)について

2015年03月23日 14時41分43秒 | 社会・経済

総務省統計局は、平成27年(2015年)3月13日に家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令都市ランキング(平成24年(2012年)~26年(2014年)平均)を公表しました。
これは、家計調査の1世帯当たり品目別年間支出金額及び購入数量(二人以上の世帯)のデータから,どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにするため,2012~2014年平均の品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキングを集計したものです。
(※、政令指定都市とは、川崎市,浜松市,堺市及び北九州市のことです。)
このデータから、ビジュアル的に一目で地域差等が明らかになるよう、各市の購入数量及び支出金額から購入単価(平均価格)を算出した上で、平均購入単価と各市の購入単価の差と、先の購入数量及び支出金額を一つのグラフ(3D効果付きバブルグラフ)上に表示してみました。
グラフは、X軸に購入数量、Y軸に支出金額とし、色付きのバブルは平均購入単価より高く、色無しのバブルは平均購入単価より安いことを表し、また、バブルの大きさは大きければ乖離が大きく、小さければ乖離が少ないことを表しています。
なお、少しでも見やすくするために、政令都市は省略しました。
取り上げた品目は、収支項目分類に従い、米、パン(食パン、他のパンの合計)、めん類のうち生うどん・そば、乾うどん・そば、スパゲッティ、中華めん、カップめん、即席めん、及び他の穀類のうち小麦粉、もちとし、他のめん類及び他の穀類のその他は省略しました。

◇都道府県庁所在市別「米」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在市の中で「米」の消費量の多いのは、静岡市(購入数量:94.49Kg、支出金額:36,635円、購入単価(平均価格):388円/Kg)、山形市(90.47Kg、30,754円、340円/Kg)、札幌市(90.28Kg、33,413円、370円/Kg)、佐賀市(90.16Kg、31,862円、353円/Kg)および長崎市(86.03Kg、31,683円、368円/Kg)の順であり、少ないのは、岡山市(53.19Kg、19,491円、366円/Kg)、東京都区部(60.63Kg、25.424円、419円/Kg)、宮崎市(62.06Kg、23,329円、376円/Kg)、仙台市(62.66Kg、21,788円、348円/Kg)および水戸市(63.44g、21.986円、347円/Kg)の順です。
なお、平均購入数量は75.02Kg 、平均支出金額は26,895円、平均購入単価は359円/Kgです。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます、以下も同じ。)

