時事解説「ディストピア」

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平和の使者オバマ、ベトナムとの友好の証として武器輸出を決める

2016-05-24 00:38:49 | 軍拡
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オバマ米大統領は、米当局がベトナムへの殺傷兵器禁輸措置の解除を決めたと発表した。


オバマ大統領は、ベトナムの首都ハノイで行われたクアン国家主席との共同記者会見で、
「私も、約50年にわたって効力を持っていたベトナムへの武器売却禁止を
 米国が完全に解除したことを発表することができる」と述べた。

米国は1965年から1973年までベトナム戦争に積極的に参加した。
同戦争は米国が支援する南ベトナムの惨敗で1975年に終結した。

近年、米国とベトナムの関係は安定した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20160523/2181667.html

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新宿でオバマ来日に反対するデモが開かれたらしい。


謝罪を行わない、要求しない日本政府および広島市の姿勢は、
オバマの形式的な反省は日米軍事同盟強化のネタでしかないことを如実に示すものだ。

その裏側で何をしているのかといえば、
友好の証としてベトナム軍に兵器を売ってやろうというもの。
もちろん、これは南シナ海や東シナ海周辺において中国をけん制するために使われる。


ベトナムではいまだに地雷が撤去しきれず、その犠牲者は絶えることがないわけだが、
彼らの声を圧殺して簡単に軍事的友好関係を築いてしまうあたり、何ともはや凄い国である。


上の記事が述べている通り、ベトナム戦争時、アメリカは南ベトナムを爆撃し、
無辜な村民を虐殺していたわけだが、これに加担していたのは他ならぬ南ベトナムの政府だった。


ベトナム戦争後、同国はベトナム共産党が統治する国家へと生まれ変わったが、
それでも当時、アメリカに追従し、同族を迫害していた連中が全て罰せらることはなかった。

言うなれば、親米という派閥がしぶとく残っており、
彼らが冷戦後、息を吹き返して覇権を握りつつあるのが今のベトナムではないだろうか。


そう思うぐらい、今のベトナムは過去の敵と簡単に結託して中国に対抗しようとしている。
中国の脅威を口実に軍拡へと邁進する。かつての敵国に謝罪を求めず傀儡に成り下がる。

あたかもベトナム政府は日本政府の双子の兄弟のようだ。


フィリピンでも、アメリカとの軍事同盟を国の裏切りとして糾弾する声があるが、
これまたフィリピン政府に黙殺され、まるでそんな声がなかったかのようにされている。


韓国でもまたしかり。沖縄もまた。


これらから感じるのは、アメリカの事実上の旧植民地(日本、フィリピン、韓国、ベトナム)が
冷戦終結後、再び傀儡国家として、つまり事実上の属国として働かされているという事実だ。


アメリカは建前では所有する植民地はフィリピンのみとしていたが、実際には
ハワイをはじめとする太平洋の島々やベトナム、韓国、日本などの諸国家を間接的に統治していた。


現地の有力者を懐柔し、彼らと友好的な関係を結ぶことで自らの存在を増していく。
ゆえに、沖縄の基地問題をみればわかるように、本来なら共に団結して基地駐屯に反対すべき
自国の政治家や評論家がアメリカの権力者と結託して、同族を非難、攻撃するような事態が生まれている。


これに対抗するには、各国の反権力者たちが国の枠を超えて一致団結することが
必要になってくると思うのだが、残念ながら言葉の問題もあり、なかなか上手くいかない。


というより、沖縄の反対運動を見ていると、
沖縄の問題はフィリピンやベトナムの問題でもあり、アジアの人間が団結してアメリカや日本、
各国の権力者と戦っていかなくてはいけないといった決意や気概といったものを全く感じない。


こういうナショナリズム的な運動がどこまで友好的なのかすこぶる疑問に思うのは私だけだろうか。


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