昔物語-土佐・奥物部から-

奥山の昔話を先祖から受け継いだ話を元に編集した物です。今残さないと無くなってしまう…誰も知らない伝承物語です。

魔物たち⑤

2005年11月02日 | 魔物

<山住の魔物>


夜行人(やぎょうじん):蹴られたら肝を吐いて死んだという。(血を吐いて即死) 
              普段は寂しい所で、一人では行けないような場所に
              昼でもいるらしい。そんな場所には、決して近づかない
              ように用心していたらしい。
              そのことを知らない人が山で亡くなることがあったという。

おまけ

山のいろいろな言い方

☆目を閉じて、山の形をイメージしてみてください。山が見えてきましたか?

たわ:山を登りつめた辺り

とう:頂上から上に突き出た地形

山岬(やまみさき):尾根が突き出たところ

川岬(かわみさき):山の高いところから一直線に川に突き出ている地形

物部村にある小松神社は、谷が7つ、うねが7つ、モヨウタ珍しいところにある。
  こういう場所は、珍しくて魔物や大蛇がいたといわれる場所で、鎮めるために
  神社を建てたということらしい。
  他の神社が建っている地形を調べてみたら面白いことがわかるかも

蛇の事で付け加え

  蛇には煙草のヤニが効くといわれているが、話によると、蛇の口に少しでも触ると
  骨が外れてすぐ死んだという。今は、紙巻煙草でヤニは少ないが、昭和25年頃ま
  では、刻み煙草でキセルで吸っていたので、五日に一度はヤニをキセルから取り
  出していたとのこと。
  山に行く時は、いつもヤニを持ち歩いていたという。


魔物たち④

2005年11月01日 | 魔物

※生まれ育った場所の山の写真

<山住の魔物>

天狗(てんぐう):やつでの葉の団扇を持ち、赤い顔をして山から山へと飛び回っていたという。

むちふり:通り魔でブチブチと笞振る音をさせながら 通るものであったという

えんこう:河童(かっぱ)のことをこう呼んだ

大蛇:長さが10mを超えるへびのこと 

うわばみ:胴体の直径は、1m以上で、体中に苔が生えていたという。 
      大きな口を開けて通りかかった者を呑んでいたという。
      よく猟師が岩屋と間違えて入り呑まれたという。
      それで、岩屋に入るときには、木を切ってツカにしてから入ったという。

 

 

 


魔物たち③

2005年10月31日 | 魔物

※写真は、代々伝わる「日月祭」のお祭りに使う時の幣を刺す土台 

<動物>

牛鬼(うしおに):身の丈3mの化け物 
          道で逢うと掴みかかってきたといわれる。 

大山猫(おおやまねこ):体重が50~60kgもあったといわれ
              口をあけて威嚇する時は恐ろしかったという。 
              ギロリ目をむき泣くと100m四方の木がブルブル震えたという。

狼(おおかみ):群で6~12頭で共同して 鹿などを餌にしていたという。
         大正の時代に鉄砲を持つようになり、鹿を人間が獲りつくし
         狼は絶滅したのである。 

 

 


魔物たち②

2005年10月30日 | 魔物

※写真は、奥物部の山並みを 拓という所から撮影したものです。 

<山住魔物> 

山女口(やまじょろう):美しい女の化け物である。昭和25年頃までいたという。

おぎゃー泣き:6、7歳くらいで背丈が90㎝ほどの女の化け物。
         山道で 「足が痛いから背負ってくれ」 と泣いている。
         背負ったら大変、60kgもあったという。 「俺も足が痛い。」 と騙して
         持ってた縄を半分に切って、 「誰かに背負ってもらえ」 と言って渡し
         逃げたという。
         口が顔の半分あったという。 

山爺(やまじい):身の丈2mもある男の化け物。体中が鬚だらけで、身の毛もよだつ
          程のおそろしさ だったという。
          道で行き会うと大変であったという。

山姥(やまうば):身の丈1.6mの年のいった女の化け物。
          これは、道で行き会っても優しかったという。

 


魔物たち①

2005年10月29日 | 魔物

家に代々伝承されているお祭りや技があります。 

技について : 和紙を切って 作る 幣 というのがあります。

いろいろなもの(伝わるお祭りに必要な生き物など)を形に表すことができます。

※写真は、一例で 魔物全部では ありません。

<山住の魔物> 

一つ目:体に 羽があるばけもの

一つ足:大きな杖をつき 一足に3m歩く

八面王(やつらおう):頭が八つあり、胴体は牛の太さがあるといわれている。
             物部村には、「八面塚」が3ヶ所ある

九面王(くつらおう):おそらく くつひきではないかといわれている。
            山の上の天然の池で何百年も生存していたら、背幅が1.5m位
            になって、いぼが 九つ顔の形になったといわれている。

六面王(むつらおう):おそらく 同じくつひきのことではないか。背中のいぼが 6つ
             顔になっているもの。