明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

中日新聞(11月6日・・日曜日)8面 読書の欄について・・続き(歎異抄)

2011-11-07 22:33:17 | Weblog
昨今の親鸞関係の相次ぐ出版物について前回書きました。そして、一種のブームにつて危惧も書きました。その中にあって、中日新聞(読書の欄)の筆者は、その最後に永遠のベストセラーがあると書いています。そうです。歎異抄(たんにしょう)です。
筆者は書きます。「岩波書店によると、親鸞の弟子の唯円が師(親鸞)の言行を記録した『歎異抄』が毎年5000部前後売れているのをはじめ、いずれも『不動のロングセラー』だという」とあります。上記文中の「いずれもとは」、岩波文庫で出版されている法然の『選択本願念仏集』と親鸞聖人の『教行信証』等を指しています。
下写真は、学生時代に私が初めて購入した歎異抄の本。社会思想社の現代教養文庫から320円で出版されていた。読み始めて、全く理解できずに途中で放棄してしまった苦い思い出がある。それでも、記念すべき一冊。

『歎異抄』は不思議な本です。明治以降に清沢満之師に再評価されて以降、幾多の人間をとりこにしてきた。それこそ、『歎異抄』の解説本は何百冊と出版されている。なぜか、親鸞聖人関係となると誰もが『歎異抄』を書いて、自分のお味あいを世に問うてみたいものらしい。本棚にて、目に付く『歎異抄』と名前がつく本を集めて撮影してみた。



勿論、これも『歎異抄』関係の蔵書の一部である。しかし、中味は殆ど何も覚えていないのである。覚えていないのであるが、頭の中で、『歎異抄』第一章・第二章・第三章・第九章の親鸞聖人のお言葉が、綺羅星のごとくによみがえるのである。特に、第二章が「おのおの十余カ国の境を越えて・・・」が大好きである。何故だろうと思う。それは、逆説の持つ迫力とでも言おうか、透き通った数珠玉のような親鸞聖人の言葉が、胸に迫るのである。生と死のぎりぎりの限界の言葉の持つ魅力であろうと思う。
今、改めて『歎異抄』を紹介するのであるなら、下の写真の2冊であろう。

何れも、五木寛之さんの著作。一冊目は、五木寛之著『歎異抄の謎』(祥伝社新書)760円+消費税。2冊目が、五木寛之著『私訳 歎異抄』(東京書籍)1200円+消費税である。特に、ご本人が歎異抄に噛まれたと語る『歎異抄の謎』はやさしく解説され必見であろう。もし、「数ある本の中で一冊だけ選べ」と言われたならば、間違いなしに「歎異抄」の原本を選ぶであろう・・・・



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