随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~英語は誰のもの?

2005-03-31 23:03:13 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「英語は誰のもの?~発音や文法を無視さいた『方言』が増殖中」ということで、背景として、現在は「英語を母国語とする人(ネイティブスピーカー)」よりも「外国語として英語を話す人」の方が圧倒的に多くなっているということがあります。過去にはこのようなことはなかったそうで、世界が初めて経験する事態になりました。当然のように、それぞれの国の母国語と英語がミックスされた「独特の英語」をしゃべるようになります。「日本語+英語」の「ジャパングリッシュ」だけでなく「イングログ(タガログ語+英語)」や「ヒングリッシュ(ヒンディー語+英語)」などが誕生し、氾濫しています。

NEWSWEEKの論調としても、英語の重要性はこれからも増していきますが、世界中の人が正統的イギリス英語の発音や文法にこだわる必要はないという考え方が広まっている、としています。「近頃の日本語は乱れている」という嘆きこそ、日本語が生きている証拠だと言えるように、英語も生きた言語として、世界中に広がっていく中で、発音や文法もより「ブロークン」になっていくのではないかと思います。

英文法といえば、悪名高き「shallとwillの違い」や「thatとwhichの違い」あるいは「数えられる名詞と数えられない名詞」などがなければ、そんなことは気にしなくてもすむのなら、どれだけ英語の敷居が低くなることでしょう。そして日常の会話や文章程度ならコミュニケーションに問題がなければ、どんどん簡略化していって欲しいと思います。同じく発音も、日本人がイギリス人のようにLとRを区別して発音するのはあきらめて、LaもRaも「ラ」でいいのではないかと思います。
スペリングでも、かの有名な「rough、through、though、lough」など、直感的・本能的に発音できないスペリングはやめて、「ruff、thru、thoh、luff」くらいにしてほしいと思います。アルファベットは「表音文字」といわれていますが、前記の「ough」は、ちっとも「表音」じゃないので、なんとかしてほしいです。

ふざけたことばかり書いているようですが、英語にもこのような「簡略化」は何度も起こっています。今のドイツ語は、定冠詞だけでも6つの格変化「der、die、das、dem、den、des」があるのに対し、英語はたった一つの「the」で済ませています。昔は英語もドイツ語のような「格変化」があったのではないかと思います。きっと6つもの格変化をつけるのがめんどくさくて、すべて「der」だけで発音しているうちに、格変化などなくても問題がないことがわかり、「der」が「the」に変化したのではないでしょうか。(これはほとんど冗談ですが。)

今後、「英語」は「ヒングリッシュ」や「ジャパングリッシュ」などの世界中の「ミックス英語」との融合・変化を続け、やがてアメリカ人やイギリス人が、必死になって「英語」を勉強しなければならない世の中がくるのではないかと想像しています。また日本でビジネスをしたい人は「ジャパングリッシュ」を勉強し、インドへ行きたい人は「ヒングリッシュ」を勉強するようになるかもしれません。ただイギリス人が日本語を学ぶより、日本人がヒンディー語を学ぶより、よほど簡単に意志疎通ができそうな気がします。どうも英語にコンプレックスを抱いたのですが、この記事を読んで、やや気分が楽になりました。

「列島縦断鉄道乗りつくしの旅」と宮脇俊三さんについて

2005-03-30 23:58:27 | 読書談義

NHKでかつて放送していた「最長片道切符の旅」が好評だったからでしょう、今度は「列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破」が放送されているようです。鉄道ファンとしては、このような番組が放送されるのはうれしいのですが、これは「鉄道」というものが、「輸送」や「ロジスティクス」のためのツールではなく、「観光」や「エンターテイメント」のツールに完全に移行しているような気がします。第一、世界各国に鉄道はありますが、多くの国では鉄道は「軍事施設」であり、車窓や駅・施設の写真撮影が禁止されています。このような国では「鉄道ファン」などという人種はいないでしょうし、お茶の間に鉄道旅行記がTV放映されることもないでしょう。日本も戦前は、やはり「軍事施設」であり、海上からの艦砲射撃による鉄道の破壊を防ぐため、わざわざ海岸から離れた山奥に鉄道を敷設したりしています。

