はじめに
なぜ、前転キャンセル(以下 前キャン)が世に登場し、それでカプエスのゲーム性は崩壊しなかったのか。
その問いの答えは、サガットというキャラクターがこのゲームバランスに大きく影響したことでしょう。
私は、「前キャンがゲームバランスを壊したというなら、サガットもゲームバランスを壊した要因にならないか?」という対立意見が出ないのはサガット派が多数派であり、これにより前キャンを使う人間が罵られた。
背景は、日本的な差別文化の断片が、このゲームのプレイヤー間に歴史として今も存在している点ではなかろうか。
これは他の格闘ゲームでは見られない極めて珍しいケースである。私は、前キャン否定サガット肯定を、前キャンもサガットも肯定派として
サガットを肯定するなら前キャンも肯定すべきという立場を最初に明確にしておきたい。
サガットとは何か?関連動画⇒http://www.nicovideo.jp/watch/sm5731727
#1:サガットというキャラクター
当時、前キャン(※2)否定派の主観的意見ばかりがクローズアップされた。
それよりカプコン系格闘ゲームにおける通常技の優劣を語るべきではないか。エンターブレインから出版された攻略本(以下 エビ本)を見ても、
このゲームで一番キャラクター性能の恩恵にあやかっているのはサガットではなかろうか。
事実、このゲームは前キャンが登場してから今日に至るまでサガットを中心にゲームは展開された。
通常技とタイガーアッパーカット、スパコンだけでも強い。前キャンによい技を持たないサガットがいまだに生きながえている事実があるのではないか。
前キャンがあっても強いサガットに議論が少ないばかりか、サガットを肯定しつつ前キャンを否定する輩が初心者のカプエス離れを加速させたのではなかろうか。
そのような人間は、「前キャンが出てもサガットが強い」とは言わない。「前キャンこそ悪の根源である」という
これはマッチポンプの人間である。
マッチポンプとは、自分で火事を起こして、火を消し、あたかも自分の手柄にしようとする人間である。こういう人間は今、巷で言われているモラハラ的な素質を持ち合わせている。
サガットを練習して勝つ事ができるとそれに固執する。そして、サガットで勝ち辛くなると途端に
「前キャン糞」の情報を伝播し、周りに迎合を要求する。
あるいは別のゲームをしようと周囲に迎合を要求する。そうやって、前キャンを使う人間を孤立化させる。前キャンが出てもどうやってサガットで勝つかを研究しているサガット使いは健全である。
前キャンが出てカプエスを辞めたいなら黙って辞めれば良いだけである。
それを周囲に迎合を要求し、カプエスは終わったという情報を伝播し、自らの弱さやビクビク感を消しながら生きているのは、人生に深い葛藤を負った人間の行動である。
サガットだけ強いゲームならカプエスはとっくの昔に終わっていた。前キャンが出てきたことで、「サガット最強」が「サガット最強?」になった。その事実をサガットを使っていたプレイヤーは嫌悪感で表出しただけだ。
まず、このゲームを否定するなら前キャンぐらい使えるようになってからにしてもらいたいという意見は当然聞かれている。
それでもサガットで勝つ人間にはサガットしか見えていない。別のキャラを使うウンチクではなく勝つ事だけを優先した。それもカプエス離れを加速させたSNKファンを取り込めないばかりか、カプエスはサガブラゲーで終わらせてしまった。
#2:ブランカというキャラクター
前キャン、前キャンというが前キャンで一番使い勝手の良いブランカの前キャン電撃もリーチがそこまである訳ではない。
つまり、ブランカの前キャン電撃が当たる間合いは前者は、大きなシチュエーションは起き上がり対策だけだ。
当時、ダウン奪われるとブランカの前キャン強エレキトリックサンダーの餌食になった。
ゲーセンでブランカの前キャン電撃がサガットのLv3タイガーレイドを潰すと、途端にサガット使いは声を荒げた。別のスパコンやキャラで試さなかった。
2チャンネルで、ブランカの前キャン電撃に対する被害者意識をこれでもかと書き連ねた。
日本人は、自分の被害者意識をこれでもかと第三者に伝える人間が多いが、そういう人間の深層心理にあるのはナルシズムである。
私が言うのだから間違いないという確信であり、思い込みである。その被害者意識とはブランカの前キャン電撃は対策が無く、糞技であるだろう。
サガット使いにとってシナリオが崩れた。
しかし、確信は立ち回り、対処方法を模索しなかっただけなのだ。
サガットを肯定し、前キャンを否定する人間は、
それを前キャンを使うななどの倫理論に話をすりかえる。
私はWikipediaに「前キャンってとにかく卑怯なんですよー」という主観をこれでもかってぐらい書き連ねるプレイヤーの意識が被害者的かを指摘する。そして、そういうプレイヤーに限ってサガットを肯定しているのだ。
だがサガットを支持しますとは言わない。そういう人間はサガットは良キャラですとは言わない。話を前キャン否定肯定にすり替える。
本当は、サガットが1番強いゲームだと言いたい。が、そういう人間に限ってはモラルを必ず持ち出す。モラルとは美徳である、その美徳を盾にしてサガットでレイププレイを楽しむ人間の糞のような輩が当時のゲーセンを賑わせていた。
#3:このゲームで一番大事なゲージはなにか?
