オジサンの韓流

【産経新聞より】

「月曜日にオジサマたちが週末のチャングムを話題にしている。こんなこと入社七年で初めて。『好きなんですか』と尋ねると、ハッとして普通の表情に戻り『別に・・・』と答えるのが、『冬のソナタ』にはまったオバサマたちとの違うところ」
金融業界に勤める知人女性が教えてくれた。オジサンの間で、NHKが週末の夜に放送している韓国ドラマ「チャングムの誓い」が密かなブームだという。「大奥」のような女性社会の嫉妬や権力争いと、「おしん」のいじめやけなげさが合体した内容にハマったのだ。
「冬ソナ」にひかれたのは純愛を呼び戻したオバサマたち。ペ・ヨンジュンら韓国スターの来日をワイドショーや女性週刊誌が追い、各局が韓国ドラマを次々と放送したのは周知の通りである。
なぜ、チャングムなのか。金融業界で働くA氏は会社が吸収され、親会社からきた新役員の指示に従う辛い日々。「心にトゲが刺さったような痛みとやるせなさを癒してくれたのが、『チャングムの誓い』だった。残業で深夜に帰宅してもビデオで見た。数々の試練に笑顔で立ち向かうチャングムに、どれほど救われたことか」と語る。
勤めていた会社が買収されたり、吸収されたりというサラリーマンにとって、"想定外"のことはあっちこっちで起きている。相次ぐ試練に直面するチャングムに自分の姿を重ね合わせているようだ。
案の定、「イ・ヨンエ（チャングム役の女優）とのミーティングツアー」もお目見えした。あこがれのヨンエと会ってロケ地を巡り、宮廷料理を食べて約十五万円。

ン、今度はオジサン集団が大挙して韓国上陸　

▼日本人の先祖は、琉球列島経由か朝鮮半島経由でこの島にやって来て住み着いたと考えられている。弥生時代以降は朝鮮半島経由の渡来人がこの島の支配権を確立したようだ。

▼したがって日本人には良かれ悪しかれ朝鮮半島と文化を共有しているのである。すなわち今も、一衣帯水の状況に変わりはないのである。

▼日本人が韓国を訪問すると、「日本とよく似ている」「日本も昔はそうだった」などと感想を披瀝する。なるほど、未だに儒教色の濃い韓国、日本の植民地だった３６年を考えれば「さもありなん」である。

▼それより、国の成り立ちを冷静に見つめれば、同じDNAをもった者同士なのではあるまいか。とすれば、日本のオジサンたちやオバサンたちが韓国ドラマを見てノスタルジックになることも理解できる。

★「チャングム」ファンの方　
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■大長今/宮廷女官　チャングムの誓い