時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

イランでの反仏・反シャルリー運動について

2015-01-27 00:39:30 | リビア・ウクライナ・南米・中東
人質事件でそれどころではないのかもしれないが、
シャルリエブドに対するムスリム達の抗議運動についての報道が少ない。


そのような状況下で、イランにおいて全国的な抗議運動が活発化している。


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イラン全国で、預言者に対する冒涜への非難



イラン全国のさまざまな人々が、フランスの週刊紙シャルリエブドによる、
イスラムの預言者ムハンマドへの冒涜を非難しました。


IRIBによりますと、イランの人々は25日日曜、全国的な集会の中で、
アメリカに死を、シオニスト政権イスラエルに死を、フランスに死を
というスローガンを掲げ、預言者ムハンマドへの敬愛と、
シャルリエブドに対する彼らの怒りと不快感を表明しました。


イラン北部のマーザンダラーン州やゴレスターン州、
北西部のアルダビール州でも抗議集会が行われ、
シャルリエブドの侮辱行為が非難されました。


シャルリエブドの事務所へのテロ事件など、
パリで発生した一連のテロ事件により17名が死亡した後、
シャルリエブドは、表現の自由を口実として、
預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を掲載しました。


この侮辱行為は、イスラム諸国の反発を受けています。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/51
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イラン全国で、『預言者ムハンマドを敬愛する』集会が開催



イラン各地で、人々が、『預言者ムハンマドを敬愛する』集会を開催します。


24日土曜夜に開催されるこれらの集会では、
イスラムの聖典コーランの朗誦、イスラムの偉大な預言者
ムハンマドに敬意を払うための祈祷、預言者の人格に関する演説、
イスラム恐怖症という敵の悪しき陰謀を暴露することなどが行われます。


フランス週刊紙シャルリエブドは、
数名の死傷者を出した本社へのテロ攻撃のおよそ1週間後、
再度、預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を掲載しました。


この風刺画の掲載は、世界のイスラム教徒の反発を引き起こしました。


イランでも、人々は23日、金曜礼拝後、
シャルリエブドのこの侮辱行為を非難するデモを行いました。

イラン全国の人々は、イスラムの神聖を侮辱する者たちを支持する国、
特にアメリカやシオニスト政権イスラエルに対する嫌悪感を表明しました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/51565
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以前、紹介したが、これらムスリムの中には
フランス国旗を燃やし、自分たちの意思をアピールしている者もいる。


また、記事で指摘されているように、シャルリーのような
日本でいうところの産経やWAC、PHP、文春を英雄視する
フランスをはじめとした欧米諸国の態度にも抗議がされている。



(http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C%AC%
E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83
%83%E3%82%AF/item/51624-%E3%82%A4%E3%82%B9
%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E9%A0%90%E8%A8
%80%E8%80%85%E5%86%92%E6%B6%9C%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%9D%9E%E9%9B%A3)


つまり、一連の運動は、単純な宗教的デモではなくて、
中東・中央アジアを征服、侵略している欧米諸国にむけての政治的抵抗運動でもある

そのへんが、どうも無視されているような気がしてならない。

イランラジオのシャーイブラヒーム解説員は次のように語っている。


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イラン全国の要人、機関、神学校、労働組合などが、
フランスの週刊紙シャルリーエブドによる
イスラムの預言者ムハンマドを侮辱する風刺画の掲載を非難しました。



「ムハンマドを敬愛する」をスローガンにした壮大な集会が、
25日日曜、首都テヘラン、ホラーサーンラザヴィー、西アーザルバイジャーンなど、
イラン全国にある宗教施設やジャーメモスクで開催されました。


この集会では、集団礼拝、聖典コーランの朗誦、
イスラムの偉大なる預言者ムハンマドの人格や
イスラム恐怖症を広めるための敵の陰謀に関する演説が行われました。


イラン全国イスラム革命勝利36周年記念行事主催本部の関係者は、
25日、年次総会の終わりに声明を発表し、
預言者への冒涜は、西側の政治家がなす術を失った結果だとしました。


世界中の人々、独立した立場を取る政治家、宗教機関も、
シャルリーエブドによる預言者の風刺画掲載を非難しました。


シオニスト政権イスラエルのリーベルマン外務大臣が、
イスラエル・被占領地パレスチナで
この新聞の最新号を広く出版しようとしたことは、
パレスチナの抵抗グループから非難されています。



数千人のパレスチナ人は、ガザ地区やヨルダン川西岸の各地で、
イスラム排斥の動きを非難し、デモを行いました。


中央アジアでも、カザフスタンなどで、
人々や宗教界の要人が、シャルリーエブドの行動に反発しました。


カザフスタンのイスラム聖職者協会は、声明の中で、
「神の宗教の神聖や人々の宗教的な信条に対する冒涜は容認されない」と発表しています。


トルコのクルド人数万人も、
シャルリーエブドの風刺画掲載に抗議し、ディヤルバクルでデモを行いました。


パキスタンでも、首都イスラマバードやペシャワルなど、
各地で数千人が風刺が掲載に抗議するデモを行いました。


アフリカでも、ナイジェリア、コートジボワール、
モロッコ、セネガルなどの国で、同様のデモが行われています。



アジアでも、オーストラリアのシドニーで集会が開かれた他、
マレーシアの人々も、クアラルンプールにあるフランス大使館前で抗議集会を開きました。



フランスの週刊紙シャルリーエブドは、パリの事務所が攻撃され、
12人の死者を出した後、表現の自由を口実に、西側政府の支援を受け、
再び、イスラムの預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を掲載しました。


この行為はイスラム諸国の反発に直面しています。

http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C
%AC%E6%97%A5%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%9
4%E3%83%83%E3%82%AF/item/51624-%E3%82%A
4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E
9%A0%90%E8%A8%80%E8%80%85%E5%86%92%E6%B
6%9C%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%9D%9E%E9%9B%A3

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これらはテロとは違う非暴力運動であり、決して無視してはならないはずだ。


しかも、シャルリーエブドがイスラエルのパレスチナ占領を
正当化させるプロパガンダとして利用されている
のだ。無視して良いはずがない。


ところが、どうも中東研究者を含め、日本ではこの件に関する言及が弱い。

「シャルリーエブドなど、イスラエルがパレスチナ占領を正当化するのに
 好都合な雑誌である時点で、その本質はお察しだ」


こういうコメントをした日本の中東研究者を寡聞にして私は知らない。


今月、イスラム国に関する書籍が複数出版されたが、
一通り目を通しても、どうも腑に落ちない点が多い。


この点については別記事で詳しく言及するつもりだが、日本では研究者を含めて、
どうもムスリム側の怒りをダイレクトに伝えようとする姿勢がないように感じられる。

文化的問題だけでなく政治的問題であるという本質的な部分から
目がそらされているような気がするのである。


イランラジオやリビア360°のような中東・アフリカ視点のニュースサイトを
読むと、そのことを強く感じる。肝心のことが言及されていないと思う。


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