相模野のトト

家計調査データを読む

最近の交通・通信(個別品目)支出金額の推移について

2014年09月29日 16時22分57秒 | 社会・経済

駆け込み需要が生じたかどうかについて、消費支出の項目(個別項目)単位に最近の支出金額の推移を見てきましたが、最後に交通・通信についてみてゆきたいと思います。
総務省統計局の家計調査の収支項目分類表では、交通・通信について「人の移動,物の運送,情報の伝達に必要な商品及びサービスへの支出」と説明されています。

◇交通・通信支出金額の推移

○交通・通信支出金額の推移について

分析期間における交通・通信支出金額は、リーマン・ショックの影響もあり2008年の48,500円前後から2011年8月の44,600円まで減少傾向で推移した後、増加傾向に転じ2014年6月では52,900円まで増加しています。


(グラフの上をクリックすると、拡大したグラフを見ることができます。以下も同じ。)

消費税率改正(5%→8%)前の2014年1月の支出金額の前年同月比は11.0%の増加、2月は-4.6%の減少、3月は15.0%の増加となっています。

○交通・通信支出金額の季節変動、不規則変動について

交通・通信支出金額の季節変動は、3月をピーク、5月をボトム(需要期;7月、8月、12月、不需要期;2月、11月)を周期とする変動となっています。



不規則変動は、2014年1月は1.03、2月は0.97、3月は1.14となっており、特に支出のピーク時でもある3月はプラスに大きく変動していることからみて、駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇交通支出金額の推移について

交通について収支項目分類表では、「公共輸送機関,公共輸送施設の利用料金」と説明されており、個別項目(細目)には、鉄道運賃、鉄道通学定期代、鉄道通勤定期代、バス代、バス通学定期代、バス通勤定期代、タクシー代、航空運賃、有料道路料が挙げられ及び他の交通として、○  船賃(遊覧船・観光船は除く。) 渡船代  渡橋料○  カーフェリー・フェリーボート代○  貸切・見学バス代○  寝台自動車代○  ロープウェイ・ケーブルカー(登山電車)代○  駅入場料  空港施設使用料が例示さています。

分析期間における交通支出金額は、2008年1月の7,200円から2011年6月の6,100円まで若干の増減が含まれるものの減少傾向で推移し、その後2013年6月の7,000円まで増加傾向で推移しています。
最近は、緩やかな減少傾向での推移となっており、2014年6月では6,800円となっています。



消費税改訂直前の2014年3月の支出金額前年同月比は28.1%の増加、不規則変動は1.15と明らかに急増しており、支出内容から見て通勤通学の定期代で駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇自動車等購入支出金額の推移について

収支項目分類表では自動車等購入については、「自動車,オートバイなどの輸送機器の購入金額」と説明されており、個別項目(細目)には自動車購入(中古を含む)及び自動車以外の輸送機器購入が挙げられ、輸送機器については、○  自動車以外の原動機付きの乗り物 ○  オートバイ  スクーター ○  クルーザーが例示されています。
分析期間における自動車等購入支出金額は、2008年の7,500円前後から2011年7月の4,800円まで若干の増減を含むもののはぼ減少傾向で推移した後、増加傾向に転じています。
2014年1月には10,800円まで増加しましたが、その後は緩やかな減少傾向となり、2014年6月には9.600円まで減少しています。



支出金額の「前年同月比は、2014年1月が66.6%の増加、2月が7.3%の増加、3月が18.7%の増加と大幅に増加しており駆け込み需要が生じたのは明らかと思われますが、その後の4月は26.4%の増加、5月の14.6%増加と増加基調が続いており、契約と納車、支払との関係でこのような現象になっているのか、他の統計等での確認が必要と思われます。
ちなみに、不規則変動は、1月が1.11、2月が0.98、3月が1.11であり、4月が0.98、5月が0.79となっています。
このことからも、駆け込み需要であることは明らかと思われます。

