風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

エリザベス女王即位60周年

2012-06-06 01:06:29 | 日々の生活
 エリザベス二世(1926/4/21生まれ)は、マーガレット・サッチャー女史(1925/10/13生まれ)の半年後に生まれて、御年86歳、イギリス史上で最高齢の君主となられたのはかれこれ4年半前のことで、今なお記録更新中です。サッチャー女史は認知症になって表舞台に出ることはありませんが、エリザベス女王は英連邦王国16の女王・元首を兼務され、今も年間約430件もの公務をこなして多忙な活動を続けておられるとの由(産経新聞)、おめでたいことです。
 ロンドンの観光名所として知られる国会議事堂の大時計(愛称ビッグベン)がある塔が「エリザベス・タワー」と名付けられる見通しですが、それも、エリザベス女王の即位60年を記念してのことです。先月18日にウィンザー城で開催された午餐会には、約30ヶ国の王族・皇族が集い、天皇陛下は同じテーブルで隣の席に座ったのがちょっとした話題になりました。2月の心臓バイパス手術後、被災地を見舞われたことといい、今回の(皇太子時代を含めて過去7回も訪問された)イギリス訪問といい、天皇陛下の「強いご意向」があったことが漏れ伝わります。まさか政権与党の外交経験を憂えているわけではないでしょうし、口さがない人がアングロサクソンとうまく行かない時こそ日本は破滅の道を辿ると脅すことを真に受けておられるわけではないでしょうが、皇室外交を通じて、ユーラシア大陸の端に衰えてなお大英帝国の威光めでたきイギリスとの関係を大切にされ、常に日本の行く末に思いを馳せておられるであろう御心が有り難いと思います。
 思えば昭和天皇はイギリスにおける立憲君主制に学び、帰国後、和装をやめて洋服の生活に切り替えたり、食事もハムエッグにトーストあるいはオートミールといった英国流の生活を取り入れられたりされ、万世一系の皇統の中で敢えて一夫一婦制というリスクを持ち込まれたのもファミリーを大切にする英王室を見習ってのことだったと言われます。まさかGHQが、天皇家を兄弟に限定して皇統を先細りにするような悪意ある策を打つとは思いもよらなかったことでしょう。女性宮家創設の議論の淵源はまさにそこにあることを思うと、なんとも皮肉な日本の皇室とイギリス王室との関係ではあります。
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