眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『24000年の方舟』

2012-02-08 16:44:06 | 映画・本

ちょっと長い「ひとこと感想」その3。

 緊急上映会のチラシに、「核廃棄物の危険性をテーマにした米国のドキュメンタリー映画『ダーク・サークル』に触発されて神戸で制作が始まった後、チェルノブイリで事故が起きた」という説明があった。25年前の映画なので、当時のデータ(原発の数、使用済み燃料の総量等々)の数字のささやかさが、私には逆に目に沁みた。(今はこんなものじゃなくなっている・・・。)

ほんの30分ほどのドキュメンタリーなのだけれど、「トイレのないマンション」と呼ばれる原子力発電所の当初からの問題点が、簡潔にわかりやすく説明されている。

確実に増えていく核廃棄物、深夜に核燃料を載せて原発へと疾走するトラックの列、そして「これまでの経緯から、再処理は無理だと思います。」という専門家の言葉・・・メディアの表にはあまり登場してこなかった?日本の原子力発電の「現実」を見ながら、思ったのは、「25年後の今も、廃棄物については何も進展してない。それなのに、『事故』だけは起きてしまったんだ・・・。」。

本当は・・・25年じゃない。私が学生の頃だから、さらに10年以上遡る。

大学での小さな勉強会で、原発についてのレポートを担当した友人は、アメリカの原発についての本を探して調べたことを報告してくれた後、最後に自分の感想としてこう言った。

「日本の原子力発電が今後どうなっていくのか、実感として掴みにくいし、そもそも想像するのも難しいんだけど、とにかく"廃棄物"だけは確実に増えていく。それだけは確か。」

「でも、今の時点でもグラフはこれほど急カーブで上昇してるのに、処理技術がどうなるのか見通しが立ってるようには思えなかった。」

「ほんとにこのままで、発電所を増やしてなんかいけるんだろうか。そこまで乱暴なことを本当にするとは思えないんだけど・・・。」

私たちは、原発のことなど何も知らなかったからこそ、「トイレ」を作れる見通しナシに、マンションを建てるとは思えなかったのだ。インターネットも無かったあの時代、若かった私たちは、今より人間の良識(というか「常識」程度の論理性?)を信じていたのかもしれない。そして10数年・・・

初めての子どもが生まれて間もなく、チェルノブイリで事故が起きた。

子どもが小さかった割りに、私は放射能について無頓着だったけれど、周囲の若いお母さんたちは食品汚染をずいぶん気にかけていたのを思い出す。でも、チェルノブイリはまだまだ、心理的には遠い場所だった。

1986年の映像を見ながら、そんなことを思い出した。(福島第一2号機の原子炉で温度が上昇しているという今、遠い過去を思い出しているような場合じゃないんだけど。)

 

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チェルノブ 原子力発電 原子力発電所 使用済み燃料 ドキュメンタリー映画
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