うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

進路がなければどうするか

2012-11-26 21:33:41 | 競馬日記
競馬は馬が集団で行うスポーツですから、抜け出したいタイミングで前が開かないことも多く、タイミングどころか完全に馬群に包まれてしまって全く身動きがとれずに終わることもあります。

で、進路がないところから抜け出してきたレースといえばこれを思い出します。



ステイゴールドは馬群の内側にいて、折り合いをつけて体力温存するという観点では申し分ないポジションだったのですが、直線では馬群に包まれてしまっています。が、ここからがすごくて、外のSilvanoにぶち当たりながら外に持ち出し(2:16ごろ)、ゴール板ぴったりのところで世界チャンピオンFantastic Lightを捕まえました。
ぶつかったのはさすがに荒っぽかったのではないかということが検討されたはずですが(合田さん記事で見たような、それとも世界の競馬だったか)、ステイゴールドが進路を確保して勝つためには他に手段がなかったから仕方ないというところで落ち着いたように記憶しています。
それにしても小柄なステイゴールド、勝負に弱いステイゴールドが、外の馬に当たって進路を作って、世界チャンピオンを差しきったレースぶりには本当に驚きましたし、鞍上武豊にとっても生涯最高のレースだと思っています。

JCでも直線でジェンティルドンナオルフェーヴルがぶつかり合いました。
審議になったようですが、着順通りの決着になりました。起こったことは、オルフェーヴルが内にささり、ジェンティルドンナを閉じ込めにかかるような形になり、それに対してジェンティルドンナはオルフェーヴルを外にはじき飛ばして進路を確保して抜け出したということです。
オルフェーヴルはぶつかられたから負けた、というのであれば、そもそも閉じ込めに行かなければぶつかり合うこともなかったわけです。まっすぐ走って勝てば良かったんじゃないでしょうか。閉じ込めるのに失敗したから負けたと言った方がいいように思います。
上からの映像を見ると、オルフェーヴルはかなり内に切り込んでいます。ジェンティルドンナが押し返さなければ妨害をとられたのはオルフェーヴルの方だったかもしれません。そんなわけで、着順通りだったことに異議はありません。岩田騎手が騎乗停止を受けるべきだったかはよく分かりませんし、あまり興味がありません。

ジェンティルドンナは牝馬3冠+JCという大偉業を成し遂げました。年度代表馬も持って行ってくれていいと思います。牝馬3冠馬がようやく年度代表馬に選ばれそうです。それでももやもやしてしまうのは、オークスと同じく、ジェンティルドンナに向いた内伸びの馬鹿っ速い馬場だったことが原因でしょう。あと1、2秒遅い馬場でジェンティルドンナがどんな競馬をしたのかを見たかったです。

オルフェーヴルは惜しくも2着。ただし、Heavyな凱旋門賞でクビ差2着で、高速東京でもタイム差なし2着です。惨敗したSolemiaを見れば分かるように、欧州の泥んこ馬場が得意な馬は本来は高速東京なんか走れるわけがないのです。それなのに、全く異なったコンディションの東京に直行してタイム差なし2着というのは十分にすごいと思います。それにしてもまっすぐに走らない馬ですね。

JCと言えばカツラギエースが勝った大好きなレースで、海外の馬の日本適性なんかを読み解くのが楽しかったのですが、今年のメンバーは酷かったですね。レース前に何か解説しようかと思ったのですが、勝つわけがない4頭で、やる気をなくしました。勝つわけがない東京までやって来てくれた凱旋門賞馬Solemiaには感謝しますが。


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