My little lovers

忘れないうちに、書いときます。

いつかのメリークリスマス

2017年04月24日 | 日記
彼女と会ったのは2012年の暮れ近くだったと思う。
スナックのバイトをしていた。

初めてバイトの店の外であったとき、
雪がちらついていて、たしか、クリスマスイブだった。
1990年生まれ。

赤信号を手を引かれて、無理矢理に駆け抜けた。

彼女はよくバイトに遅刻する。だから、
よく走らされた。

同伴といっても、ハンバーガーか、ラーメンしか食べなかったし、
マスターが気を使ってくれて、
いつも安く飲ませてくれたのが助かった。

ハンバーガー屋では、どんなに急いでいても、ポテトにはケチャップを山盛りかける。
ぱくついた後は、全力で、バイトのスナックまで走る。
3回目に走った時、僕は仕事用のタブレットを落とした。
大通りの横断歩道を、タブレットは何回転もしながら、転がっていった。
よほどその時のことが、おかしかったらしく、
誰にでも、こう話していた。
「それでね、タブレットがね、私たちより先に通りを渡ったの!」


ランタンがきれいな晩に、川沿いを歩いた。
いつも、彼女のメールは、こう終わる。
「おやすみなさい。いい夢、見てね。」

もう日本にはいないから、メールも返すことはできないけどね。
おやすみ。
いい夢が見れるように。


できれば、
夢がかなうように。

Last Smile

2017年04月21日 | 日記

初めて彼女と晩飯を食べた日の
帰りの車で、「LastSmile」を聴かせてもらい、すぐファンになった。
彼女のアパートまで4、5回は聞いた。
コード進行が、昔のカーリー・サイモンの「You're So Vain」なんかのテイスト。
意外に、ベテランに入るバンドだ。

「気に入ってもらえて、嬉しいです。」 「リピート候補ですか?」
「・・・エンドレスで聞き続けてるよ。」 「リピートしすぎてる。」
「よかった。」

けれど、意外と早く、楽しい時間は終わったようだ。
どんなふうに遠ざかっても、僕には追いかける資格が、たぶん、ない。
卑怯なのはこっちのほうだ。
最後は、、やはり
笑顔で見送るのが、正しい。

・・・Last smile


日野駅

2017年04月16日 | 日記
日野駅で、僕らは電車を待っていた。
30年以上前のことだ。
アパートで、僕は彼女の首筋に、跡を残した。
誰かに気付いてほしくて。

八王子に戻る前に、お風呂屋さんに行きたいというので、
日野駅近くで、入ってきた。彼女のアパートは、共同の風呂しかなかった。
「おばさんたちからね、」
「うん?」
「おばさんたちから、からかわれたんだ。」
「え?」
「仲のいい人がつけたんでしょって。この首のあと。」

ごめんな、と言いながら、湯冷めしそうな肩を包んだ。
彼女はジーンズのポケットに両手を突っ込み、
僕の腕の中で笑った。

こんなに近くにいるのに、
僕は、だんだん遠くなる彼女を
この腕に抱きとめてはおけなかった。

LaLa、、Lan、、

2017年04月16日 | 日記
初めて二人だけで飯を食った。
ガーリック味のナンとキーマカレー。
お店の近くで、カラスの子供が、地面で震えていた。
「こんなの、動画撮ったら、動物保護団体から叱られますかね?」
そんなことはないと思う。
ただ、鳩だと言い張るその黒い鳥は、
まぎれもなく、カラスだ。

まだ寒い2月、ランタンフェスタの町を抜けてドトールまで行った。
マシュマロをのせたマキュアートが甘すぎたのは、自分のせいだろ?


2回目はLaLaLandとのセット。残業で、思うところで食事ができなかった。
レイトショーまで20分しかない。
うまく最後まで食べてくれた。トマトが嫌いなことを、初めて知った。

ハッピーエンドでない結末に、思い切り僕はケチをつけた。
半分は、せっかくの時間があと少しなのに、何もできない自分に
いらだっていた。ほんの時折、肩が触れるくらいに歩いた。

3回目はSINGとのセット。
今度も彼女の残業。海沿いのレストランから映画館まで、
揺れないように、そっと車を飛ばした。セーフだった。
腹いっぱいなのに買ってしまったポップコーンは、じゃまだった。

子供っぽいストーリーと、眠そうな横顔に、また気持ちが沈んだ。
「あ、決して退屈ではなかった、です。失礼しました。」
よく見なかったけど、本当に寝てた?

ボロボロになりながら、4回目を誘い、
ボロボロに断られた。何を言ってもこんな感じだ。

「その映画はほかの友達から誘われています」
「その日は予定があります」
「その日は作業で遠いところにいて、戻れません」
「その日は、、」
もう、いい。

でも、ゴズリングのピアノを、隣で聞いていてくれた。
サイケデリコの歌を教えてくれた。
トマトが嫌いなことを、教えてくれた。
  
不快になったのなら、消えるしかないな、、
でも、隣の席にいてくれたのは、事実。そのことについては、、、
・・・感謝しかない。