◇都道府県庁所在市別「パン」の消費(購入数量、支出金額)について

 都道府県庁所在市の中で「パン」の消費量の多いのは、京都市(購入数量:62,599g、支出金額:36,835円、購入単価:59円/100g)、神戸市(61,629g、37,399円、61円/100g)、岡山市(58,009g、34,050円、59円/100g)、大津市(55,697g、33,755円、61円/100g)および大阪市(55,316g、34,339円、62円/100g)の順であり、少ないのは、福島市(30,269g、21,776円、72円/100g)、山形市(32,755g、22,203円、68円/100g)、秋田市(35,562g、22,163円、66円/100g)、仙台市(33,937g、23,967円、71円/100g)および盛岡市(34,839g、24,944円、72円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は44,295g 、平均支出金額は28,446円、平均購入単価は65円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「生うどん・そば」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「生うどん・そば」の消費量の多いのは、高松市(購入数量:20,644g、支出金額:6,780円、購入単価:33円/100g)、和歌山市(14,779g、3,276円、22円/100g)、京都市(14,318g、4,081円、29円/100g)、岡山市(14,233g、3,562円、25円/100g)および松山市(13,470g、4,009円、30円/100g)の順であり、少ないのは、那覇市(4,303g、1,570円、36円/100g)、長崎市(7,360g、2,311円、31円/100g)、宮崎市(7,482g、2,729円、36円/100g)、熊本市(7,608g、2,385円、31円/100g)および鹿児島市(8,037g、2,642円、33円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は10,702g 、平均支出金額は3,352円、平均購入単価は32円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「乾うどん・そば」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「乾うどん・そば」の消費量の多いのは、秋田市(購入数量:8,038g、支出金額:6,733円、購入単価:83円/100g)、高松市(7,708g、5,790円、75円/100g)、山形市(6,858g、3,572円、52円/100g)、盛岡市(6,267g、3,426円、55円/100g)および新潟市(5,757g、2,999円、52円/100g)の順であり、少ないのは、大分市(2,404g、1,755円、73円/100g)、宮崎市(2,474g、1,646円、67円/100g)、熊本市(2,518g、2,212円、88円/100g)、山口市(2,673g、1,990円、74円/100g)および長崎市(2,784g、1,865円、67円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は4,107g 、平均支出金額は2,692円、平均購入単価は66円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「スパゲッティ」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「スパゲッティ」の消費量の多いのは、さいたま市(購入数量:4,262g、支出金額:1,453円、購入単価:34円/100g)、横浜市(4,123g、1,402円、34円/100g)、福岡市(3,964g、1,404円、35円/100g)、東京都区部(3,877g、1,489円、38円/100g)および岡山市(3,817g、1,295円、34円/100g)の順であり、少ないのは、和歌山市(2,512g、936円、37円/100g)、高松市(2,565g、1,060円、41円/100g)、福井市(2,698g、1,161円、41円/100g)、高知市(2,732g、1,134円、42円/100g)および広島市(2,743g、1,133円、41円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は3,196g 、平均支出金額は1,194円、平均購入単価は38円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「中華めん」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「中華めん」の消費量の多いのは、盛岡市(購入数量:11,939g、支出金額:5,419円、購入単価:45円/100g)、那覇市(11,591g、4,422円、38円/100g)、青森市(11,501g、5,166円、45円/100g)、山形市(10,591g、4,821円、46円/100g)および岡山市(9,896g、4,189円、42円/100g)の順であり、少ないのは、高知市(5,682g、3,025円、53円/100g)、大分市(6,222g、2,900円、47円/100g)、宮崎市(6,342g、2,832円、45円/100g)、熊本市(6,573g、3,101円、47円/100g)および鹿児島市(6,895g、3,244円、47円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は8,718g 、平均支出金額は3,918円、平均購入単価は45円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「カップめん」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「カップめん」の消費量の多いのは、青森市(購入数量:5,039g、支出金額:4,960円、購入単価:98円/100g)、山形市(4,545g、4,788円、105円/100g)、富山市(4,408g、4,122円、94円/100g)、新潟市(3,986g、4,324円、108円/100g)および秋田市(3,875g、4,174円、108円/100g)の順であり、少ないのは、大津市(2,376g、2,429円、102円/100g)、神戸市(2,570g、2,549円、99円/100g)、那覇市(2,598g、2,790円、107円/100g)、静岡市(2,614g、2,621円、100円/100g)および東京都区部(2.621g、2,810円、107円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は3,166g 、平均支出金額は3,344円、平均購入単価は106円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「即席めん」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「即席めん」の消費量の多いのは、鳥取市(購入数量:4,469g、支出金額:3,012円、購入単価:67円/100g)、高知市(4,017g、2,676円、67円/100g)、大分市(3,745g、2,249円、60円/100g)、青森市(3,740g、2,113円、57円/100g)および佐賀市(3,593g、2,245円、62円/100g)の順であり、少ないのは、長野市(2,173g、1,472円、68円/100g)、那覇市(2,290g、1,718円、75円/100g)、水戸市(2,303g、1,462円、63円/100g)、前橋市(2,372g、1,682円、71円/100g)および東京都区部(2,381g、1,692円、71円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は3,003g 、平均支出金額は1,978円、平均購入単価は66円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「小麦粉」の消費(購入数量、支出金額)について

 都道府県庁所在都市の中で「小麦粉」の消費量の多いのは、奈良市(購入数量:4,593g、支出金額:1,064円、購入単価:23円/100g)、長野市(4,311g、953円、22円/100g)、大分市(3,714g、924円、25円/100g)、大津市(3,687g、871円、24円/100g)および和歌山市(3,655g、814円、22円/100g)の順であり、少ないのは、甲府市(1,906g、510円、27円/100g)、福井市(2,061g、493円、24円/100g)、富山市(2,260g、575円、25円/100g)、佐賀市(2,260g、532円、24円/100g)および東京都区部(2,301g、625円、27円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は2,881g 、平均支出金額は687円、平均購入単価は24円/100gです。