突然ですが「このゲームで一番大事なゲージはなにか?」という問いを随分昔に聞かれた事があった。
私の中で一番大事なゲージは「ガードクラッシュゲージ(※1)と気絶値」と答えた。
しかし、1番と聞かれたからガードクラッシュになる。話のテーマに「ガードクラッシュ」が、ゲームシステムの根本に関わっている事についてかんがえてみる。
ガードクラッシュは前キャンが世に出てからも勝負を左右するゲージである。画面上に表示されているゲージであり、気絶値(※3)と比べプレイヤーに意識されやすい。ガードクラッシュが回復を始めれば気絶値はリセットされたことの目安にもなる。
ガードクラッシュ値、気絶値は両方とも3秒ルール(※4)に該当する。ガードクラッシュ値は、何も攻撃を受けなければ3秒後に回復がはじまる。
それは気絶値が0にリセットされた事を示唆させる。
ポイントはガードクラッシュ値は「回復がはじまる」だけだが、何か攻撃をガードしたり食らったりすると止まってしまう。すぐに打撃が飛んでくるか否かの間合いで回復がストップされる状況は十分ある。
気絶値もガードすると、そこから3秒間でリセットされるがガードクラッシュを主体に考えると、ガードすれば余計にガードクラッシュゲージが減るし、攻撃を食らうと気絶値が溜まりガードクラッシュゲージの回復も止まる。つまり、相手を八方ふさがり状態に固められることがカプエスの醍醐味である。
当て投げなどが一時期流行ったが、もしより短いスパンで相手を片付けるなら投げよりもむしろ、攻撃を当てるために投げを使うのが正論であろう。当て投げはスタン値継続の効果があるのはよく知られている。
しかし、スタン値を継続させるためではなく、
むしろガードクラッシュゲージを継続するために当て投げを継続させる。そのほうが心理学的に効果が高い。
昔は、投げを当てるための攻撃だった時代があるが、やはりこのゲームの主役は打撃だ。コンボは投げ一発分のダメージを引き出せれば十分にリターンとかみ合う。投げは波状効果が少ないばかりか気絶値やガードクラッシュは減らない。
ただし、ザンギエフやライデンのように投げ主体で攻めるキャラもいるので、コイツらについては後々後述することにしよう。
#4サガットの強パンチ。
主役が打撃とするなら、その打撃で一番使い勝手の良いサガットと、その高い攻撃力にあやかったガードクラッシュ戦略について考えてみる。
このガードクラッシュゲージはサガットのように
強い攻撃値、リーチのある通常技を持つキャラは
とても優遇された仕様になる。
サガットは小技のリーチ、強パンチのリーチ・発生・隙の小ささとも優遇されている。無敵アッパーもあり、攻守ともにそろっている。
立ち強パンチの攻撃値は1600と、ザンギエフの立強パンチよりも発生が早いのに同じ攻撃力である。しゃがみ強パンチでは攻撃値は1500。この仕様の優遇さは、対戦すると大きく感じれる。
試しにザンギエフの立ち強パンチ、サガットの立ち強パンチを比較すると分かりやすい。
当時のサガットプレイヤーは自分が使っている
サガットを養護する発言として、メーカーの仕様にないものは倫理としていかがなものかと話をこじれさせたいだけだからだ。
つまり、サガットの仕様はメーカーが認めたから問題ないと主張したわけだ。(自分達の正当性の主張)
サガットの強パンチは、攻撃値が体力ゲージの少ないキャラでは全体力の約1/10程度に匹敵し、守り側は無敵技以外では発生の早い技に頼る事になる。持続も長く前転や起き上がりに引っかかりやすい。グルーヴゲージの増加量も多い。スパキャン可能。
対して弱キャラの強パンチはサガットほどではなく1000~1200程度。これはサガット側からは1/12になる。小さな差に見えるかもしれないが、
気絶値とガードクラッシュの関係では、このわずかな差が試合で決定打となる。
考えて見るとサガット戦の動画の多くがサガットの仕様に助けられた試合である事が多い。ガードしても大幅にガードクラッシュ値が減らされる。
食らっても大ダメージ。避ける事もできないキャラはJDやBLをせよとなる。
サガットには強い小技が効いているので、うかつに近づくと逆に潰される危険性も十分ある。
サガットにとってリスクは低く、リターンはデカイ。逆に相手プレイヤーは、リスクは高く、リターンは低い。この理不尽さが私の前キャンが世に出てくる以前の世界。
とくにサガットの立弱Pがしゃがみ状態に当たるキャラクターは影響大。攻撃値は500、最高でも3発ヒットし、有利フレさえ大きい。ダウンを奪い、奪われたときの起き攻めの心理的なアドバンテージはサガット側に分がある。
相手をする方は苦しい選択を迫られる。サガットには勝つにはサガットを使う。それがサガットが登場する以前の世界である。
サガットは危険などの技もスパコンへのルーティングを併せもち、ゲージがあれば、ゲームを終わらせる展開が期待できる。ブンブン振り回しガードクラッシュをもりもり削り、さらに気絶値も溜まる。
この優遇仕様がサガット抜きのチーム構成がとれな買った現状になる。つまり、サガット仕様に適応のよいグルーヴが生き残れるというサガットにとって都合の良いグルーヴしか使われない結果だった。
前キャンは確かにAアレ(※5)を輩出したが、それでもチーム構成からサガットを排除できた点は高く評価されるべきではないだろうか?
