1955年に発売されたスナック菓子「かっぱあられ」に由来する。漫画家の清水崑の代表作『かっぱ天国』のキャラクターのカッパをパッケージに起用したためにこの名称となった。かっぱあられの27番目の派生商品として、1964年に量り売り用一斗缶入りで「かっぱえびせん」を日本国内で発売開始。一斗缶入りでは湿気を吸いやすかったため売り上げは芳しくなかったが、湿気を防ぐため袋入りにしたところ人気商品となった。[1]
原料として使用されている小エビは当初は瀬戸内海産だったが、現在はグリーンランド近海・中国・日本産のアカエビ・サルエビ・キシエビ・ホッコクアカエビの4種類で、製造時の漁獲量によって種類ごとの割合が変化する。パッケージに描かれているエビは一般的なエビのイメージを元にデザインされたもので、特に種の特定はされず、愛称も付けられていない[2]。
カルビー創業者の松尾孝はエビの天ぷらが好物で、少年の頃は生まれ故郷の広島市内の川で捕ったエビをかき揚げにして食べていた[3]。太平洋戦争後の食糧難の時代、松尾は「このおいしさをお菓子に」と、米ではなく小麦粉を使ってあられを作り、1955年「かっぱあられ」として発売した。その後も研究を重ね、様々な味のかっぱあられを商品ラインナップに加えていき、1964年、生地に生エビを練り込んだ「かっぱえびせん」を誕生させた。
1969年のテレビCMで登場した「やめられない、とまらない」というキャッチコピー[4]も相俟って、かっぱえびせんはカルビー製菓(当時)の売上高を急激に押し上げる人気商品となった[5]。
日本国内での成功を受け、1967年8月、松尾はかっぱえびせんを売り込むためアメリカ合衆国を訪れた。その際[6]、現地のメーカーが作っていたポテトチップスに着目し、後にカルビーは自社のポテトチップスを最主力商品に育てていくこととなる。1970年、同社はアメリカ合衆国に進出し、かっぱえびせんの現地生産を開始[7]。2008年時点でかっぱえびせんは、同国のほか中国、タイ王国などで製造・販売が行われている[8]。
2014年に発売開始50周年を迎えた。同年6月、かっぱえびせんの原点となる「かっぱあられ」シリーズの内、「味王将」(1963年発売。香ばし焼きしょうゆ味)と「かっぱの一番槍」(1963年発売。こんぶしお味)の2商品が期間限定で復刻販売された。なお、「味王将」はかっぱえびせんより先にエビを練りこんだスナック菓子であった。