鉄道乗りつくし、といえば、やはり紀行作家・宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」が印象に残っています。昭和53年(1978年)にこの著書が出版された当時、JR(当時国鉄)の営業総距離は20,795kmあまりでした。あれからかなりの路線が廃止されている現在、本当に「JR20000km」なのか、大いに疑問ですが・・・。「時刻表2万キロ」では、宮脇俊三さんが、文字通りの2万キロを走破した記録ですが、この本では、営業総距離の90%を越えた時点からスタートしています。未乗の距離からいえば残り10%ですが、終点まで一駅分とか、二駅分を乗り残したような、「未乗区間」が全国各地(特に隅の方)にばらまかれている状態ですので、わずか数キロの未乗区間を走破するために、東京から1000キロあまり、ブルートレインに乗ったりしています。また、「未乗」の線区も「神岡線」「富山港線」「赤坂線」「尼崎港線」などという、地元の方も知らないのではないかと思うマイナーな路線ばかりを、丹念に乗りつぶしています。もちろん、「温泉」や「観光地」、「名物料理」等はほとんど出てきません。

そんな地味な「旅行記」が結構おもしろいのは、著者の独特の文体や視点もありますが、何より、いい歳をした大人が子どもっぽいことに真面目に取り組んでいるところにあるのかと思います。本書の第1章では、「富山港線」8.0kmを乗るために、東京からわざわざ富山まで来ながら、電車に乗り間違え(自他共に認める鉄道・時刻表マニアなのに!)て予定の電車に乗れなくなり、追いつくためにタクシーを飛ばしたものの、やはり間に合わず、「富山港線」の終点から一駅分、1.1kmあまりを乗り残したりしています。そして第11章で、東京→徳島→富山というルートで乗り残した1.1kmを走破したりしているのですが、このあたりになると、ある種の壮絶さを感じてしまいます。

結局、乗りつくしの最後は、「足尾線(現:わたらせ渓谷鉄道)」の足尾→間藤間1.3kmとなります。記念すべき乗りつくしの瞬間は、最果ての北海道とか、山奥の秘湯とか、もう少し旅情溢れる区間にすればいいのに、関東地区の、悪名高き「足尾銅山」の路線、というのが、この著作全体を象徴しているような気がします。わずか一駅、1.3kmということで、さしたる感慨が湧くひまもなく、全線乗りつくしが完了するあたり、いかにも「宮脇さんらしさ」を感じます。以降、「インド鉄道紀行」や「シベリア鉄道9400キロ」、「古代史紀行」など、国内・海外を問わず、さまざまな鉄道に乗りまくり、著作を出版し続けますが、やはり宮脇さんの原点は「時刻表2万キロ」にあるのではないかと思います。

新潟出張

2005-03-28 22:01:17 | 仕事・ひと

今日は、当社の取引先の「事務標準化に関わる取引先説明会」に参加するため、新潟市へ出張しました。長野県と新潟県は隣同士ですが、松本市から新潟市までは結構遠く、高速道路を使っても3時間以上かかります。朝6:30過ぎに松本を出て、長野自動車道→上信越道→北陸自動車道で9:30過ぎに新潟着。説明会は10:00から始まりました。

説明の内容としては、
(1)各県毎の組織を統合して全国組織となったのにも関わらず、購買システム等のシステムは従来の各県毎に独立して運用されていた。
(2)来年の4月を目標に購買システム等のシステムを全国的に統合する。
(3)受発注を電子データでやりとりしている企業については、システム統合に伴い、データフォーマットが変更となる。(企業側のシステム改修が必要になる)
(4)統合に伴い、Webで受発注ができるようにするので、参加して欲しい。
とのこと。当社は、このITの世の中で、相変わらず手書き伝票で取り引きしているため、これらの説明についてはあまり関係がありません。しかし、Web受発注については、多少興味が湧きました。ただ、新潟県の組織と長野県の組織は結局異なる伝票を使用するということで、双方と取引のある当社にとっては、「標準化」にもあまりメリットがなさそうです。地域のアイデンティティや地方分権というのは、まことに結構なのですが、基本的なシステムは統合してほしいと思っています。しかし、当社としてはどうしようか。このまま手書き伝票を続けるべきか・・・

