そば切り百夜日記

そば切り百夜月の近況報告。蕎麦の情報から店長の独り言まで思いつくまま綴っていきます。

業界紙で10年

2007年10月19日 21時51分17秒 | Weblog
大阪の小さな業界紙に就職して、知らぬ間に10年(以上?)が経過していた。思えば、本や雑誌(特に雑誌)が好きで、自分からのぞんで飛び込んだものの、「何か違う」といつも感じていたような気がする。わかっていながら、気が付かないふりをして10年お世話になった。書くことが好きで(業界紙の記者には最後までなじめなかったが)、自分で企画し、希望した人物に会って話を聞いたりするのは楽しかった。思えば、取材の帰りにいい意味で刺激を受け、「俺も頑張らねば」と帰路につくことも一度や二度ではなかった。
*明日のお蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産

それから3年‥

2007年10月18日 22時44分14秒 | Weblog
その時は、「手挽き蕎麦」と今まで食べてきた普通の蕎麦は別物くらいにしか認識していなかった(まして、自分が蕎麦屋になるなどと‥)。蕎麦屋という職業はおもしろそうだ。新しいタイプの蕎麦職人は、魅力的な人が多い。蕎麦特集の雑誌に目を通しながら、ただ漠然とそう考えていただけで、自分で蕎麦を打ってみたいとも思わなかった。気が付くと「凡愚」を訪れてから、3年の月日が経過していたように思う。
*明日の蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産

あとから‥

2007年10月16日 21時49分50秒 | Weblog
「ありがとう~ございました~」。独特の奥さんの抑揚のある声に見送られ店を後に。真野さんは、打ち場で、石臼をまわしていた(しばらく見ていたかったが、閉店時間だったので退散)。念願の手挽き。「むちゃくちゃうまかった~」となるかと思いきや、さにあらず。じわじわ、じわじわ~と日を追うごとにあとからきましたね。まず、他の蕎麦がおいしく感じなくなった(舌が肥えるという現象?)。もう一度食べてみたいという欲求。あの蕎麦は、何だったんだろうという思い。うーん、手挽き恐るべし、否、本物の蕎麦恐るべし。
*明日のお蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産

透明感のある蕎麦

2007年10月15日 21時45分19秒 | Weblog
店内に置かれている石臼や、打ち場をながめていると、手挽きが運ばれてきた。雑誌の写真より数段きれいだ。想像以上に細く、かつつながって透明感があったように記憶している(以降、これが自分の目指す蕎麦になるのです)。一口まず、つゆの味を確かめる。甘すぎず、とびきり辛口でもない。すっきりとしたつゆ。その頃は、塩で食べることも知らず、蕎麦だけ食べることもせず、はやる気持ちを抑えることもできず。一口目、つゆにつけズズッツ。2口目ズズッツ。3口、4口目ズッズズ。最後、ざるに残ったそばを集めズッ。量はそんなに多くなく、いつも食べている蕎麦に比べ少なく感じた。余韻にひたっている所に、鴨汁。こちらもツユを先にいただく。辛い。つゆだけだと辛く感じたが、蕎麦をつけて食べると絶妙。正直、このときは、手挽きよりも鴨汁のほうが美味しく感じたかもしれない。というか、手挽きは、どこがどう美味しいのかはっきり解らなかった‥この時点では。

*明日の蕎麦=二八・十割=北海道・旭川産、手挽き=福島・会津産

待ち合いに「銀花」

2007年10月06日 20時18分14秒 | Weblog
2、3度車で店の前を行ったり来たり。雰囲気のある外観だが、通りすがりの人は、よもや蕎麦の名店とは思わないだろう。結局、車を止めるスペースが無く、大通りに停めなおしていざ、出陣。閉店間際だったため、お客は、一人か二人だったように記憶している。メニューは、あらかじめ知っていたので、手挽きのざると、鴨汁を注文。お茶を持ってきてくれたのは、奥さんか。雑誌で見知ったお顔だ(後から知ったが、その暖かい接客ぶりは、ご主人と並んで評されている)。店内は、それほど広くなく、どちらかというと、狭い。大きな1枚板のテーブル(10席くらいだったか?)と、待ち合い。多分これまでに掲載された雑誌や、「銀花」がズラッと置いてあったのが印象的だった(これで、「只者でない」と思いましたね)。
*月曜のお蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産。誠に申しわけありませんが、当店専用の駐車場は、ございません。一番近いモータープールは、金子モータープールさんで、出口を左に出られたらすぐです。

いざ「凡愚」へ

2007年10月04日 22時19分49秒 | Weblog
結局、なんやかんやで、「凡愚」を実際に訪れたのは、1年以上後だったと思う。昼食は、基本的に外食だったのだが、いかんせん「凡愚」のある大正区に縁がなかった。仕事で近くまでいった時に‥と、ほっといたが、その機会に全く恵まれなかったのですね。それと、営業日が確か木、金、土、日だったか、その関係でチャンスは木と金しかなかったんだ、そうそう。で、大阪ドームだったか、なんだったか忘れたが、やっとチャンスがめぐってきたので、コピーした地図を頼りに探しました。大きな幹線道路から少し中へ入ったところに、星印があり、それを目印に行ったりきたり。初めての人には、多分(というかかなり)わかりにくい場所に、目指す「凡愚」は、ありました。
*明日のお蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産。えーうちの温かい蕎麦は、11月からです。あしからず。

