森のいぬねこ病院 院長blog ~走れシーズー!!緊急オペです!!~宮城県仙台市の動物病院、ヘルニア、がんのことなら!

宮城県仙台市のとある緑豊かな場所にある動物病院「森のいぬねこ病院」。ガンビー院長がその思いをつづります。

あなたの声を少し聴かせて・・・

2013-07-29 17:59:35 | 飼い主様へ

こんにちは!

雨の日は膝と腰が痛くなる西原です。。。

 

突然ですが、

あなたの声を少しだけでも聴かせていただけませんか?

ということで、そんなお声を集めたいBOXを待合室に設置しました。


(ええ、アルパカお名前募集BOXを使わせていただいてますw)

 

”あなた”は飼い主様はもちろん、ペットだってOKなんです。

”声”は森のいぬねこ病院に関することはもちろん、

関係のないことでもいいんです。

普段は声に出さないペットへの感謝の言葉や、

 ペット自慢、なんでもいいので

ぜひ”あなた”の声を聴かせてください。

 

「突然何を言い出すの!?」

と思われているかもしれませんが、

開院してもうすぐで4か月、

おかげさまで診察させていただくペットの数も増え、

私自身、物理的にペットの診療で手いっぱいになてきており、

飼い主様やペットとのコミュニケーションをとる時間がなくなってきました。

 

でもあくまで森のいぬねこ病院は、

単に病気を治療するところではなく、

獣医療を通じて、飼い主様とペットの幸せづくりをお手伝いすること、

これを使命だと考えていますので、

病気の治療と同様に、みなさまとのコミュニケーションも大切にしたいと考えています。

 

そこで、限られた時間の中ででも

少しでもみなさまと交流させていただける手段として、

今回の試みを考えたわけです。

 

診察の合間のお待ちいただいているお時間にぜひ・・・


動物病院と再生医療

2013-07-28 22:51:38 | 診療

こんにちは!

 JASAファームのソフトクリームにはまりそうな西原です。

 

先日のブログで椎間板ヘルニアの再生医療について書かせていただきましたが、

ちょこちょこ(笑)と反響のお声をいただいています。

中でもやはり多いご質問が

「じゃあ、再生医療は効かないの?」

というものでした。

私としましては、「効くか効かないか」を考えたのではなく、

再生医療を実施しているそのやり方を問題視したつもりでしたが、

こういったご質問を受けたということは、

みなさんに誤解を与えてしまったかもしれません。

申し訳ありません。。。

 

もう一度まとめますと、つまりは、

  • 再生医療は、未だ治療としては確立しておらず、研究レベル。
  • 研究レベルのことを実際の医療現場で行うには通常の治療よりも十分な飼い主様への説明と同意が必要
  • しかし、安易に実施している動物病院もあるようなので、要注意
ということで、”再生医療”を打ち出している病院だったら、
どこでもクオリティが同じかというと、そうとも限らないようです。
 
これは人間の医学の世界でも同じようなことが起こっているようで、
日本再生医療学会でも問題視しており、

日本再生医療学会の声明1

日本再生医療学会の声明2

幹細胞治療について患者ハンドブック

このような声明やハンドブックで、利用する患者への注意を喚起しています。

ペットの世界でも同じような状況は起きていると考えられますので、

ぜひペットの再生医療にご興味を持たれている方は、

チェックしていただければと思います。

 

あと、冒頭のご質問「再生医療は効果があるのか?」に関しましては、

私の個人的な意見として、

「正しい技術と最新の研究の知見を用いていれば、効果はある」

と考えています

(この”正しい技術”ってところが動物病院では問題だと思っています)。

 

しかし、これもあくまでただの予測です。

たとえば、医療では有名な話ですが、

ある不整脈の治療薬が、薬理作用としては問題なかったのに、

統計的に調べると、延命効果はなかった・・・

という事例もあります。

 

特に椎間板ヘルニアのグレード5では、

現在の獣医療では歩けるようになる割合はまだまだ低いと言わざるを得ません。

その中で、少しでも可能性のある治療にかけたいという思いには

なんとかお応えしたいと考えていますし、

その中で、外科療法はゴールデンスタンダードではありますが、

さらに可能性にかけるのであれば、

私は鍼治療ではなく、再生医療にかけたいと思っています。


ありがとうございました

2013-07-27 18:33:09 | 日記

こんにちは!