説明会は午前中で終わり、新潟からは、都合により電車で帰りました。これまた上越新幹線→長野新幹線→篠ノ井線とN字型のルートで、二本の新幹線を使っても、乗り継ぎ時間などがあって、結局4時間以上かかりました。こうなると旅行気分が少し出てきます。さっそっく駅弁を買って乗り込みました。駅弁は「鮭の焼漬弁当」。包装紙に「郷土料理」とあったので、思わず購入しました。コロッケと厚焼きの卵焼きなどが入った幕の内ですが、焼いてから醤油ダレにつけ込んだと思われる鮭はなかなかの味でした。弁当を食べ終わると、今朝の早起きが祟って少しうとうと・・・。春休み中のためか、旅行客で電車は結構混んでいました。3月末にも関わらず、中越地方は雪がかなり積もっており、道路脇は雪が防音壁のように盛り上がっていました。高崎で40分近く待って、長野新幹線に乗り換え。長野県民のくせに、長野新幹線は初めて乗りました。長野からは、篠ノ井線の快速電車に乗って、松本着は16:23分。やはり新潟は遠かった・・・

ギャング・オブ・ニューヨークについて

2005-03-27 22:53:13 | 映画・ドラマ

ギャング・オブ・ニューヨーク」をTVで放映していたので、録画して見ました。レオナルド・ディカプリオとキャメロン・ディアスのキャストでアカデミー賞ノミネート作品とのこと。ギャングと言っても、「ゴッド・ファーザー」や「アンタッチャブル」のころのギャングではなく、それよりも80年近く昔、1840~60年頃のギャングたちの物語です。

この時代は、ちょうどアイルランドで「大飢饉」が発生し、アイルランドの住民900万人程度のうち、100万人が餓死し、150万人がアメリカへ移住(というより逃げ出した)したと言われる時代です。毎日のように大量の移民が押し寄せたことでしょう。受け入れる側のアメリカでも、多くの悲劇や混乱があったに違いありません。しかし、またこの時代は「ゴールドラッシュ」の時代でもありました。キャメロン・ディアス演じるジェニーが、サンフランシスコへ行こうとしていたように、西へ向かえば、人生をやり直せる、と思えた時代でした。最後は南北戦争と重なっています。

ゴールドラッシュと南北戦争の時代という認識しかなかったのですが、アイルランドからの移民組とネイティブ組(少し昔はやはり移民だったのでしょうが)の抗争は歴史的な事実であったそうです。うーん。知らなかった。映画は、移民組のリーダー、ヴァロン神父が敵であるネイティブ組のリーダー、ビル・ザ・ブッチャーに殺され、神父の幼い息子アムステルダムが復讐に立ち上がる、というストーリーとなっています。所詮はニューヨークの数ブロック程度の支配権を争うギャングたちの抗争をメインに描いているため、大きな時代の流れというよりは、混乱の時代を懸命に生き抜く、末端の庶民や移民の暮らしぶりが中心になっています。また、抗争といっても、映画の「ゴッド・ファーザー」のギャングがピストルを振り回したのと違い、ナイフ、斧、棍棒を武器に戦っています。そんな時代とはいえ、ある程度のルールがあったのでしょう、ピストルなどは使わず、リーダーが殺された時点で、「戦争」は終わりになっています。恋愛あり、残虐シーンあり、当時の庶民のエンターテイメントのシーンがあり、さまざまな困難があって、アムステルダムとビル・ザ・ブッチャーとの最後の戦いが始まります。同時に発生したニューヨークの暴動も頂点に達します。そして・・・・