表情豊かな蕎麦

2007年09月30日 14時41分56秒 | Weblog
あと、掲載されていた蕎麦の写真もインパクトが強かった。なんというか、これまで食べていた蕎麦は透明感のない黒っぽい、悪く言えばゴムのような‥(というかあまりいい蕎麦に巡り合ってなかった)どれも同じような蕎麦ばかり。けれど、「凡愚」の蕎麦は、透き通って透明感があり、中の粒粒も良くわかる‥一言で言い表すと自己主張した表情のある蕎麦でした。「これが昔ながらの石臼でひいた手挽きの蕎麦か、今まで食べた蕎麦と全然違う。食べたい」と強烈に思いましたね。この前取材にいらした「男の隠れ家」のライターの方も、「蕎麦の美味い不味いは、写真を見ただけである程度わかります。美味しい蕎麦はきれいです。輝いてツヤツヤしている」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思う。その「凡愚」の記事は、コピーしました。いつか必ず食べに行こうと思って‥。

全ては本から‥

2007年09月29日 20時23分36秒 | Weblog
そもそも、蕎麦屋に惹かれたきっかけは、ある雑誌の記事だった。以前の仕事の関係で、図書館などに調べものにいく機会が多かったのだが、そこで気晴らしのつもりで手に取った雑誌の記事が運命を変えましたね(少し誇張しすぎ)。柴田書店さんが年1回だしている「そば・うどん」という本で、大阪・大正区の「凡愚」の主人である真野さんのインタビューが載っていたのだが、今から思えば、この記事がすごく上手にまとめられていたのですよ。蕎麦は好きでよく食べていたものの、自宅で打つこと、まして打ってみたいとも思ったことはなかった。が、そんな自分もひきつける非常にいい記事でしたね。真野さんが蕎麦屋になったきっかけから始まり、「凡愚」の仕事内容、1日の流れなどを具体的に紹介、今でも手元に置き時々読み返すが、文章が上手く感心してしまう。改めて気付いたが、この記事のライターこそが、蕎麦屋への道標を示してくれたキーマンだったといえるだろう。
*えー、難波からだと近鉄で奈良駅に来てもらうのが1番わかりやすいです。5番出口を上がってすぐに、奈良女子大に向かう一方通行の細い道があるのですが、それを入っていただいて左手に紺色のテントのかかった店がうち。1分かかりません。それと、ホームページは今のところ作れません、あしからず。メニューですが、蕎麦は二八(735円)、十割(840円)、手挽き(1050円)の3種類、あと、ぶっかけでおろし(945円)、とろろ(945円)、つけ麺で鴨汁(1260円)、素あげ野菜の天ざる(1365円)などがあります。もちろん、お酒、一品も少ないですがご用意しています。

そば屋は儲からない

2007年09月27日 21時40分26秒 | Weblog
思うところあって、自分が蕎麦屋になるまでを振り返っておく。これまで通り、百夜月の現況にも触れる予定なので、時系列がごっちゃになる場合もあるが、その点は、ご勘弁を‥。さて、蕎麦屋を4年半ほどやってきた感想から言うと‥そば屋は儲からない。うちだけかもしれないが、お蔭様で開店来、地元の常連さんはじめ、お客様に支えられ順調に客数を伸ばしてきたつもりだが‥それでも、儲からない。よく、開業前に複数のお蕎麦屋さんから「蕎麦屋は儲からへんよ」「蕎麦屋になりたい?あんまりすすめないな」云々の類いの話は聞かされた。それでもその時は、「儲からんかったら、こんだけ増えるはずない。しかもみんな楽しそうやし」と思えたし、実際、会う蕎麦屋さん皆が生き生きして見えた。そこで、実際自分が蕎麦屋になって‥ふたを開けてみると‥儲かりません、見事に。実直にやっている蕎麦屋さんほどそうではなかろうか。うちにもたまに、蕎麦屋志望の若者がやってくるが、「蕎麦屋?儲からんよ」とつい同じせりふをくちばしってしまう(だって、ほんまのことやから)。それでも、蕎麦屋になって良かったと思う。儲からんのもほんまやけど、楽しいのも事実やから(次回は、蕎麦屋を目指すきっかけなどに触れたいと思います)。
*明日のお蕎麦=二八・十割=北海道・滝川産、手挽き=福島・会津産(新蕎麦は、北海道のみです)。このブログを見ていただいている編集者の方。文章を読んで「うちで使いたい」と思って下さった方。使ってください。一番にアポを取ってくれた方に全面的におまかせしますです、はい。

新蕎麦入荷!

2007年09月14日 22時38分35秒 | Weblog
お待たせしました。新蕎麦入荷!北海道沼田産です‥が、例年にもれず緑というか白っぽい蕎麦。北海道は、どうもこの傾向が強い。でも、香り、味は‥ゴメン、まだ試食してません。あまらなかったもので‥。今年も色んな産地の新蕎麦を打てることに感謝!