◇自転車購入支出金額の推移について

収支項目分類表では自転車購入については、「大人,子供用を問わない。中古車も含む」と説明されており、○  マウンテンバイク○  電動アシスト自転車が例示されています。

分析期間における支出金額は、2008年から2012年までは平均的には310円±20円で横ばいで推移した後、2013年に入ると増加傾向に転じ、最近は380円前後まで増加しています。



支出金額の前年同月比は、1月が171.1%の増加、2月が-31.2%の減少、3月が73.6%の増加となっており、不規則変動は、1月が2.09、2月が0.78、3月が1.34となっており、駆け込み需要の発生は明らかと思われます。

◇自動車等維持支出金額の推移について

収支項目分類表では自動車等維持については、「輸送機器の維持,使用のために必要な商品及びサービスに関するもの」と説明されており、個別項目(細目)では、ガソリン、自動車等部品(○  タイヤ  プラグ  バックミラー  バッテリー エンジン関係の部品 ○  ワイパー ○  自動車の電球(ルームライト  テールランプなど ○  オートバイ,スクーター,自転車などの部品)、自動車等関連用品(○  チェーン  ナンバープレート ○  カーステレオ  カーナビゲーション ○  ボディカバー  シートカバー ○  ボディカバー  シートカバー ○  ボディカバー  シートカバー ○  自転車の付属品(子供用のいす,籠,荷物用のゴムベルトなど) ○  バイク用ヘルメット ○ ETC車載器)、自動車整備費(○ ETC車載器 ○  グリスアップ  チューンナップ ○  車の修理代)、自動車以外の輸送機器整備費(○  定期点検料  車検のための整備費(250cc以上の自動二輪車) ○  パンク修理代、年・月極め駐車場借料、他の駐車場借料、レンタカー料金及び他の自動車等関連サービス(○  車の登録料(登録替依頼手数料) ○  運転免許試験手数料  免許証交付手数料(仮免許証,免許証更新料を含む。)  ○  代行車料 ○  バッテリー充電代 ○  洗車代○  自転車の預け賃 ○  JAFの会費)、自動車保険料(自賠責)、自動車保険料(任意)及び自動車保険料以外の輸送機器保険料が挙げられています。

分析期間における支出金額は、2008年の19,500円前後からリーマンショック後大幅に減少し、2009年1月の17,000円から増加基調に転じ、その後は若干の増減を含みながら2013年10月の20,700円まで増加しています。
最近では減少傾向に転じており、2014年6月では20,300円まで減少しています。
  


支出金額の前年同月比は、1月が7.3%の増加、2月が-10.8%の減少、3月が11.0%の増加となっており、不規則変動は1月が1.01、2月が0.93、3月が1.11となっており、僅かながら駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇通信支出金額の推移について

収支項目分類表では通信については、「物の運送,情報の伝達のために必要な商品及びサービスに関するもの」と説明されており、個別項目(細目)には、郵便料、固定電話通信料、移動電話通信料、運送料、移動電話及び他の通信機器(○  電話機  コードレスホン ○  ファクシミリ ○  無線装置  無線機)が挙げられています。

分析期間における支出金額は、2008年1月の14,000円から1012年12月の15,700円までほぼ一貫して増加基調で推移した後、最近は減少傾向に転じ2014年6月の15,000円まで減少しています。
2012年までの一貫した増加は、携帯電話、スマートフォンの普及による通信料の増加が主因と思われます。 



支出金額の前年同月比は、消費税改定(5%→8%)直前の3月は、10.6%の増加、不規則変動は1.05とプラスに変動しており、若干の駆け込み需要が生じたものと思われます。

今まで見てきたように、多様な品目について駆け込み需要が生じたことは明らかと思われ、今後は駆け込み需要の反動、消費税増税の影響がどの程度の買い控えとなって家計に表れてくるか、注目してゆく必要があります。