ラストシーンで、主人公に「俺たちのことなど、誰も知ることはない」と言わせています。なるほど歴史上では、ニューヨークで暴動が発生し、軍隊により鎮圧された、という小さな事件にすぎません。しかし、主人公にとっては自分と恋人以外は、全て死んでしまった以上、復讐も、戦うべき敵も、守るべき味方もなくなってしまったということでしょう。そして、南北戦争が終結し、アメリカ合衆国が再統一され、混乱や無秩序の時代からいよいよ産業革命の時代に移っていきます。そして最後に、エンディングテーマとともに、主人公の父と、そして宿敵であったビルの墓の背景として、移り変わるニューヨークの姿が映し出されます。産業革命の時代(煙が立ち上る工場群)、資本主義・帝国主義の時代(エンパイヤ・ステートビルと摩天楼)、そしてパックス・アメリカーナの時代(世界貿易センタービルが・・・・・そして今は?)。

信州・松本のハンバーグ屋さん

2005-03-26 23:31:43 | 信州・松本

今日は休日ですが、資料を取りに会社へ。電話が鳴ったので思わず取る。電話に出ておきながら、「すいません、今日は会社休みです」などとしどろもどろの対応をする。怪しまれなかっただろうか。すぐに会社を出ようとするが、直後に電話が鳴る。今の人がかけ直したのだったら、電話に出ないとますます怪しまれるので電話を取る。やっと会社を出て、伊勢町通りにある行きつけの美容院へ。髪を切ってもらっていると、なぜか気持ちよくて、思わず寝てしまいます。目が覚めるとさっぱりしていて、髪の毛を流してもらったあと、マッサージをしてくれます。これで椅子がマッサージチェアで、フットバスつきだったら、もっと頻繁に通うのですが。計ったように1.5ヶ月周期で美容院に行き、毎回割引券をもらうのですが、有効期限が1ヶ月ちょっとのため、毎回利用できず。有効期限、もう少しのばしてもらえないでしょうか・・・

美容院を出て伊勢町→本町→中町と歩く。そして女鳥羽川沿いの手作りハンバーグの店「ばくばく亭」へ。カウンター10席だけの小さな店ですが、落ち着いた、家庭的な雰囲気の店です。メニューを見ると「ばく辛カレー」の文字が。ハンバーグも好きですが、カレー(特に辛いカレー)も好きなので、迷わず「メキシカンハンバーグばく辛カレーかけライス」を注文しました。コラーゲンたっぷりの濃厚なコンソメとサラダ、そして、たっぷりのデミグラソースがジュウジュウと音を立てたハンバーグが出てきました。仕上げに火のついたブランデーをかけると、ハンバーグに炎が立ちのぼりました。うーん、すごい。さすがメキシカン?!。濃厚なデミグラソースとブランデー、肉の味の濃いハンバーグ、と大人の味でした。また、ばく辛カレーかけライスは辛いこと!これまた大人の味。ボリュームもあって、大いに気に入りました。次に来たときは、この店の名物、「チーズオーブン焼きハンバーグ」を食べよう。

今週のNEWSWEEK日本版より~ブログの破壊力ほか

2005-03-24 22:58:46 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「世界の流行大予測」と題しています。印象に残った記事としては「報道を変えるブログの破壊力」とスペシャルレポートの「世界を魅了する最新ヒット商品」の2つがあります。

「報道を変えるブログの破壊力」では、この「ブログ」が新聞やテレビを脅かすメディアになりはじめた、とまとめています。背景としては、テレビ、新聞などの既存メディアの最大の問題は「偏向報道」と考えているところにあるようです。私もニュースや新聞などを見て感じることは、いずれも「公共性」「中立性」「不偏不党」を謳っていますが、果たして「中立」「不偏不党」などという報道はできるのだろうかと疑問に思っています。偏らないで真実を報道するなどというのは、神様にしかできないこと、人間が取材し、編集し、報道するのであれば「偏り」があるのは当然のことではないのか?それよりは、「わがTVチャンネルは(わが新聞は)○○の立場に立って報道します」といったほうが正々堂々としているような気がするのですが。そして様々な「立場」の記事を見比べていくと、その中間あたりに「真実」があるのではないかという気がします。

