トーキング・マイノリティ

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The Newspaper 仙台公演

2006-11-22 21:21:15 | 音楽、TV、観劇
 昨日、政治風刺コント劇団The Newspaperの3年ぶりとなる仙台公演を見てきた。いつもながらタイムリーな政治、社会の話題をネタにする寸劇はとても面白く、彼らの仙台公演はほとんど見ている。

  おそらく他の地方都市公演でも同じだろうが、The Newspaperの楽しいところは地方ネタを取り上げることだ。冒頭から仙台の話題を題材にしてくれたのは笑えた。ぬいぐるみを着た劇団員が登場し、仙 台の米ヶ袋でも熊が出没、というローカルニュースで始まる。就任一年3ヶ月の間に5度も海外視察に出かけ、仙台市民からひんしゅくを買っている梅原現市長もネタにされる。市長に扮した団員のコントに会場は笑いこけていた。プロ野球球団楽天に駒大苫小牧の田中投手が入団することに決まったが、田中投手役の団員は「球団はパッピーだけど、僕はアンラッキー」「楽天なんかより駒大苫小牧の方が強い」と叫ぶ。ある点、当たっているかも。

  この劇団の十八番は政治コント。安倍首相に扮した団員が演説するかたちだが、やはり前首相に比べインパクトが弱い。現首相の後は小泉前首相役の松下アキラ が登場するが、拍手からして違う。何年も小泉首相役をこなしていたのだから、松本の演技は板についている。カツラに付け鼻をつけた小泉スタイルで、松本が 直接本人に会った映像も会場に流された。彼がホンモノの元首相にお茶を運んでいたのはおかしかった。

 The Newspaperは結構北朝鮮ネタもやり、金将軍が登場する。北朝鮮の年間国家予算は宮城県第二の都市である石巻市に匹敵するとは、今回の寸劇で初めて 知った。そんな国が何故あれほど軍事に予算を取れるのは、後ろ盾になっている国があってこそだ。昔、テレ朝の「ニースステーション」で久米キャスターが石 巻市を「宮城県の小さな町」と紹介したが、これでも宮城県第二の町である。

 特に面白いのが皇室ネタ。皇室とは呼ばず「さる高貴な御一家」と紹介し、住所も東京都千代田区千代田…と皇居のある場所なのだ。天皇役の団員が「毎回先の戦争で、と言うのは言い飽きた。もう親父の尻拭いはしたくない!」と叫び、他の皇族たちが黙っていろとばかり人差し指を口に当てたのも愉快だ。これは陛下の真意よりも国民の本音だろう。
 1月2日の一般参賀の時、The Newspaper団員が「さる高貴な御一家」に扮装して皇居に行った映像も映ったが、周囲の人々は喜んで写真を撮っていた。劇団員と一緒の写真を撮りたがる人も少なくない。本物の皇室一家なら気安く写真など取れないから。

 旬の話題をネタにした寸劇をする劇団というのも日本では珍しいのではないか。以前の仙台公演のチラシにThe Newspaperを支持する有名人に筑紫哲也キャスターや、日本をけなしつけることに生き甲斐を見出しているかのような独身在日女・辛淑玉の名もあったのは不愉快だったが、この劇団のコントはいつ見ても面白い。またの仙台公演が楽しみだ。

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8 コメント

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自称、ボ○大臣 (Mars)
2006-11-22 22:56:10
こんばんは、mugiさん。

映画でもそうだと思いますが、パロディにされる内が花でしょうね(映画ではエ○パロもありますが(汗))。ホ○エ○ん等、一瞬の輝きで、消えさるものがほとんどなのは、世の常なのでしょう。

>「楽天なんかより駒大苫小牧の方が強い」
仙台市民のご心中、お察しいたします。しかし、これは、身内・仲間内を、過小評価する類でしょう。お互い、今年は残念な結果となりましたが、一部、若手が伸びてきている、楽天が羨ましいですね。

