むすんで ひらいて

すべてが帰着するのは、ホッとするところ
ありのままを見て、気分よくいるために

夏を越えて

2017年09月19日 | 日記

台風一過の昼下がり

開け放した窓から吹き抜けるそよ風

ヒグラシの鳴き止んだ静寂に

裏の家から響くかすかな食器の音

 

5月に一月、シンガポールとマレーシアに滞在し

出会い別れに心揺れ、

戻ると庭の隅に蝉の抜け穴がいくつも開いた

冷やし中華熱が高まって

11年前のアメリカ映画「イルマーレ」を繰り返し観た

 

台風の夜が明けて

温かいお風呂や食事がほしくなり

来年には引っ越すだろうこの家と

生まれ育った時間に想いを馳せて

いつもの軒下に揺れる洗濯物が愛しくなった

 

次に行くのは安らぎとおだやかさのある場所

ここから持って行くものは

これまであったいいこともイヤなことも

まとめてゆるした物語

 

夕方の蟻が昼間の残像のように歩いている

もうすぐ虫たちの謳歌がはじまる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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