米豆肉菜実、根に魚(コメマメニクナミ、ネニサカナ)

「最後にくだものを添えて――(中学生編)」の高校生編

【No.507】有難い言葉

2011-10-23 21:36:08 | レギュラー
弁当作りは、相変わらず落としていないけれど、ついつい
記録をスキップしてしまった。

きょうは、「そういう言葉をかけてもらえれば、10年ぐらいは
それを支えに頑張れそうだわ」という評価を息子からしてもら
えたので書いておこう。

嵐やらいきものがかりやらの話をしていて、どうしてそういう
流れになったのか忘れたけれど、
「どうせ母親なんて、大したことないと思ってるでしょ?」
とか何とかぼやいていたら、
「ほとんど完璧なんじゃない」
と言われた。

と言っても、それが自分について表現された言葉だとピンと
こなくて、聞き返したら、
「家事をしながら外で仕事はしているし、学校に行って勉強し
直したし(行ったのはスクーリングのみの2週間で、実際は
通信教育だけど)、人には分かってもらいにくそうだけれど、
自分で楽しんでいる趣味もあって、前向きだし……」
ということであった。

「麗人である」「気立てがいい」「料理ほか家事を卒なく
こなす」といったことでなく、そういうところを見ての、そう
いう評価かと面白かった。

ああ、少し思い出した。
まるで物を知らない少女たちが明石家さんまの番組に出ていて、
「そういう子たちや学歴の高くない子たちであっても、家計を
切り盛りしていく力のある子は世の中にいる。それなら、いい
んじゃね」
と言うので、
「結婚はしないと言っている癖に、そういう嫁がほしいか」
と突っ込み、
「じゃあ、多少学歴があっても家のことが下手な母親はダメ
なのだね」
という流れであった。

「ほめる」という調子ではなく、客観的に述べてみていると
いう口調であった。口がうまい方ではないが、一瞬、成長した
なあと感じた。

しかし、すぐに考え直した。
この子は成績はいつになってもパッとしないが、考えてみれば
4歳児ぐらいから、時々驚くような、つまり大人の私が尊敬
させられるようなことを口にすることがあったと思い出した。

5年生の運動会の100М走を1位で駆け抜けた。
彼の組には、学年で1、2を争う運動神経抜群の子がいて、
他も足の速いと評判の子ばかりだった。
(先生に、レースを白熱させるため、力の似た子をグループ化
しているのだと聞いた)
確か3年生ぐらいでも、その子と走った。
その子が口をきりっと結び一位で駆け抜けていく後、にこにこ楽し
そうに横の子と話しながら走っていく我が子を見て、「やる気
ねぇな」とがっかりしたが、通塾のため、サッカーの練習も
休みがちになった5年生なのに、その能力の高い子を抜いた
のに、驚かされた。

家で聞いてみると、
「オレが頑張れば、気持ちがすっとすると思うから、本気
出した」
と言われた。
運動会の前日か、前々日あたり、「こんなひどい目に遭うのは
一生のうち一度か二度だろう、そのぐらいで済むことと願い
たい」という出来事が私の身にふりかかった。
それを知っていた息子が親のために何とかしようと気持ちを
集中させたのだと知って、一等賞以上に驚かされた。
時間をさかのぼっていけば、そういうことが何年かに一度
あるのだった。

「あいつがひどいことを言った」
と言うことはあっても、友だちの悪口を言うのを聞いたことは
ないし、同級生に評判があまりよろしくないという先生がいても、
「こういう点が誤解されるけれど、こういうことなんじゃないか」
と一歩引いて考える余裕があるようで、時に「心の狭い私などより
よほど『人物』だ」と思える時がある。

「子育てで教えられることが多い」とよく言われるが、私の場合、
「子に直接、教えてもらうことが非常に多い」のである。
そういう力を社会で存分に役立ててもらえるよう、年がら年中
働ける身体を作ってもらえるよう、支えていかなくてはなるまい。