トーキング・マイノリティ

読書、歴史、映画の話を主に書き綴る電子随想

日本を食い物にするロックスターたち

2005-08-07 19:51:53 | 音楽、TV、観劇
   如何にアーティストを気取っても所詮は人気商売の芸人なのだから、ロックスターが世論迎合をするのは当然だし、ロックがもはや巨大なビジネスと化している のは疑いない。チャリティーライブをするのは結構だが、その場を利用して稚拙な政治メッセージをする連中だけは鼻持ちならない。その中で私が特にえげつな いと思う2人を取り上げてみたい。

  まず、U2ボノ。最近もライブ8でアフリカへの支援を積極的に呼びかけ、「慈善ではなく、正義の問題だ」と訴え、「日本はアフリカでもっとやれる。世界のリーダーである日本の義務だ」とまで、ぶち上げたそうだ。だが、過去アフリカをもっとも搾取したイギリスの アフリカ諸国に対する債権は日本の千分の一という体たらく。一方で対アフリカ武器輸出は急増し、ついには十億ポンド(2千億円)に達したそうだ。ライブ8の裏話はこのサイトに詳しく紹介されている。 http://plaza.rakuten.co.jp/kawamurakent/diary/200506200000/

   要するに日本に債権放棄をさせ、浮いた金で武器を売る魂胆なのが知れよう。ボノを「政治に利用されるロックスター」とする見方もあるが、彼 も40半ばなのだから、アフリカの貧困は内戦が最大要因なのを知らぬはずがない。もし、知らないのなら世の中知らずの愚か者か、知っていたのなら正義や義 務から程遠い厚顔な偽善者だ。ロックスターだから知らない、などのいい訳は通らない。

  このロックスターは、まだアパルトヘイト体制だった南アフリカと日本やドイツの多額の貿易を非難していたが、その南アを政治、軍事的最大の 援助国だったのはアメリカとイギリス。また、南アの経済を牛耳っているのはイギリス系の白人だった。尚、アイルランドから豊かな南アへの移住者も多く、彼 らはアパルトヘイト体制守護の貢献者でもあった。かつてイギリスが世界中を植民地にした時、アイルランド人は積極的に協力し、現地人にはイギリス人以上に 威張り散らしたという。宗主国の虎の威を借る気質は未だ続いているようだ。

   英米の巨大企業はミサイルからロック音楽のCDまで扱うと言われる。こういう背景を見れば、音楽雑誌では“政治意識の高い”と好意的な評価をされるロックスターが、兵器会社にダンマリを決め込んでいるか知れよう。

  次はスティング。洋楽通の方は、以前彼がアマゾン森林 資源保護活動をしていたのを憶えているかもしれない。来日してテレ朝の「ニュースステーション」に出演して募金を呼びかけていた。が、自分が関心があって も、他人、まして他国人もそうとは限らない。さらに日本政府にも援助を要求したのだ。久米氏並びに日本省庁の冷淡な態度に腹を立てた彼は、帰国した後に 「日本はアマゾン森林破壊に手を貸している」と非難を行った。また、礼を欠いた彼の態度はブラジルの政府関係者を激怒させたらしい。
  母国の原発問題に対しリアクションを起すべきなのに、自国の都合の悪い問題が持ち上がると、他国(もっぱら第三国)の諸問題を槍玉に挙げ、すり替え糾弾 をするのはアングロサクソンの常套手段。スティングは無名時代教師をしていたそうだが、スターとなり世界中を見聞しても、田舎教師の視点から何ら進歩もな いようだ。あの森林保護運動は気紛れスターの手慰みなのか、最近はあまり力を入れてないようだが。

  以上のような侮日スターに対するささやかな報復は、CDやDVDを「買ってはいけない!」、これ以外ないだろう。

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4 コメント

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Unknown (フィジカルプランナー社長)
2005-08-10 09:07:00
おはようございます!

早速遊びに来てしまいました。

過去ログも遡って読んだのですが

辛らつな切り口が引き付けられます。

気持ちがいいくらいの記事が爽快にさえ感じられます。

良かったらまた僕のブログにも遊びに来てくださいね!
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コメント、ありがとうございます (mugi)
2005-08-10 20:55:46
こんばんは。



私は生来皮肉屋でへそ曲がりの性分ですので、批判対象には辛辣な口調になるのです。

CD広告紙でもある音楽雑誌ならさて置き、一般紙までもがボノみたいな偽善者(ブッシュに会ってイラク戦争に触れずじまい)を持ち上げるのが不快でしたので。



こちらの方こそ、よろしくお願いします。
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Unknown (ジャヤラリター)
2009-02-15 15:08:55
mugiさん。お久しぶりです。

私は、ロックはあまり聞かないので、上記の話は初耳ですが、上記の2人のロックスター達には、とても腹が立ちました。

CD、DVDの不買運動。今のところは、これが一番効果的な方法です。まだ、他にも方法があるかもしれませんが。
スティングは、無名時代は教師をしていたようですが、彼に限らず、どこの国でも、学校の先生は、世間知らずの人が多いのかなと疑問に思いました。
無名時代ならまだしも、スターになった今でも、世間知らずなのか、アングロサクソン故の習性なのか・・。
彼については、両方共ありえそうです。

本日はバッサリと斬って頂き有難うございます


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コメント、ありがとうございます (mugi)
2009-02-15 22:04:25
>ジャヤラリターさん

こんばんは、お変わりありませんか?

 私は未だにロックを聞いてますが、上記の2人のみならず、ライブ8呼びかけ人のボブ・ゲルドフも腹立たしい。さらに不愉快なことに、ボノのようなロックスターを、フィナンシャル・タイムズのような有名紙が後押ししているのです。だから、大口を叩ける。メディアとロックスターとのことを、以前記事にしました。
http://blog.goo.ne.jp/mugi411/e/5df4026a815b541ebcd6f3bb8d17c97b

 教職者とは押しなべて世間知らずが多いのは確かです。接しているのが子供や若者なので、世の中知らずで子供じみてくる。そのくせ、生徒に接するように他人に説教調で仕切ったりします。ある種、“職業病”かも。
 スティングについては、“教師病”とアングロサクソンの習性の他に、文科系もあるのか、などと私は推測しています。無名時代に教師をしていたのはクイーンのブライアン・メイも同じですが、彼にはそのようなところはない。理工系だったから?
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