彼女と会ったのは2012年の暮れ近くだったと思う。
スナックのバイトをしていた。
初めてバイトの店の外であったとき、
雪がちらついていて、たしか、クリスマスイブだった。
1990年生まれ。
赤信号を手を引かれて、無理矢理に駆け抜けた。
彼女はよくバイトに遅刻する。だから、
よく走らされた。
同伴といっても、ハンバーガーか、ラーメンしか食べなかったし、
マスターが気を使ってくれて、
いつも安く飲ませてくれたのが助かった。
ハンバーガー屋では、どんなに急いでいても、ポテトにはケチャップを山盛りかける。
ぱくついた後は、全力で、バイトのスナックまで走る。
3回目に走った時、僕は仕事用のタブレットを落とした。
大通りの横断歩道を、タブレットは何回転もしながら、転がっていった。
よほどその時のことが、おかしかったらしく、
誰にでも、こう話していた。
「それでね、タブレットがね、私たちより先に通りを渡ったの!」
ランタンがきれいな晩に、川沿いを歩いた。
いつも、彼女のメールは、こう終わる。
「おやすみなさい。いい夢、見てね。」
もう日本にはいないから、メールも返すことはできないけどね。
おやすみ。
いい夢が見れるように。
できれば、
夢がかなうように。
スナックのバイトをしていた。
初めてバイトの店の外であったとき、
雪がちらついていて、たしか、クリスマスイブだった。
1990年生まれ。
赤信号を手を引かれて、無理矢理に駆け抜けた。
彼女はよくバイトに遅刻する。だから、
よく走らされた。
同伴といっても、ハンバーガーか、ラーメンしか食べなかったし、
マスターが気を使ってくれて、
いつも安く飲ませてくれたのが助かった。
ハンバーガー屋では、どんなに急いでいても、ポテトにはケチャップを山盛りかける。
ぱくついた後は、全力で、バイトのスナックまで走る。
3回目に走った時、僕は仕事用のタブレットを落とした。
大通りの横断歩道を、タブレットは何回転もしながら、転がっていった。
よほどその時のことが、おかしかったらしく、
誰にでも、こう話していた。
「それでね、タブレットがね、私たちより先に通りを渡ったの!」
ランタンがきれいな晩に、川沿いを歩いた。
いつも、彼女のメールは、こう終わる。
「おやすみなさい。いい夢、見てね。」
もう日本にはいないから、メールも返すことはできないけどね。
おやすみ。
いい夢が見れるように。
できれば、
夢がかなうように。