ラマンチャ平原を東西に貫く低い山稜を幾つか越え、スペインの田舎を走り、アンダルシアに抜ける今日は単調な日になるのだろうか?朝時間があるので宿前の公園に行くと、古くから自噴している泉からペットボトルに水を汲むおじさん発見。
公園をうろついていたら、MTB乗りが集まってきた。土曜日なのでジモティーがこれからダートに行くらしい。
宿から走りだし、町中のアップダウンを抜け郊、外に出ると、かっての町の主要産業である石炭採掘の痕跡があちらこちらに見える。これは火力発電所?それとも、蒸気機関車の貯炭、貯水施設?
あ、現役の石炭火力発電所と露天掘りの炭鉱も見えてきた。
今日もどんよりとした曇りで、日照が無いが、スペインとりわけ、アンダルシアとラマンチャは日照に恵まれていることでも有名。プエルトリャノにも太陽光パネルの工場があるらしいし、大規模な太陽光設備がちらほらと広がっている。
N-420は幹線道路(N=National)で交通量も多いので、脇にそれ、村の中を走るが人通りがない。
村を離れると、旧道の上に幹線が建設されたため、また幹線道路に合流せねばならない。
道路わきに頻繁に、カナダ?の注意標識、なにこれ? Nの上に〰マーク、カニャーダ、牧場ありの標識でした。でも車は100kmで飛ばしていて、牛とか出てきたらどうするの?
居ます、居ます、この辺りの主、羊や牛さんがのんびり草を食んでいる。
単調な平坦部をしばらく走ると、行く手の左に丘に登る道路が見えてきた。今走っている道路の倍の幅、脇に登坂車線のついた道だ。あの丘を越えていかねばならないらしい。
車が100kmで登れるよう斜度はそれほどではないのだが、長い坂をエッチラオッチラ登るしかない。
高度を稼ぐに従って植生が変わってきた。名前はわからないが白いむくげのような花が咲いている。
で、丘の上、本日の最高点850m地点に到達すると、その向こうにもう一つの山稜と不気味な黒い雲。
まあ、とりあえず、丘からの下りを楽しみますか。
小雨がパラつく中、うねうねとした丘陵地帯を少し登り、少し下りして、距離を稼いでいく。もう少し温かく、日差しがあれば最高なのだろうが。
昼食は道路から少し入ったところに、ローマ時代の遺跡公園のベンチがあったので、そこで。あまり人影もないが、自転車の駐輪設備もある。これでトイレがあれば満点なのだが。
事前の調査では浮かび上がってこなかった、ドン・キホーテの道という田舎道があり、ラマンチャ地方を縦横に走り抜ける路の整備計画が進んでいるようだ。ここもその一部らしい。
昼食後、ローマ時代の遺跡を見学。この辺りの領主とか代官とかの屋敷跡だろうか。円柱もローマ神殿の物と形は同じだが、ずいぶん低い。とは言え2000年前の遺跡なのだが、この程度の遺跡は五万とあるとのことで、あまり整備はされていない様子だ。
昼休み後、CM-4202(カスティリャ・ラマンチャ州道)からCM-4201にそれ、交通量ががくんと減った所で長い登り路に入る。私より年上の数名の方がアタック競争を始めたので、あまり離されないよう追尾して、第二の峠、Mochuelo峠に到着、後続を待つ。
一団が纏まって、さあ、ここでカスティリャ・ラマンチャ州ともお別れ、光り輝くアンダルシア州へ、と思って、下り始めたら、本格的に降ってきた。長い、楽しい下りのはずが、景色を楽しむ余裕もなく、雨で事故を起こさぬよう、慎重に下る。
トレカンポの村の外れで、もう一度集団を纏め直すため停車して振り返れば、牧場にチラホラとアマポーラが咲いている。多くは蕾のままであるが、あと2週間もすれば、野原一面が赤で染めつくされるのだろう。
当初トレカンポに宿を取る予定だったが、村のホテルは取れず、と言うか、泊まれるホテルがあるのかの小さな村。小雨も続くので隣町のポソブランコの二つ星、ホスタル・ノリエガに車載で向かった。
ポソブランコ(≒白い井戸)は農業の町。日差しが戻ってきたし、土曜日の今日が農業祭の最終日というので、歩いて会場に向かう。小さな町だが、大きな闘牛場があり、盛んに闘牛が開催されるとのこと。
農業祭は盛況。どこからこんなに人が出てきたのかと言う位の人だかり。競りにかける為、綺麗にされた羊たち。♪ドナドナドナ、ドーナ♪ されていくのだろうか。そんなことを気にする風もなく、藁を食べるのに夢中だ。
農業祭とは言え、人が集まる所あれば、色々なものが売られるのは世の常。私のCayoちゃんの後継モデルも2千ユーロほどで売られていました。
農業祭の会場には人が溢れていたのに、町中には人通りがない。良い雰囲気の田舎町なのだが。
で、今日走ったのはこんな所、75km、チョット物足りなかったかな?