カボチャの除草対策には、就農以来毎年苦労してきた。普通ならビニールマルチを張り、ツルの這う部分には藁をビッシリ敷き詰める、という感じなんだろうけど、うちにはそれだけ大量のワラはない。最近はワラの代わりにマルチ麦を使っているが、思うように草を抑えきれていない。7月に帰農志塾さんで「安いクズ小麦を使いケチらずたくさん蒔け」と教わったので、来年はそれでやってみようと思う。ただもう一つ問題なのは、収穫後にビニールマルチを剥すのがけっこう大変であるという点。ビニールマルチがなければすぐにハンマーナイフモア、ロータリー耕、と次の作付の準備に入れるんだけど、ここでいつも遅れてしまう。そんなわけで昨年から今年にかけては、ヘアリーベッチを使ってみた。
昨年10月17日にヘアリーベッチの種蒔き。今回は播種前に、堆肥を反あたり2t入れている。本当は9月中に蒔きたかったんだけど、前作の片付けが遅れこの時期になってしまった。播種機(クリーンシーダ)を使い条間40~50センチといったところか。ただ適当なロールがなく、麦用のC-12を使ってしまったため、種が落ちすぎかなり厚蒔きになってしまった(ギア比は5センチ間隔で落ちるよう設定)。
1月14日の様子。発芽はよくしているが、やはり厚蒔きだった。
4月17日の様子。かなり繁っている。
5月16日、カボチャの苗を定植。植える部分のまわりを削り植えていく。品種はケイセブン(自然農法国際開発研究センター)。貯蔵がきくタイプである。
どこに植えたんだかよくわからない状態だ。
8月16日の様子。しばらくはヘアリーベッチに埋もれていじけてしまい、成長が遅れてしまったが、ベッチが枯れだしたとたんものすごい勢いで伸び始めた。ベッチの根の根粒菌が窒素固定したのが効いてるんだろうけど、とにかく生育旺盛だった。
草はかなり抑えることができたと思う。やはり草のまだ少ない春先にあれだけ繁れば、雑草の生える余地はほとんどないだろう。予定よりは遅れたが9月下旬から収穫。ベッチをもっと早く蒔いていれば、もっと早く花が咲き早く枯れると思うので、あんなに苗が埋もれてしまうことはなかったかもしれない。特筆すべきことは、とにかく収量が多かったこと。今でも倉庫にカボチャが溢れている。
ただ、この方法の欠点は、畑の回転が悪くなること。前年の9月から約1年間、カボチャ1作しかできないわけだから。いつも畑が足りずギリギリなうちとしてはそうそうできない。現に今年は畑が既にいっぱいで、ヘアリーベッチを蒔く場所を確保できなかった。来年は春先にベッチを蒔き、地這キュウリ(7月蒔き)で試してみようと思っている。