今年も宮城の梅雨は明けないんじゃないかなあと予想している西原です。

みなさまには大変ご迷惑をおかけいたしましたが、

22日~25日の4日間、お休みをいただきました。

 

森のいぬねこ病院開院までは単身赴任をしていましたので、

家族にはとてもさみしい思いをさせてしまいました。

 

しかし、森のいぬねこ病院を開院してからも、

子供たちが起きている時間に家にいることがほとんどなく、

ほとんど病院で缶詰め生活をしていましたので、

少し、家族とゆっくりコミュニケーションをとらせていただく時間をいただきました。

 

おかげさまで、家族とのプライスレスな時間を過ごすことができ、

私自身もとてもリフレッシュさせていただくことができました。

やっぱりこういった時間も大切ですね。

 

もちろん、リフレッシュしたおかげで、診療もバリバリです(笑)

ブログもまたしっかりと書いてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

休み中はこちらにお世話になりました。ハピネス♪

 


椎間板ヘルニアと幹細胞療法(再生医療)

2013-07-24 11:53:46 | 椎間板ヘルニア

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7月のサマータイム診療&休診のお知らせ

 

 

 

7月1日より午後の診察時間が変わります

 

16:00~21:00(遅くなりました!)

 


 

また7月の休診は毎週火曜日に加え、

 

13日(土)、14日日)

 

22日(月)~25日(木)

 

となります。
ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解のほどお願い申し上げます。 

 

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宮城県仙台市の動物病院
森のいぬねこ病院

院長 西原克明のブログです。

椎間板ヘルニアの緊急対応可能
腫瘍(がん)のセカンドオピニオン受付
もちろん一般診療は随時受付!! 

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こんにちは!

 

昼食がとれないとき、ここのネタはほぼ食べ物関係になっている西原です(笑)

 

 

 

 

 

今、椎間板ヘルニアの治療で注目されているのが幹細胞療法と呼ばれる治療法です。

 

昔、一度傷害を受けた神経細胞は再生しない、と言われていましたが、

 

現在では神経細胞も再生することがわかっていて、

 

実際、実験レベルでは幹細胞療法によって脊髄が再生しています。

 

そしてそれを椎間板ヘルニアで応用しているのが、

 

あちこちの動物病院でも導入されている幹細胞療法です。

 

 

 

 

 

幹細胞とは、神経細胞をはじめ、いろんな細胞に変化することができる細胞です。

 

一見、そんな細胞があれば、神経の再生なんて容易なように感じますし、

 

もちろん私たちもそれを期待して幹細胞療法を行うのですが、

 

やはりこの治療方法にも注意が必要です。



    • 理論的には効果があることはわかっているが、実際に効果があるかどうかは、未だ検証中

 

    • 長期的な作用は不明

 

    • 幹細胞の培養で正しく培養されているかの精度が不明



つまり、幹細胞療法を行っても、

 

「本当に効いているのかどうかは今のところ不明」

 

と言わざるを得ません。

 

しかし、鍼治療など他の確立されていない治療方法と比べると、

 

理論と基礎研究量が膨大ですので、今後の見通しはすごく大きいものですし、

 

実際に、「治験」として公的な認可を受けて実施することも行われています。

 

 

 

 

 

また幹細胞療法といっても、培養方法や投与方法などに違いがあり、

 

それぞれ一長一短があります。

 

 

 

 

 

ちなみに、森のいぬねこ病院では、

 

同種脂肪幹細胞の投与

 

を行っています。

 

 

 

 

 

これは、他のワンちゃんから取り出した脂肪細胞から幹細胞を培養して、

 

それを投与するのですが、培養は専門の研究機関が行っており、

 

さらには農水省から認可を受けた治験として実施していますので、

 

培養の精度は国内トップレベルです。

 

自分の病院で培養するのとはレベルが違うと思います。

 

