森本順子WEB個展
森本順子ウェブ個展開催にあたって森本順子は、家の中のことを書く。家の外のことを書く。そうして、心の中を少し開いてみせる。今彼女は障害を持つお子さんと、家の中で2人で暮らしています。以前は猫もいましたが、死んでしまいました。でも心の中ではまだ生きています。そしてたまに作品にも登場し、彼女を慰めてくれるのです。外出する時間は限られていて、息子さんの面倒を見るヘルパーさんがいる時だけ。その瞬間だけ、彼女は外に出て羽を伸ばすことが出来ます。そんな2人きりのささやかな生活の中で、なんだかもどかしいような、いたたまれない気持ちになることがあります。そんな時彼女は、筆をとって何か書きつけてみせるのです。世の中のことから、心の中身まで。悲しみはユーモアに、ユーモアは、心の中にしまってあった大切な思いの裏返しのように、それらは次々と言葉になって現れます。そうして出てくる彼女独特の言葉の数々は、私たちが日頃忘れていた何かを思い出させ、またはっと気づかせてくれるものばかりです。日常を生き生きと表した森本さんの小さな展覧会です。全国の森本順子ファンの方々、この1ヶ月の間、どうぞ温かい目で見守っていてください。山本尚志(書家・現代アーティスト・本展キュレーター)森本順子プロフィール1954年 大阪で生まれる1977年 書を習い始める2007年 ブログ「こんども人間やろか」で日々の生活の中から生まれた独自の書を掲載する2014年 独立後初めてとなる、「四人展」開催(大阪現代画廊)2015年『第7回 天作会展(井上有一に捧ぐ「書の解放」展)』に選出(三鷹市芸術文化センター・東京)2017年『書の未来展』(伊藤忠青山アートスクエア・東京)出展 『第8回 天作会展(井上有一に捧ぐ「書の解放」展)』に選出(三鷹市芸術文化センター・東京) 書籍『ミライショドウ』山本尚志 編 / 発行者 佐藤辰美 / 発売元 YKG Publishing2018年『ART SHODO TOKYO SPRING 2018』出展(三鷹市芸術文化センター・東京) 『ART SHODO TOKYO AUTUMN 2018』出展(三鷹市芸術文化センター・東京)2019年『ART SHODO FESTA 2019』出展(三鷹市芸術文化センター・東京) 『ART SHODO NEXT17』出展(三鷹市芸術文化センター・東京)ステートメント私は何を書いているのか?それは鈴虫の鳴き声が鳴いているにもかかわらず気にならない無音になりそれが身体に浸透するような書く行為。言葉は私の生きて来たもの。そのもの。言葉を発することのできない生き物たちが食指を伸ばすようにそれも私の身体に沁みていく。地球上のあらゆる声を発している。意味は無くてもいい有ってもいい肉体は借り物であり己の心だけが自由に宙を舞う誰にも縛られない自分の心が宙を飛ぶ宇宙の彼方までも届くようにそれは繋がるそんな筆先から宙まで私の心は繋がりかつ自由であり誰にも縛られることないかたちなんて無いもの誰にも私の気持ちは悟れないそんなものでいいそんなものを書いているのかも知れない