ところで、明日から10月、もうすっかり秋ですね。
そろそろ、コスモスも見ごろを迎えようとしています。
見慣れた光景も、少し位置を変えて逆光の中で見るのも、また別の美しさを発見できるものです。
少しずつ柔らかくなってきた秋の日差しの中のコスモスをとらえてみました。


最近の保健医療(個別品目)支出金額の推移について

2014年09月24日 09時53分36秒 | 社会・経済

平成26年(2014年)4月の消費税率改正(5%→8%)に伴い、改正前に駆け込み需要が発生したかどうかを消費支出の項目単位で明らかにし、さらに当該項目の個別項目についても分析を行い、住居、家具・海自用品の個別品目単位での駆け込み需要の有無を見てきましたが、第3弾として保健医療についても個別項目単位に分析を行い、どのような項目に駆け込み需要が生じたのか明らかにしてみたいと思います。

保健医療について家計調査(総務省統計局)の収支項目分類表では、「健康の維持,疾病の治療,身体の矯正のために必要な商品及びサービスへの支出。なお,世帯が実際に支出した金額のみとする」と説明されています。

◇保健医療支出金額の推移

○保健医療支出金額の推移について

分析期間における保健医療支出金額は、平均的には11,500円±400円の範囲で変動して推移していますが、最近では2013年1月の11,900円をピークに減少傾向での推移となり、2014年6月では10,800円となっています。



(OCNのブログ人からgooブログに引っ越して来て、サムネイル表示が小さく確認しにくなっておりますが、今まで通りグラフ上をマウスクリックすると、オリジナルサイズの拡大したグラフが見ることができます、以下も同じです)

消費税率改正(5%→8%)直前の2014年年2月における保健医療支出金額の前年同月比は0.9%の増加、3月は6.8%の増加となっており、弱いながらも駆け込み需要が生じたものと思われます。

○保健医療支出金額の季節変動・不規則変動について

保健医療支出金額の季節変動は、3月、7月及び12月がピークとなり、2月、4月及び8月がボトムとなる周期変動となっています。



2014年2月の支出金額の不規則変動は1.05、3月は1.10とプラスに比較的大きく変動しており、このことから見ても駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇医薬品支出金額の推移について

収支項目分類表では医薬品について、「薬事法に定める医薬品及び医薬部外品。医師の処方箋により院外で購入した薬も薬の種類により,それぞれの項目に分類する」と説明がされています。
すなわち、感冒薬、胃腸薬、栄養剤、外傷・皮膚病薬、打撲・くじき・肩こりなどのはり薬、湿布薬、化膿止め、あせも・虫さされの予防薬、目薬及び座薬などが該当します。

分析期間における医薬品支出金額は、2008年1月の1,400円から2010年10月の2,050円まで増加傾向で推移した後、2012年9月の2,060円までは2,000円±100円の変動の幅の中で推移しています。



2014年年2月の支出金額の前年同期比は-7.7%の減少、3月は1.2%増加とあまり大きな変化はなく、また、2月の不規則変動は0.99、3月が1.02とこちらも大きな変動が無いことから、駆け込み需要は生じなかったと思われます。
当然といえば当然で、病気やけがはいつ発生するか分からず、前もって用意しておくような需要は発生のしようがないということでしょう。

◇健康保持用摂取品支出金額の推移について

収支項目分類表では健康保持用摂取品について、「栄養成分の補給など保健・健康増進のために用いる食品であって,錠剤,カプセル,か粒状,粉末状,粒状,液(エキス)状など通常の医薬品に類似する形態をとるもの」と説明がされています。
また○  八つ目うなぎ  まむし(乾燥粉末)、○  スッポン(乾燥粉末)加工食品、○  熊笹,アロエ,ケール,クコなどの粉末,青汁、○  オタネ(高麗)ニンジン根加工食品  朝鮮人参、○  小麦胚芽油  大麦胚芽油  末胚芽油、○  大豆レシチン含有食品、○  酵母食品、○  梅エキス食品、○  かき加工食品、○  プルーンエキス食品、○  オリゴ糖類加工食品、○  マンネンタケ(霊芝)加工食品、○  クロレラ加工食品、○  すいか糖が当該項目として例示されています。

