ミリ屋哲の酷いインターネット

上まぁ特段語るような内容はないようだがコメント不可のブログ等に突っ込み入れたいが為のものである訳だろうか(苦笑

中央公論2005年1月号の片山さつき論文に対する反論

2005-01-04 06:06:02 | 軍事関係
片山さつき氏は、興味のある者にとっては周知の通り、財務省の防衛担当主計官である。
彼女の意見に対する賛否がネット上で飛び交っているが、今回は表題に記した論文(?)に対する
意見を述べたいと思う。
全文引用など到底不可能なので、論点となる部分をピックアップしながら記述したい。

>大規模侵攻の可能性が低下(P158下段~P159上段)
この時点で既に「ごまかし」が含まれている。大規模侵攻、本格的着上陸作戦の「蓋然性」(片山
氏は「可能性」と言っているが、あえて防衛庁の資料にそって「蓋然性」と表記)は、空から
突然降ってくる訳ではなく、国内外政治情勢や経済、更には彼我の兵力といったものによって
規定されるものである。
とすれば、当然「我の戦力低下」は蓋然性を上昇させる要素となる事は必然であり、更に「事が
起こる蓋然性」と「起こった後で、どれだけ早期に事態を収拾出来るか」とは全く別の問題である
という部分もある。もう少し砕いて言うと、「蓋然性を低いレベルに保てる戦力」≠「生起した
事態を速やかに終息させうる戦力」という事だ。
これらの考察もせずに「冷戦型の装備」だの「再編の対象」だの決めつけるのは乱暴すぎる論法
だろう。第一、その「冷戦型装備」とやらが現に世界各国の低脅威度紛争に使用されている事実
に全く目を向けていないのは非常に問題である。

>RMA
P158下段の「財政事情から防衛関係費が削減されることとなっても、決してそれは防衛能力の低下
に必然的にはつながらない。具体的に何を削って何を増強するかによるからだ」という一文と勘案
すると、氏の考えでは「防衛費削減、重装備も減らす、代わりにRMA化することによって能力を
向上させる」との考えらしいが、RMAの具体的な方策については「情報化が鍵」程度の認識で、
本当に「戦力を低下させずに住む程度の質を確保する方策」に何ら触れていない。
RMA化(本場アメリカでももはやRMAという言葉は死語と化しているようだが)にかかるコス
トが膨大(データリンクのインフラ、各車両あるいは個人携行の端末、更には各種の偵察機材)
であり、本気で「RMAで能力向上させ、防衛能力を低下させない」を実現させようとすれば
逆にコストがかさむかもしれない、という部分に全く思いをいたしていない。
米軍が初めてEメイルを使用したのがベトナム戦争時代。自衛隊は近年ようやくLANによる文書
送付をやるようになったばかりである。これだけバックボーンとなるインフラに違いがある米軍
すら、RMAによる兵力削減などという物が夢物語であるという現実に気づきつつある(イラクの
現状を見よ。)のに、米軍より遙かに情報化の遅れた自衛隊が真似をして、いったいどれだけの
実効性があるのか。RMAは魔法の呪文ではない。実効性ある施策を背後に兵力削減をしなければ
単なる空証文で国民を騙している事になる。

>司令部、方面、後方支援などだけで5万人程度張り付いているが、これらは、いわば
>行政的な要員であり(P159下段)
全く開いた口がふさがらない。これらこそ軍隊のバックボーンを支える「戦力の根幹」ではないか。
ただでさえ兵站能力に問題有りといわれている自衛隊で、これ以上後方部門を削るという考えが出る
時点で「素人の考えが国を滅ぼす」と言わざるを得ない。



ここまで書いて、さすがに頭痛くなってきたので続きはまた後ほど。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (xx)
2005-01-04 06:44:35
うお、不躾な希望を受け入れてくださってありがとうございます。

まああの文章を読んでれば頭痛が出るかとw
返信する
軍隊といえば (れんや)
2005-01-05 15:15:14
 戦車や戦闘機や軍艦のコトで、

 その背後の膨大な書類の山とそれを管理する人員の存在に思い至らない「素人」は少なくないですね・・・。



 さっちゃん、素人なの??。
返信する
素人っていうか・・・ (みりんじ)
2005-07-20 02:47:48
私も最近始めて内容を見ました。

電波ですな。

返信する

コメントを投稿