安倍首相、皇室ネタといい、世相を反映・皮肉った内容がおおっぴらに出来る社会は、まだ健全だと思います。これが、北で将軍様を皮肉ったり、支那で毛や中共を皮肉ったらどうなるか。シャレがシャレでなく、命を落としそうで怖いですね(ヒン○ーや草○も同様ですが、、、)。
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Unknown (知足)
2006-11-23 14:01:48
政治風刺コント劇団The Newspaperというのがあるのを始めて知った。内容も少しずつ変化しているようだが、これも既存メディアとは一線画したものとして今後の変化に期待したい。喜劇王チャップリンのような時代風刺が出てくることを望みたい。
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一仙台市民から (mugi)
2006-11-23 22:11:24
こんばんは、Marsさん。

ホ○エ○んもしっかりネタにされてました。彼役の団員がこうぼやくのです。「今では新聞も数行くらいしか扱ってくれない」
彼を選挙に利用した自民党を叩いているマスコミも、散々利用した点では同じですが。

仙台市民から言わせて貰えば、いくら何でも楽天の二軍でも駒大苫小牧に勝てると思いますが、最下位チームの悲哀ですね…
それでも“田中投手”は最後に「仙台市民の皆様、どうぞよろしく」で締めてました。しっかりやりなされ。

私も時の権力者や権威を風刺できる社会は健全だと思います。北や支那なら反体制派の疑いをかけられただけで、2度殺されるのではないでしょうか?精神、肉体を破壊し、最後に生命を絶つ。あ、当人だけでなく九族も巻き添えですね。
宗教がらみも同じです。ヒン○ーはほぼ国内に止まっている分マシですが、草○よりすごいのがイ○ラム。批判したと見なされれば、“敵を探して三千里”を平気でやる連中です。「悪魔の詩」翻訳者惨殺事件を日本人は忘れるべきではありません。
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コメント&TB、ありがとうございます (mugi)
2006-11-23 22:12:32
>知足さん
The Newspaperのような政治風刺コント劇団がある国は、言論・思想が保証されている証でしょう。
アジア諸国でこのような劇団がある国など、果たしてどれだけあるでしょうか?一応民主主義の国である韓国も、あの精神風土からして無理でしょうね。よって立つのが「恨」の精神では、諧謔が要求される風刺など出来ません。
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おおっΣ( ̄○ ̄;)! (セリ摘み王 キモト)
2006-11-24 00:49:07
その劇団、地方巡業するって事は関西にも来るんですね。





知りませんでした。年間50本ものお芝居を観る僕でも関西劇団が主体でそれ以外では関東の劇団は「サモアリナンズ」位しか観ないモノで(^_^;)。



しかし要チェックですな。





情報ありがとうございました。
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サモアリナンズ (mugi)
2006-11-24 21:38:20
>キモトさん
私も関東の劇団「サモアリナンズ」は知りませんでした。
といえ、私は劇団にはまるで疎いので、地元劇団の芝居さえろくに見ない有様です。

こちらこそ、情報ありがとうございました。
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Unknown (ぎれん)
2006-12-01 21:07:34
すでにご存じだと思いますが、元The Newspaperの石倉直樹(現 他言無用)が笑いにもならない下劣な事をやりましたよ。http://blog.m.livedoor.jp/mumur/c.cgi?sss=stseugroodevil&id=50695135 これは笑い以前の品性の問題ですよ。モンティパイソンでもここまは…
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石倉直樹 (mugi)
2006-12-01 22:11:22
>ぎれんさん
もしかすると、週刊新潮に載った「陛下のガン」も笑いのタネにした「皇室中傷」芝居 のことでしょうか?
佐高信、永六輔 、中山千夏などの名は見かけましたが、石倉のことは知りませんでした。
ネット検索してみると、『週刊金曜日』関連のイベントにも出ている人のようですね。
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