分析期間における健康保持用摂取品支出金額は、縦軸(Y軸、支出金額)のスケールのとり方でグラフ上は大きく変動しているように見えますが、平均的には860円±80円の範囲で変動しており、最近では2012年5月の960円をピークに減少傾向の推移となり、2014年6月では720円まで減少しています。



2014年2月の支出金額の前年同期比は-14.6%の減少、3月は0.2%増加とあまり大きな変化はなく、また、2月の不規則変動は1.02、3月が1.21と3月がやや大きいものの、それほど大きな変動が無いことから、駆け込み需要は生じなかったと思われます。

◇保健医療用品・器具支出金額の推移について

収支項目分類表では保健医療用品・器具について、「健康の維持,疾病の治療,身体の矯正のために必要な用品及び器具」と説明がされています。
なお、例示として、大人用を含む紙おむつ、○  避妊用具、○  乳首  布製おむつ  おむつカバー、○  三角巾  包帯  ガーゼ  リント布、○  ばんそうこう  バンドエイド  綿棒  マスク  油紙 眼帯  生理帯  T字帯、○  脱脂綿  紙綿(生理用ナプキンなど)、○  入浴剤、○  入れ歯洗浄剤  入れ歯安定剤、○  コンタクトレンズの保存液,洗浄液、メガネ、コンタクトレンズ、○  体温計  血圧計  ヘルスメーター、○  松葉つえ  補聴器  胃の健康帯  ギブス  コルセット、○  磁気健康器(枕,サンダル,靴中敷など)、○  磁気治療器(ネックレスなど)、○  イオン水生成器(医療用器具)、○  健康布団  健康敷布、○  介護用寝巻き  介護用エプロン、○  哺乳びん、○  氷のう  氷枕  保冷枕が上げられています。

分析期間における保健医療用品・器具支出金額は、平均的には2,300円±100円の変動を伴う横ばい状態で推移しています。

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2014年2月の支出金額の前年同月比は-2.5%の減少でしたが、3月は73.9%、実額で1,800円の大幅な増加を示してしています。
2月の不規則変動は1.01、3月は1.82とプラスに大幅に変動しており、駆け込み需要が生じたことは明白です。

◇保健医療サービス支出金額の推移について

収支項目分類表では保健医療サービスについて、「健康の維持,疾病の治療,身体の矯正のために必要なサービスに関するもの」と説明されています。
個別項目として、医科診療代、歯科診療代、出産入院科、整骨(接骨)・鍼灸院治療代、マッサージ料金等(診療外)及び他の保健医療サービスとして○  検眼料、○  診断書(死亡診断書も含む。) 入院証明書、○  ろうあ者の発音練習代、○  派出看護師料(諸費用含む。)、○  健康診断料  妊産婦の定期健康診断料、○  予防注射代  検便料、○  人間ドック代、○  おむつ借賃及び○  医療器具の借賃・修理代が例示されています。

分析期間における支出金額は、2008年1月の7,700円から2014年6月の5,800円まで、期間中増減を繰り返しながら減少傾向で推移しています。



2014年2月の支出金額の前年同月比は7.4%の増加でしたが、3月は-13.0%7の減少%となっています
2月の不規則変動は1.10、3月は0.99とあまり大きな変動とはなっておらず、駆け込み需要が生じたこと思われません。


