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お江戸離婚ものがたり(ふつつかものでした)

2015年10月10日 | ★★★★☆
『 お江戸離婚ものがたり(ふつつかものでした) 』
高木 侃 (監修), 川嶋 すず (イラスト)

 
主婦の友インフォス情報社(主婦の友社) (発行)
A5判、ソフトカバー、160ページ
2015/02/28発行
ISBN-13 978-4-07-298123-8
NDC分類: 322.15

定価 :1,080円(税込み)


 内容(「TRC MARC」の商品解説より)
江戸時代の妻だって、不倫はするし、騙しもするし、夫が気に入らなければ家からだって飛び出します。そんな“ふつつかもの”だった妻たちの離婚ものがたりを漫画で描きます。江戸の離婚についての解説も掲載。

 内容(下記出版社の紹介ページより)
本書では、現存する離縁状を元に、江戸時代に本当にあった7つの離婚劇をマンガ化。


はじめに p.02
プロローグ「三くだり半に興味ある?」 p.03
目次 p.08
第一話 夢見がちお嬢様の結婚と、現実 p.09
(解説) p.26
 覚書その1 三くだり半ってなに? p.28
第二話 DV訴え離婚を求める、その真相は!? p.29
(解説) p.48
 覚書その2 縁切り寺ってどんなところ? p.50
第三話 大奥勤めの武家娘、初夜で離婚 p.51
(解説) p.68
 覚書その3 妻とやり直したいなら、三くだり半を書くべし p.70
第四話 男だって、駆け込みたい! p.71
(解説) p.90
 覚書その4 慰謝料は“別れよう”と言ったほうから p.92
第五話 娘の縁談を、許さぬ聞かぬで離婚でござる p.93
(解説) p.112
 覚書その5 妻が悪くても、我等勝手ニ付 p.114
第六話 私のために争って!と振り回される男たち p.115
(解説) p.132
 覚書その6 浮気は、江戸からある文化? p.134
第七話 あんたとは、身売りしてでも別れたい p.135
(解説) p.150
 覚書その7 江戸時代、バツイチはステータス!? p.152
エピローグ「幸せになりたいから」 p.153
あとがき p.158
主な参考文献 p.159
奥付け p.160


萌え本分類:コミック型。
ナビゲーター:高校2年生の愛川みく。日本史教師の徳田慶寺の2名。

カバー表紙:タイトルは縦書き。タイトルの字色は茶系、黒。花模様の背景に登場人物の集合イラスト。
中表紙: 水引の紋様を背景に、タイトル、著者名を記す。
折込ポスター:なし。
本文:本文は縦書きで一段、二段組み、覚書の部分では横書きの一段、二段組みが混在。
構成・設定:  全ページモノクロ印刷。全体はオムニバス形式の時代劇コミック7章7編とそれらを包括する現代劇のストーリーで構成され、「日本史担当の教師、徳田に憧れる愛川みく。徳田の興味を引くために、彼が研究してきた江戸時代の離婚証書「三くだり半」について彼に教えてもらうことに」という流れにそって進行する。オムニバスのストーリーコミックでは、「江戸時代の武家、町家における様々な離婚事情」が三くだり半を手がかりに再現されている。
 プロローグ・エピローグはそれぞれ、タイトルとコミック内のカットを拝した扉1頁とコミック4頁で構成。本文の7章はタイトルとあらすじ、主要登場人物のカットつき人物紹介を配した扉が1頁、16~18頁の本編コミック、見開きの解説2頁、「覚書-」とタイトルがついた補足解説1頁で構成される。解説部は、その章の元ネタとなった「三くだり半」の実物写真および活字化版、現代語訳。ナビゲーター2名のアイコンつき掛け合い形式の補足、徳田先生の語り形式での解説文などを配置。章末の「覚書」は1頁部のコラムで、江戸時代の離婚に関する諸事情を徳田先生が解説。ナビゲーター2名のちびキャライラストが附属する。エピローグでは愛川が先生に想いを告白してハッピーエンド。
 あとがきは2名で1頁分。参考文献は監修者の著書が多い。索引は附属しない。

