秋田県横手市平鹿町の荒処(あらところ)地区に伝わる伝統行事、「沼入りぼんでん」が1日、弁財天沼で行われた。厄年などの節目を迎えた地区の男衆5人がぼんでんを沼に突き立て、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
午前11時に厳島(いつくしま)神社を出発した男衆5人は正午ごろ、長さ約4メートルの杉の柱の先に米俵や御幣を飾ったぼんでんを担いで沼に到着。下ば き姿でおはらいを受けた後、沼に入り約25メートル先の沼中央を目指した。沼は深さ約1・5メートル。男衆は胸まで水に漬かりながら、飾りをぬらさないよ うに横に傾けてゆっくりと運んだ。ぼんでんを起こした後は米俵から四方に伸びる綱を引っ張って固定。丸太をつかんで力強く底に突き刺した。
同地区の会社員佐藤健康(けんこう)さん(28)は、父信幸(しんこう)さんの還暦を祝って参加。「ぼんでんがなかなか刺さらず苦労したが、なんとかやり遂げられた。この一年間、家族が健康で過ごせれば」と話した。