最近の家具・家事用品(個別品目)支出金額の推移について

2014年09月15日 14時11分41秒 | 社会・経済

引き続き、「家具・家事用品」のどのような品目に駆け込み需要があったのか、分析してみました。

◇家具・家事用品支出金額の推移について

家具・家事用品について家計調査の収支項目分類表では、「家具,家事に必要な商品及びこれに伴うサービスに対する支出」と説明されています。

○家具・家事用品支出金額の推移

分析期間における家具・家事用品支出金額は、平均的には10,400円±200円と若干の増減はあるものの、ほぼ横ばい状態で推移しています。

Kagukaji
(上のグラフをクリックすると、拡大したグラフを見ることができます。以下も同じです。)
消費税率アップ(5%→8%)直前の2014年2月の支出金額前年同期比は35.4%の増加、3月は86.8%の増加となっており、明らかにこの項目に当てはまる商品・サービスには、駆け込み需要が生じたものと思われます。

○家具・家事用品支出金額の季節変動・不規則変動

家具・家事用品支出金額の季節変動は、7月と12月をピークとする6,7.8月及び11,12月を需要期、1,2,3,4,5,6月と9,10月を不需要期とする変動となっています。
勤労者世帯のデータであることから、賞与の出る時期が需要期となっているものと思われます。

Kagukisetsuhukisoku

不規則変動は、分析期間における平均は、1.01±0.11とあまり大きな変動がなかったものが、2014年2月は1.26、3月は1.86と大きくプラスに変動しており、このことからも明らかに駆け込み需要が生じたと判断できます。

◇家事用耐久財支出金額の推移

家事用耐久財について収支項目分類表では、「炊事,洗濯,掃除,裁縫などに用いる耐久財」と説明されています。
すなわち、電子レンジ、炊事用電気器具、冷蔵庫、掃除機、洗濯機などであり、また、スチームアイロン、ズボンプレッサー、布団乾燥機、電気ドリル・のこぎりなども含まれます。

分析期間における家事用耐久財支出金額は、若干の増減はあるものの平均的には1,800円±150円でやや減少傾向で推移しています。

Taikyuuzai

2014年2月の支出金額の前年同月比は、109.5%の増加、3月は180.5%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.59、3月は1.65とプラスに大きく変動しており、駆け込み需要が生じたと判断できます。

◇冷暖房用器具支出金額の推移

冷暖房用器具について収支項目分類表では、「住居内の冷房,暖房など空気調整に用いる器具」と説明されています。
すなわち、エアコン、ストーブ・ヒーター、電気こたつ、ホットカーペット、除湿機、加湿器、空気清浄器などが含まれます。

分析期間における冷暖房用器具支出金額は、若干の増減はあるものの、平均的には1,100円±100円でほぼ横ばい状態で推移しています。

Reidannbou

2014年2月の支出金額の前年同月比は、109.5%の増加、3月は180.5%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.59、3月は1.65とプラスに大きく変動しており、駆け込み需要が生じたと判断できます。

◇一般家具支出金額の推移

一般家具について収支項目分類表では、「衣類,履物,食器などの収納用家具及び食事用・居間用家具類」と説明されています。
すなわち、たんす、食卓セット、応接セット、食器棚、ユニット家具、鏡台、座椅子などが含まれます。

分析期間における支出金額は、若干の増減はあるものの平均的には550円±50円程度で、ほぼ横ばいで推移しています。

Ippannkagu

2014年2月の支出金額の前年同月比は、117.4%の増加、3月は136.4%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.28、3月は1.91とプラスに大きく変動しており、駆け込み需要が生じたと判断できます。

◇室内装備・装飾品支出金額の推移

室内装備・装飾品について収支項目分類表では、「主に室内に配置する備品であって装飾をも兼ねたもの又は鑑賞用備品」と説明されています。
すなわち、照明器具、書画骨董品などの室内装飾品、ムートン、絨毯などの敷物、カーテン、すだれ、暖簾、座布団、掛け時計、置時計などが含まれます。

分析期間における室内装備・装飾品支出金額は、リーマンショックの影響か、2008年1月の800円から2010年6月の560円まで減少した後、2012年9月の885円まで増加した。
その後は再び減少傾向から横ばいとなり、2014年6月では745円となっています。

Shitsunaisoushoku

2014年2月の支出金額の前年同月比は、17.7%の増加、3月は95.7%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.07、3月は1.76とプラスに大きく変動しており、他の項目よりは弱いものの、駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇寝具類支出金額の推移

