世界最大の粒子加速器LHC(大型ハドロン衝突型加速器)を運用するCERN(欧州合同原子核研究機構)は、2012年末までに「神の粒子」と呼ばれるヒッグス粒子の有無に関して結論が出るだろうとの見解を示したそうだ。当初は出力を上げる作業のために12年初めに停止予定であったが、ヒッグス粒子の探索のため、停止を1年間延期することを数週間前に決定したそうだ。ヒッグス粒子は1964年にその存在を予言した英物理学者ピーター・ヒッグスの名前に因んでおり、粒子の質量は、粒子とヒッグス粒子の衝突で一部の粒子が減速することで発生するという理論に基づいているという。4月下旬にCERNがヒッグス粒子の影を検出したとの噂が広まったが、それは誤情報であったそうだ。 ⇒ http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2800791/7230280
●陽子や中性子の質量の95%はそれを構成する素粒子(クォーク、グルーオン)のエネルギーに由来すると考えられていることを5/14のマイブログで書いた。ヒッグス粒子に由来する質量はそれとは別の質量のことだ。自然界には4つの力(重力、電磁力、強い力、弱い力)があるが、これらの力は仮想粒子(重力子、光子、グルーオン、ウィークボソン)を介して伝わる(場の量子化)と考えられている。これらの媒介粒子の中で最初の3つは質量がゼロであるが、弱い力(中性子のベータ崩壊などを引き起こす)を媒介するウィークボソンの質量は陽子の80倍もあるそうだ。その裏腹に、力の到達距離は原子核の大きさの0.1%程度に過ぎない。(媒介粒子の質量がゼロの重力と電磁力の到達距離は無限大、強い力は別の理由で原子核サイズ程度) 弱い力の到達距離が極めて短い(ウィークボソンの質量が非常に大きい)理由がヒッグス場の存在と考えられているらしいのだ。磁力線は超伝導体の中には入り込めず、表面付近に僅かに侵入できるだけだが、それと同様に、ヒッグス場も超電導状態になっていて、弱い力の力線が或る程度以上は入り込めない(→ウィークボソンが質量を持つ)と考えられているらしい。別の言い方をすると、ウィークボソンがヒッグス粒子と衝突して遠くまで進めず、衝突の際のエネルギーが質量となるという説明になるようだ。電子やクォークの質量も同様の理由で生ずると考えられているらしい。結局、残り5%の質量を生じさせていることになるかな? ヒッグス粒子が実際に発見されれば、素粒子の「標準模型」は完成したことになるらしい。なぜなら、全ての素粒子は質量がゼロと主張する「標準模型」と実際との矛盾が解消できたことになるからだそうだ。結果が楽しみだ。
●陽子や中性子の質量の95%はそれを構成する素粒子(クォーク、グルーオン)のエネルギーに由来すると考えられていることを5/14のマイブログで書いた。ヒッグス粒子に由来する質量はそれとは別の質量のことだ。自然界には4つの力(重力、電磁力、強い力、弱い力)があるが、これらの力は仮想粒子(重力子、光子、グルーオン、ウィークボソン)を介して伝わる(場の量子化)と考えられている。これらの媒介粒子の中で最初の3つは質量がゼロであるが、弱い力(中性子のベータ崩壊などを引き起こす)を媒介するウィークボソンの質量は陽子の80倍もあるそうだ。その裏腹に、力の到達距離は原子核の大きさの0.1%程度に過ぎない。(媒介粒子の質量がゼロの重力と電磁力の到達距離は無限大、強い力は別の理由で原子核サイズ程度) 弱い力の到達距離が極めて短い(ウィークボソンの質量が非常に大きい)理由がヒッグス場の存在と考えられているらしいのだ。磁力線は超伝導体の中には入り込めず、表面付近に僅かに侵入できるだけだが、それと同様に、ヒッグス場も超電導状態になっていて、弱い力の力線が或る程度以上は入り込めない(→ウィークボソンが質量を持つ)と考えられているらしい。別の言い方をすると、ウィークボソンがヒッグス粒子と衝突して遠くまで進めず、衝突の際のエネルギーが質量となるという説明になるようだ。電子やクォークの質量も同様の理由で生ずると考えられているらしい。結局、残り5%の質量を生じさせていることになるかな? ヒッグス粒子が実際に発見されれば、素粒子の「標準模型」は完成したことになるらしい。なぜなら、全ての素粒子は質量がゼロと主張する「標準模型」と実際との矛盾が解消できたことになるからだそうだ。結果が楽しみだ。