評価:
萌え絵度:  カバーを含むイラスト担当は川嶋すずさん。2015年以降、単独名義で複数の単行本(およびKindle版)コミックを持つ。絵柄は女性マンガよりで萌え度は高くなく、ちびキャラの造形もこなれているとは言いがたい。
テーマ萌え度: 監修担当の高木侃さんは、近世の離婚(三下り半)研究で知られる法制史学者。解説部は包括的な内容かつ平易な文体を特徴とし、三くだり半の実物写真に現代語訳をそえる点など資料的にも充実。エピソードの選択も7編でバラエティに富んでおり、江戸時代の離婚事情が決して一方的・強圧的ではなかった(女性側も結構したたかに反応していた)ことを学べる。江戸の男女関係の参考書としても十分に読める良書。
 解説の主体はコミックであるが、全体の構成は萌え本の構成をかなり忠実になぞっているのが特徴。
萌え本的意義:  主婦の友社発行の萌え本は、知りうる範囲で初の萌え書籍。テーマが江戸時代の風俗・風習であるだけに類書はおそらく存在しない。


総合萌え度 :★★★★☆


紹介記事:

イラスト担当、川嶋すずさんのTwitter:
川嶋すず_7/16新刊発売 @suzu_k_emily  2015年1月22日づけ更新 より、  
https://twitter.com/suzu_k_emily/status/558294865759330305
 販促用POPのお写真を掲載。
「 POP作りました。久しぶりのコピック…。
都内5カ所に置かせていただく予定です。 」

2015年1月23日づけ更新 より、
https://twitter.com/suzu_k_emily/status/558430555453157376
「 本日、1月23日『お江戸 離婚(みくだりはん)ものがたり』(監修/高木侃先生)発売です!江戸時代の離婚状『三くだり半』を研究されてる高木侃先生に監修いただき、現存する離婚状を元に7つのお話を描かせていただきました。 」
 

主婦の友社紹介ページ
●登場するのは【私のために争って! と、男を振り回す妻】や【DV供述で夫を悪人にしようとする妻】、【離縁するために身を売ってまで手切れ金を用意した妻】、【夫の妾囲いにブチギレ、初夜前に離婚を求めた武家の妻】など。まさに「ふつつかもの」だった妻たちが7名、勢ぞろい。
●マンガの他に、コラムでは実際の離縁状などにスポットを当てて、当時の離婚事情を詳しく紹介する。
●結婚は人生の門出なのか、墓場なのか。江戸時代の夫婦たちが出した、その答えとは……。

主婦の友インフォス情報社紹介ページ
http://www.st-infos.co.jp/book_list/book_details/tabid/78/pdid/925/Default.aspx
 内容見本14頁分へのリンクあり。

 >同、プレスリリース:
PR TIMES
株式会社主婦の友インフォス情報社のプレスリリース  2015年1月20日づけ記事。
妻は夫を追い出し、家出も辞さない「ふつつかもの」であることを選んだ!江戸の妻たちの離婚劇をマンガ化!!
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000007785.html
「 コラムでは、後日談や江戸時代の離婚の“裏”事情について詳しく紹介している。江戸時代の離婚方法、慰謝料、初婚よりバツイチ以上の女がモテた話など、読めば驚くこと間違いなしの離婚雑学が盛りだくさん!
江戸の離婚状研究の第一人者であり、2015年5月16日に全国ロードショーの映画『駆込み女と駆込み男』(松竹配給)では縁切寺監修を担当した、高木侃氏が監修として全面協力。
現代にも通じる、三くだり半の世界。結婚は人生の【門出】なのか、【墓場】なのか……。江戸時代の夫婦が出したその答えとは? 」


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付記:
Amazon、honto、公式の発売日は01月23日、その他の発売日は02月との記載が主。


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