寝具類について収支項目分類表では、「就寝に必要な用具。身にまとうものは除く」と説明されています。
すなわち、ベッド、布団、毛布、敷布、マットレス、タオルケットなどが含まれます。

分析期間における支出金額は、平均的には740円±60円で横ばい状態から若干の増加傾向で推移しています(最近は830円前後)。

Shinngu 
2014年2月の支出金額の前年同月比は、88.8%の増加、3月は127.0%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.28、3月は1.66とプラスに大きく変動しており、駆け込み需要が生じたと判断できます。

◇家事雑貨支出金額の推移

家事雑貨について収支項目分類表では、「炊事,洗濯,掃除,裁縫などに用いる半耐久財。消耗品は除く」と説明されています。
すなわち、茶碗・皿・鉢、コップ、急須、スプーン・ナイフ・フォーク、なべ・やかん、包丁、計量カップ、電球・蛍光ランプ、タオル、清掃用具、風呂用具、脚立、踏み台などが含まれます。

Zakka

2014年2月の支出金額の前年同月比は、-4.5%の減少、3月は18.6%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.01、3月は1.29とさほど大きな変動ではなく、駆け込み需要が生じたことは明確ではありません。

◇家事用消耗品支出金額の推移

家事用消耗品について収支項目分類表では、「炊事,洗濯,掃除,裁縫などの家事に用いる非耐久財」と説明されています。
すなわち、ポリ袋・ラップ、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、台所・住居用洗剤、殺虫剤・防虫剤、消臭剤・芳香剤、ようじ・割りばし、紙ナプキン・ペーパータオルなどが含まれます。

分析期間における支出金額は、2008年1月の2,350円から一貫した増加傾向で推移し、2014年6月には2,620円に達しています。

Shoumouhinn


2014年2月の支出金額の前年同月比は、4.8%の増加、3月は48.5%の増加となっており、不規則変動についても2月は1.06、3月は1.50と変動しており、僅かながら駆け込み需要が生じたものと思われます。

◇家事サービス支出金額の推移

家事サービスについて収支項目分類表では、「家事サービスに関するもの」と説明されています。
すなわち、家事代行料、清掃代、家具・家事用品の借賃、分解掃除代、修理代(加工賃、出張費)及びそれらの洗濯代などが含まれます。

分析期間における支出金額は、2008年の850円前後から若干の増減を繰り返しながら2014年の770円前後まで減少しています。

Sabisu

2014年2月の支出金額の前年同月比は、-10.4%の減少、3月は25.9%の増加となっており、不規則変動についても2月は0.86、3月は1.22と変動しており、駆け込み需要が生じたかどうかは微妙なところです。


最近の住居(個別項目)支出金額の推移について

2014年09月01日 15時31分19秒 | 社会・経済

先の分析で、消費支出について2014年4月の消費税率改正(5%→8%)により駆け込み需要が発生したかどうかみてきましたが、その中で明らかに駆け込み需要が生じたと思われる、「住居」「家具・家事用品」「保健医療」及び「交通・通信」について、どのようなものに駆け込み需要があったかを個別項目を分析することで、見てゆきたいと思います。

◇住居支出金額の推移

総務省統計局の家計調査の「住宅」とは、収支項目分類表には「現住居,現住居以外の住宅及び宅地に関するもの並びにこれらに伴うサービスに対する支出。ただし,事業経費である貸家に係る支出は除く。なお,住宅又は土地の購入,新築,増改築は「財産購入」,住宅ローン返済は「土地家屋借金返済」であり,住居費には含めない」と説明がされています。
したがって、住宅の購入や増改築で駆け込み需要があったかどうかは、この数値からはわかりません。

・住居支出金額の推移

分析期間における住居支出金額は、平均的には20,300円±1,000円の範囲で変動しており、2008年1月の18,300円から2011年10月の22,300円までは増減を繰り返しながら、増加傾向で推移した後、2013年7月の20,000円まで減少し、再び増加傾向での推移となっています。