 

 

また、自家細胞を培養する場合は、培養が終わるまでに2週間ほどかかり、

 

その間は幹細胞療法を行うことができません。

 

しかし森のいぬねこ病院では、同種幹細胞を専門機関からの取り寄せで行いますので、

 

おそくても4日以内には幹細胞療法を始めることができます。

 

ただし難点は、国から認可された治験ですので、

 

その管理が非常に厳密なため、椎間板ヘルニアだったら

 

なんでもかんでも適用できる、というわけではないというところです。

 

今のところ、椎間板ヘルニアでも重症度の高いワンちゃんに限られています。

 

 

 

幹細胞療法は、最近なにかと話題で、非常に魅力的な治療方法ですが、

 

そのメリット、デメリットをしっかりとご理解いただいた上で取り組んでいただければと思います。


椎間板ヘルニアと鍼治療

2013-07-21 20:24:30 | 椎間板ヘルニア

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7月のサマータイム診療&休診のお知らせ

 

7月1日より午後の診察時間が変わります

16:00~21:00(遅くなりました!)


また7月の休診は毎週火曜日に加え、

13日(土)、14日日)

22日(月)~25日(木)

となります。
ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解のほどお願い申し上げます。 

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こんにちは!

焼肉には冷麺とキムチが欠かせない西原です。

 

さて、少し前のブログで、椎間板ヘルニアについて書かせていただきましたが、

椎間板ヘルニアの話題になると、必ずといっていいほどご質問いただくのが、

「椎間板ヘルニアの鍼治療ってどうなの?」

というものです。

鍼治療は一見、外科手術よりも負担が少ないので

非常に魅力的に感じる治療方法ですが、

実際のところはどうなのでしょう?

 

結論から申し上げますと、

「効くかどうかはまったくわからない」

です。

鍼治療の科学的なメカニズムは不明ですし、

獣医学的に価値のある論文
(例えば、鍼治療と外科療法、無治療の治療群を比較した研究論文など)
も私が知る限りは存在しません。

 

もちろん鍼治療を行っている先生は当然「有効」とおっしゃいますが、

以前のブログでもお話しましたように、

高名な先生であっても、経験則というのは獣医学的な価値は非常に低いものです。

さらにそれを言うなら、

これまで私が診させていただいたワンちゃんで、 

鍼治療を希望されて、実際に鍼治療を行う病院へ通った方で、

効果があったケースは”ゼロ”でしたので、

私の経験則で言うならば「鍼治療は効果なし」ということになります
(もちろんこれも獣医学的価値の低いものです)。

 

ただし、ここ最近は鍼治療に対する基礎研究的な報告も出てきてますので、

今後はそういった研究にも注目していきたいとは思っています。 

 

前述しましたが、私の場合はこれまでの経験で、

外科療法を選択していただければかなりの確率で回復したはずなのに、

鍼治療を選択し、そして立てないままのワンちゃんをみてきましたので、

鍼治療に対しては、正直なところ、獣医学的なものではなく、

気持ちの問題として否定的ではあります。

しかし、例えば鍼治療と同じように、

メカニズムがよくわかっていないのに治療として用いられるものに、

ホメオパシー

がありますが、

これは日本学術会議の議長談話として、”効果なし”と明確に述べられています。

つまりこのように、

”メカニズムはよくわからないけど、安全な治療”には注意が必要

なのです。

 

たしかに現在の医学や獣医学ではわからないことはまだまだあります。

しかし、現在の医学や獣医学でわかっていることもたくさんあります。

そしてみなさんがペットと生活する上でかかせないもののほとんどが

獣医学でわかっていることに基づいています。

ペットフードだけでなく、手作り食に必要な栄養学もそうですし、

しつけトレーニングも科学的に検証されているものです。

今一度、病気に対しても、獣医学にきちんと目を向けていただければと思います。

もちろん必要な情報はご提供させていただきますし、

とても飼い主様とペットに対して親身に対応してくれるふっちょさんも、

動物看護師としての豊富な知識をもとに、わかりやすく説明してくれますよ、

きっと・・・