時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

キム・ジョンウンの元恋人、公開処刑されていなかった!

2014-05-19 22:28:32 | 北朝鮮
去年の8月末から9月にかけて、キム・ジョンウン第1書記の元恋人でもある
牡丹峰楽団の玄松月団長が公開処刑されたとのニュースを朝日と産経が流しました。




普通に生きていたようです。



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朝鮮の牡丹峰楽団のヒョン・ソンウォル団長が
第9回全国芸術人大会(16~17日)で討論をした。


昨年、日本と南朝鮮のメディアが「公開処刑された」などと報じた人物だ。

しかし、実際には、楽団創設以来2年間、
「金正恩第1書記の直接的な指導を受けた歴史の瞬間瞬間を
自分の目で見て体験した」ことが本人の発言から明らかになった。


日本や南朝鮮では昨年、朝鮮の芸術団体に関する謀略記事が流れた。
「脱北した高位幹部」の話に尾びれ背びれがつけられた。

しかし、伝えられた「事件」の発生は8月、報道は9月。
わずか一カ月の間の「脱北者」は限られる。
公安当局の斡旋なくして接触できない。取材したのかさえも疑わしい。

http://chosonsinbo.com/jp/2014/05/il-277/
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ポルノ作品に出演した罪で公開処刑されたと言われていましたが、
真っ赤な嘘だったんですね。なお、朝日と産経は訂正記事を書いていません



私は以前から、朝日を右翼と大して変わらないと批判していましたが、
産経と一緒になって、誤報を流したというのがポイントですよね。


朝日も産経もレベルとしては同じだということです。
ウクライナや中国の記事を見ていると特にそう思う。


ところで、この記事の元になっている朝鮮日報ですが、
こういう文章(今となっては創作とわかっていますが)を載せていました。


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公開処刑は銀河水管弦楽団や旺載山軽音楽団、
牡丹峰楽団などの団員や死刑囚の家族が見ている前で、機関銃によって行われた。
家族は全員が政治犯収容所に送られた。


処刑方法は、4つの銃身を備えた機関銃や火炎放射器を使うなど残酷なもので、
処刑されたメンバーには妊婦も含まれていたという。

《中略》中国に滞在中の北朝鮮関係者は、RFAのインタビューに対し、
銀河水管弦楽団、旺載山音楽団の音楽家9人が機関銃の乱射や
火炎放射器によって処刑されたと証言した。

それによると、銀河水管弦楽団のトップ歌手である
キム・ギョンホ、ムン・ギョンジンの両氏やサクソフォン奏者ら
計9人が射撃場に連行され、簡単な手続きだけで、
上訴期間を与えられずに即決処刑されたという。

同関係者は「連行された音楽家の中には、妊婦がいたが、
構うことなく処刑した。機関銃の乱射後は、原形をとどめない
遺体を火炎放射器で灰にした。人権じゅうりんの極致だった」と話した。

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よくもまぁ、こんな創作を載せられるものだと感心しますが、
こういう新聞を鵜呑みにしているのが日本のメディアなんですよ。


ただし、誤解のないように書きますが、日本だけでなく、
欧米や中国、ロシアのメディアも同様のことを行っています。


それだけ私たちが目にする北朝鮮の情報はいい加減だということです。

なお、この処刑は北朝鮮は、故意に悪いイメージを植え付ける
悪質な報道だと非難していましたが、もちろんスルーされました。


代わりに誰なのかよくわからない関係者の言葉が信用されるわけです。

下のURLは、ベネズエラの反政府組織が意図的に流した偽写真を
解析しています。北朝鮮に限らず、先進国に逆らう国に対しては、
こういうプロパガンダがありふれています。

悲しいことに、新聞やテレビ局のような真っ先に、
この手のデマを批判しなければならない組織が片棒を担いでいるんですよね。
ひどい話です。

http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/Deception_of_the_Anti-Government_Protests_in_Venezuela.html


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