Jyuukyo
(上のグラフをクリックすると、拡大したグラフを見ることができます。以下も同じです。)
消費税率アップ前の、1014年1月の住協支出金額の前年同月比は9.6%の増加、2月は11.5%の増加、3月は22.1%の増加となっており、駆け込み需要があったものと思われます。

・住居支出金額の季節変動・不規則変動

住居支出金額の季節変動は、7月、8月と12月に支出が多く、他の消費支出項目と少し異なる変動となっています。
また、変動の幅も他の消費支出項目と比べ小さいものとなっています。

Jyuukyokisetsuhenndou

2014年3月の不規則変動は、1.24と比較的大きくプラスに変動していることから、駆け込み需要があったものと思われます。

◇家賃地代支出金額の推移

家賃地代について収支項目分類表では、「住宅・土地の貸借料。家賃の前払としての性格を有する権利金,契約手付金,仲介手数料なども含む」と説明されています。
分析期間における家賃地代支出金額は、2008年の13,000円~13,500円から2011年の15,000円±250円まで増加傾向で推移し、その後は2013年の12,500円±100円まで減少傾向となっています。
なお、最近は消費税率アップもあり、再び増加傾向となりつつあるように思われます。

Yachinn

家賃地代は、通常は月極め支払であることから、駆け込み需要は起こりようもありません。

◇設備材料支出金額の推移

設備材料について収支項目分類表では、「住宅,庭などの設備器具及び修繕材料」と説明があり、設備器具については、「耐久財的要素を持つ設備・器具類など であって住宅,庭などの設備として住宅,庭などと一体となって機能するもの。分離できない工事費,設備,器具類の部品も含む」と説明され、「システムキッ チン、テラス、ベランダ、物干し台、プレハブの物置、障子・戸・ふすま・窓枠(アルミサッシ)・網戸などの建具、アコーデオンカーテン、便器付温水洗浄 器、洗面化粧台、浴槽各種風呂釜、温水器、庭石、庭用植木、庭園灯、水銀灯、スポットライト、防犯灯」が例示されています。
また、修繕材料とし て、「れんが、ブロック、とたん、金網、ペンキ・ニス・ラッカーなどの塗料、セメント、砂、ベニヤ板、リノリウム・プラスタイルなどの床材、防腐剤、防錆 剤、防かび剤、くぎ、戸車、レール、鍵、壁紙、ふすま紙、障子紙、住宅用両面テープ、人工芝、芝、土、砂利、竹材」が例示されています。

Setsubizairyou

分析期間における設備材料支出金額は、平均的には2,000円±400円の範囲で変動はあるものの、ほぼ横ばい状態で推移しています。
消費税率アップを控えた、2013年12月の前年同月比は94.3%の増加、1月は108.8%の増加、2月は77.9%の増加、3月は169.4%の増加となっており1.08、明らかに駆け込み需要が生じたものと思われます。
また、不規則変動も、1月は1.08、2月は1.21、3月は2.76と大きくプラスに変動しており、駆け込み需要は明らかです。

◇工事その他のサービス支出金額の推移

工事その他のサービスについて収支項目分類表では、「住宅、庭に関する設備工事,修理のためのもの。設備に関する保守サービス及び住宅に関する掛け捨て型の保険料も含む」と説明されています。
分析期間における工事その他のサービス支出金額は、平均的には4,300円±600円の範囲で変動しており、分析期間中で一番支出金額が少なかった2011年1月の3,400円からは、増減を繰り返しながら増加傾向で推移しています。

Koujisonota

支出金額は、2014年1月の前年同月比は28.8%の増加、2月は47.8%の増加、3月は6.6%の増加となっており、また、1月の不規則変動は 0.92、2月は1.12、3月は1.16と なっています。
駆け込み需要があったかどうかは、微妙なところです。