◇都道府県庁所在市別「もち」の消費(購入数量、支出金額)について

都道府県庁所在都市の中で「もち」の消費量の多いのは、新潟市(購入数量:3,139g、支出金額:2,180円、購入単価:69円/100g)、富山市(3.091g、2,662円、86円/100g)、名古屋市(2,924g、2,357円、81円/100g)、横浜市(2,903g、2,016円、69円/100g)および千葉市(2,881g、1,889円、66円/100g)の順であり、少ないのは、秋田市(1,347g、1,296円、96円/100g)、宮崎市(1,427g、1,075円、75円/100g)、大分市(1,474g、1,421円、96円/100g)、熊本市(1,475g、1,123円、76円/100g)および鹿児島市(1,476g、1,271円、86円/100g)の順です。
なお、平均購入数量は2,193g 、平均支出金額は1,769円、平均購入単価は82円/100gです。


最近の消費支出(各項目別)の推移について

2015年03月03日 15時27分35秒 | 社会・経済

最近の消費支出及びその項目別の推移を見てゆくこととします。
今回使用したデータは、総務省統計局の家計調査報告に記載されている、二人以上の世帯の消費支出、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、保健医療、被服及び履物、交通・通信、教育、教養娯楽及びその他の消費支出への、2000年1月から2015年1月までの各月の支出金額です。
分析は、米国センサス局の季節調整法X-13を用いています。
分析結果の季節調整済値、傾向値及び実数値を同一グラフにプロットし、下図のようにその推移をビジュアル的に読み取れるよう表示しました。

◇消費支出金額の推移について

分析期間における消費支出金額の推移は、2000年1月から2012年7月までの間は、2000年1月の31万9千円/月から2012年7月の28万6千円/月まで、途中若干の増減はあるものの、ほぼ一貫した減少傾向で推移し、その後は2013年10月の29万円/月まで増加し、直近では横ばい状態の推移となっています。
なお、消費支出の増加が始まったのは、第2次安倍政権が発足(2012年12月)する以前からのことです。


(グラフをクリックすると拡大したグラフを見ることができます、以下も同じ。)

2015年2月27日公表の家計調査報告-平成27年(2015年)1月分速報-(以下「1月速報」という。)では、消費支出の対前年同月増減率は名目-2.4%、実質-5.1%、10か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比も同様に10か月連続の減少となっていますが、前月比では8月以降6か月連続して増加となっています。
傾向値(支出金額)では、7月が287,900円/月から増加が続いて2015年1月では288,400円/月となっています。
以前にも解説いたしましたが、季節調整法X-13と比べると、前年同月比では単に前年同月より増えたか減ったかしかわからないことと、その方向性(増加傾向なのか、減少傾向なのか)がわからないという問題があり、さらには、前年同月比の増減率の値はその前年(前前年)の動向にも左右される上、そのボリューム(この場合は金額)もわからないという問題があると思います。

◇食料支出金額の推移について

分析期間における食料への支出金額は、2000年1月の74,200千円/月から2011年4月の66,300 円/月まで、途中若干の増減はあるものの、ほぼ一貫した減少傾向で推移し、その後は一時停滞するものの2015年1月の70,400円/月までは増加傾向が続いています。



1月速報では、食料の対前年同月増減率は名目0.8%、実質-3.3%、2か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は2013年1月から連続25か月増加となっており、前月比は2012年10月以降はほぼ増加傾向となっています(2013年7月及び2015年1月はマイナスとなっている)。

◇住居支出金額の推移について

分析期間における住居への支出金額は、2000年1月の20,200円/月から2008年5月の16,500円/月までは減少傾向で推移した後、2011年12月の19,400円/月まで増加しています。
その後は、再び減少傾向となり、2015年1月では17,000円/月まで減少しています。



1月速報では、住居の対前年同月増減率は名目-6.6%、実質-8.1%、2か月ぶりの実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は2014年6月から8か月連続の減少となっており、前月比は2014年2月から11月まで10か月連続の減少傾向となった後、12月からは増加となっています。

◇光熱・水道支出金額の推移について

分析期間における光熱・水道への支出金額は、2009年11月までは平均的には21,600円±600円(2.6%)とほぼ横這いで推移しましたが、2009年11月の21,100円/月をボトムとして、その後は増加傾向で推移し、2015年1月では24,000円/月まで増加しています。



