トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

イスエラルの児童人体実験

2009-03-25 21:25:19 | 世相(外国)
 ガセやデマも夥しいが、新聞やTVなどの既存のメディアと違う情報の多様性がネットの良さと魅力である。私もネットをしていなければ知りえなかったことも多い。日本のマスコミが絶対取り上げないイスエラルのTV特集も、最近ネットで見た。そのサイトの見出しにはこうある。「イスラエルがユダヤ人児童にX線照射実験」。2003年制作されたTVドキュメンタリー「10万人への放射線照射」が紹介されている。冒頭にある番組内容の骨子を引用したい。

1951年、イスラエル厚生省の総指揮を執っていたハイム・シェバ医師は米国に飛んだ。そして米軍から供給された7台のX線照射装置を祖国に持ち帰った。
 これらの装置は原子力艦系の大規模な人体実験を行なうために用いられた。スファルディ系ユダヤ人の子どもたち全員が、まるごと1世代にわたってこの実験のモルモット代わりの実験台にされたのだ。イスラエルに住むスファラディ系ユダヤ人の子どもは、誰もが許容量の3万5千倍もの強力なX線を頭部に照射された。この大規模実験を行なうに際して、米国政府がイスラエル政府に年間3億イスラエルリラの資金を供与していた。当時はイスラエル政府の厚生予算が総額 6千万リラだったわけだから、この資金援助がどれほど大きなものだったかが分かる。米国政府がこのX線照射事業のためイスラエル政府に供与していた資金は現在なら数十億ドルに相当する。

 スファラディ系の子どもをX線照射実験に連れ出すため、親たちをだます策略としてインチキな「遠足」がデッチ上げられ、いったん子どもたちにX線照射が行なわれると、あとで親には「お子さんの頭皮に巣食っていた“しらくも”[=子どもの頭皮に生じる白癬菌感染症の病変]を治療するためでした」とウソの告知を続けていた。こうしてX線照射を受け、その直後に死亡した子どもたちはじつに6千人に達する。それ以外の子どもも多くは癌になり、すでに死亡したか現在死にかけている。いまも生存している被験者たちだって、癲癇(てんかん)・健忘症・アルツハイマー病・慢性頭痛・精神病など、各種の障害に苦しんでいる…


 ひと口にユダヤ人といえ、欧州系で色白のアシュケナジムと主にイベリア半島から中東に住んでいたセファルディム(スファルディとも表記)が2大勢力となっている。イスラエルは白人系のアシュケナジムが社会を絶対支配する人種階級国家であり、元から中東に居住していた肌の濃いセファルディムは前者からあらゆる差別を受けている。大半の日本人がユダヤ人と聞いてイメージするのは白人系だが、彼らは古代ユダヤ人とは何の繋がりもなく、正体は中世のハザール王国の末裔、つまり“いんちきユダヤ”の疑いをかけられていることさえ、ネットで私は知った。

 ヨーゼフ・メンゲレはユダヤ人の児童に惨い人体実験に施した医師として悪名高い。「死の天使」と渾名された彼はアウシュヴィッツで医師として働くも、人間の治療より人体実験、しかも双子を実験台にすることを好んだ。全くおぞましい限りだが、欧米メディアの喧伝もありメンゲレの名は日本でもわりと知られている。
 しかし、戦後間もなく始まったイスラエルでのセファルディム系児童への放射線照射はまず知られてないのではないか?上記のサイトによれば'60年までこれは続き、多くはモロッコ系ユダヤ児童、欧州系は対象外だったという。ユダヤ系が牛耳る欧米メディアがナチスの人体実験を盛んに取り上げていたのは偶然などではないだろう。

 イスラエルに好意的な人なら、欧州で惨い迫害を受けてきたユダヤ人ゆえそのトラウマが最悪のかたちで表れた、と見るかもしれない。果たしてそれだけが原因だろうか?旧約聖書に興味深い箇所がある。「また彼ら(カナン人)と婚姻をしてはならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならない。彼の娘をあなたの息子にめとってはならない…」(申命記7章3-4節)。さらに“選ばれた”民族は他と混交すべきではないとも説いている(同7章6節)。律法書記官エズラも「聖なる種が諸国の民と交わった」ことを嘆き(エズラ記9章2節)、そして諸国の女を妻にしたユダヤ人を妻子共々追放する。
 異民族の血と習慣を交えたサマリア人が何故ユダヤ人から忌み嫌われたのか、これだけで分りそうなものである。ニュルンベルク法アパルトヘイトのルーツこそ、聖書にあったのだ。

 ただ、イスラエルによる恐るべき人体実験をすっぱ抜いた上記サイトも、元のHOMEには反米、反イスラエルの記事が満載されているという、明らかに左派系のものなのだ。この類のHPが中露における民族浄化を取り上げることは絶対にない。共産圏も確実に人体実験を行っていたことだろう。
 苦笑したのは「ビョークとオノ・ヨーコ」の記事。これに目を通してみたら案の定全編オノ・ヨーコを讃える内容であり、ビョークについては申し分程度に触れているだけ。ビョークが中国コンサートで、「Free、Tibet!」を叫んだことなど無かったかの如く黙殺するところに、左派の厚顔無恥が伺える。

◆関連記事:「イスエラルを擁護する人々

よろしかったら、クリックお願いします
   にほんブログ村 歴史ブログへ


最新の画像もっと見る