前キャンが無い時代を語る
当時はグルーヴというよりもいかに頂点にいるキャラクターを排除できるかが重要だった。
そして、頂点にいたのがサガットだった。
前キャンの否定を語るならサガットを肯定する理由を語るべきではないだろうか。メーカーは後出し製品で前キャンの削除とサガットの仕様変更をしているからである。
まずサガットは小足の攻撃値は400である、連打キャンセルは無いが眼押しで3発まで当たる。つまり3発当てればダメージは1200で、かなり高いダメージである。そして立小Pは、ダメージ500で、2発当てればダメージが1000。3発当てればダメージ1500。
ちなみにバイソンの立弱Pも3発当たるが、こちらは3発当てても合計ダメージは900でサガットほどではない。
小足⇒立小パンチ×2⇒タイガークラッシュの空かし下段コンボならダメージは2700前後
これは弱キャラの強パンチ2発分のダメ-ジに相当する。
前キャン強サイコクラッシャーと比べてもローリスキーであり、ガード方向を惑わす意味ではヒット率は上記のコンボの方が遥かに上である。
人が言うことをあたかも「神のお布施」のようにして人に伝える人間は上のような事実を見落としてしまう危険性があることをここに報告する。
カプコンはなぜこうまでしてキャラ差をつけたいのだろうか?
それは、自分達の思い通りにゲーム進行して欲しいためである。勇者が魔王を倒すというようなゲームシナリオを会社というルールに従わせたいだけなのだろう。
だが、私の主観的部分は格闘ゲームとはアイデンティティの戦いである。
主観と主観のぶつかり合いである。それを会社のルールというゴジック体がいちいちちゃちを入れるなというのが私的見解である。
考えてもらいたいのは、ここまでキャラ差を付けて誰が1番得をするか?という視点である。
自分にとって住みよくなくなった世界を否定し、
逃げてる自分を前キャンの責任にしたいだけだ。
そういう意味では前キャンが出てからもカプエスを愛した梅原のゲーマーとしてのアイデンティティは高く評価できる。
ほとんどの前キャン技はコツさえ分かれば初心者でも一日でマスターできる。
倫理にしばられるというのはそういうことだ。
評価するというのはそういうことだ。
そういう人間にいちいち賛同しなくていい。
全ての要素を網羅してこそ語れる資格を持つ。
もう一度言おう。
「前キャン」は回り込みの20~23Fの無敵が乗っかるが、そもそもこのゲームは必殺技はガードされたり、垂直ジャンプで交わされたりするとフルコンボされる仕様が多い。使う側もリスキーなのだ(リスキーじゃない技も多いが)
このゲームで重要なゲージは「ガードクラッシュ値」。 また、ガードクラッシュ値を大幅に減らせるのは前キャンではなくコンボである。
つまり優先順位ではコンボ>前キャン=基本技なのである。前キャンの無かった世界は、コンボ>基本技>必殺技だった。そのルールが>という不等号から=に変わっただけだ。
以上。
※1 ガードクラッシュゲージ:ガードクラッシュゲージは攻撃値に反映されて0以下になると約60Fほどの無防備な状態となる指標ゲージである。ただし気絶と違い、体位変更はされない。例外的にしゃがみ状態に下段ガードにならない必殺技・スパコンを当ててガードクラッシュさせると立ち状態でガードクラッシュとなる。
※2 前キャン 前転を2~3Fでキャンセルすると20~23Fの無敵が普通の必殺技・挑発・スパコンにつくこと。
※3 気絶値 デカイキャラは80、中くらいは70、ヒョロっぽいまたはちっこいのは60。投げ以外の攻撃には気絶値が設定され、気絶値以上に気絶値が溜まるとかなり長い時間、無防備な状態になる
※4 3秒ルール ガードクラッシュゲージで回復が始まる時間がだいたい3秒ぐらいという事から3秒間は防御に徹せよという意味。ただし、前キャン技の賛否をとわず心理戦は高度なものになる。
※5 Aアレ Aグルーヴのオリコンと相性の良いキャラクターとしてAサクラ・ブランカ・ベガの構成メンバー。ただしAサクラは若干不安視された(理由は前キャン技のリスク・対空オリコンのクソさなど)、サクラを除いたチーム編成が模索されている。現時点はバルログだが、次第に対策が進みつつある。他のキャラクターが見直されはじめた時代である。ベガ・ブランカは確かに総合的な強さはお墨付き。
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