1月速報では、光熱・水道の対前年同月増減率は名目2.6%、実質-1.3%、10か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は2014年9月から11月まで3か月連続の減少となった後、12月から増加傾向となっており、前月比は6月から9月まで4か月連続の減少となった後、10月以降は増加傾向となっています。

◇家具・家事用品支出金額の推移について

分析期間における家具・家事用品への支出金額は、平均的には10,100円/月±400円/月(3.6%)とやや変動幅は大きい物の、ほぼ横這いで推移しています。
なお、2014年3月の不規則変動は1.84とプラスに大きく変動しており、4月の消費税率改定(5%→8%)を控えて、駆け込み需要が生じたものと思われます。



1月速報では、家具・家事用品の対前年同月増減率は名目-6.5%、実質-8.8%、10か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は2014年3月以降11か月連続の減少となっており、前月比は9月以降連続の増加となっています。

◇被服及び履物支出金額の推移について

分析期間における被服及び履物の支出金額は、2000年1月の16,500円/月から2011年2月の11.200円/月まで、途中若干の増減はあるもののほぼ一貫した減少が続き、その後は2014年4月の11,900円/月まで増加し、それ以降は横ばい状態となっています。



1月速報では、被服及び履物の対前年同月増減率は名目-12.6%、実質-15.9%、5か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2012年12月以降2014年12月まで24か月連続で増加した後、2014年1月は増加となり、前月比は5月以降12月まで8か月連続の減少となった後、2015年1月は増加となっています。

◇保健医療支出金額の推移について

分析期間における保健医療支出金額は、2000年1月の11,100円/月から2007年8月の13,200円/月まで、途中若干の増減はあるもののほぼ一貫した減少傾向で推移した後、2015年1月までは平均的に12,700円/月±200円/月(1.7%)で横ばい状態で推移しています。



1月速報では、保健医療の対前年同月増減率は名目4.5%、実質2.8%、4か月連続の実質増加と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2014年1月以降10月まで10か月連続で減少した後、増加傾向となり、前月比は6月以降連続の増加となっています。

◇交通・通信支出金額の推移について

分析期間における交通・通信への支出金額は、2000年の36,000円/月前後から小刻みな増減を繰り返しながら緩やかな増加傾向で推移し、2014年では41,700円/月まで増加してきています。
また、2014年2月の不規則変動は1.15と不規則変動の少ない項目としては、比較的変動幅が大きく、家具・家事用品と同様に、4月の消費税率改定(5%→8%)を控えて、駆け込み需要が生じたものと思われます。



1月速報では、交通・通信の対前年同月増減率は名目-5.6%、実質-6.0%、2か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2014年10月以降4か月連続で減少となり、前月比は11月以降3か月連続の減少となっています。

◇教育支出金額の推移について

分析期間における教育への支出金額は、2009年5月までは12,800円/月前後で横ばい状態で推移してきたものが、その後は途中若干の増減はあるものの減少傾向で推移し、2015年1月では10,900円/月まで減少しています。



1月速報では、教育の対前年同月増減率は名目5.9%、実質3.6%、3か月連続の実質増加と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2014年8月以降6か月連続で増加となり、前月比は10月以降4か月連続の減少となっています。

◇教養娯楽支出金額の推移について



1月速報では、教養娯楽の対前年同月増減率は名目-8.3%、実質-11.3%、10か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2014年11月以降3か月連続で増加となり、前月比は10月以降4か月連続の減少となっています。

◇その他の消費支出金額の推移について

家計調査の収支分類表には、その他の消費支出として「理美容サービス」「理美容用品」「身の回り用品」「たばこ」「信仰・祭祈費等」「こづかい」「交際費」及び「仕送り金」の項目が上げられています。
分析期間におけるその他の消費支出金額は、2000年1月の81,700円/月から2015年1月の62,000円/月まで、途中若干の増減はあるものの、ほぼ一貫して減少傾向が続いています。



1月速報では、その他の消費支出の対前年同月増減率は名目-2.1%、実質-4.8%、15か月連続の実質減少と説明されています。
分析結果の傾向値の前年同月比は、2013年10月以降16か月連続で増加となり、前月比は11月以降3か月連続の減少となっています。