それはともかく、「ブログ」については、まさに草の根のジャーナリズムであり、意見も立場も「十人十色」、そしてあらゆる分野の専門家も素人もいるわけですから、その情報量はたいしたものになるに違いありません。また、受け手の我々が欲しい情報も十人十色のはず。私もIT関連の情報は、TV番組や一般紙よりも、専門誌や専門家の記事を読みたいと思いますし、政治や哲学(など、あまり興味の湧かない分野)はその逆です。レストランや観光地は「素人の口コミ」ですし、ミステリーなどは「オタク」の意見を聞きたくなります。自分の好みにあった情報を得るためには、まず質より「全体としての量」が必要ですし、検索のセンスも必要になってきます。日本のブログは参加者数から言ってもまだまだ発展途上のようですが、これからどのようなパワーを発揮するか、期待しています。

もうひとつの記事は「世界を魅了する最新ヒット商品」ですが、各国のヒット商品の予測・紹介をしています。アメリカでは、あまり出かけず、マイホームに最先端家電やハイテク製品・家具などを揃えて「巣ごもり」する傾向にあるようです。そこでヒット商品は「冷凍庫機能付きレンジ」(笑)昼間は冷凍して、深夜に帰宅するとそのままチン!だそうです。また、韓国では健康志向が高まり、抹茶を振り掛けた「緑茶焼き肉」だとか。韓国の人は痩せてる人が多くて、あまり健康に気を遣わなくても良いような気がするのですが。そのほか、ポーランドの「懐かしい共産主義」。これはアルミの食器・ラードのスープなど共産主義時代を再現した食堂がはやっているとか。まじめな予測なのか、ふざけているのかわからないような様々なグッズやサービスが紹介されています。しかし、国によって価値観がこうも違うかと思うとおもしろいです。私個人としては、買いたい!と思うものはなかったです・・・

2004松本ネット塾・松本e-商人塾の最終講義

2005-03-22 23:25:20 | 仕事・ひと

松本商工会議所が主催する「松本ネット塾」「松本e-商人塾」の最終講義に参加しました。去年の八月から、「売れるサイト作り」を目指して松本ネット塾に参加し、勉強してきましたが、とうとう最終講義となりました。テーマは「個人情報保護法」。

個人情報を取り扱うサイト運営者としては、来月から本格的に施行される個人情報保護法については関心がありました。この法律は、2003年5月に成立したものですが、当初は行政機関が法律の対象でした。しかし、来月から「5000人以上の個人情報を保有する民間事業者」にも適用が拡大されることとなりました。ま、「cookieの情報」も「個人情報」と言われてしまえば、Webショッピングサイトなど、ネットビジネスをやる事業者は全て該当してしまうことになります。4月以降、どのようになるのか想像がつきませんが、とにかく「違反者になるな」というのは確かでしょう。近頃の個人情報流出などの報道を見ると、企業にとって、その法律違反の刑事罰より、損害賠償や社会的信用の失墜の方が影響が大きいのでしょう。個人情報漏洩に関わる、最初の判例では、個人情報漏洩の賠償額が一人あたり1.5万円とのこと。470万人の顧客情報が流失した事件がありましたが、あれだと、470万×1.5万で・・・・いくら?!

個人情報の漏洩における損害賠償のリスクに関する評価イメージも掲載されていました。損害賠償額は「漏洩した情報の機密度の高さ」と「二次被害などの流出ダメージ」のマトリックスで算定されています。たとえば、「機密度・低」「流出ダメージ・小」の場合は前記の1.5万円程度ですが、年収、クレジットカード番号、携帯電話番号など、「機密度・中」の情報が漏洩し、悪用の可能性が高い「流出ダメージ・中」の場合は5~10万円になるそうです。先ほどの「470万人の顧客情報」の件はこのマトリックスに評価されており、すると470万×10万で・・・・最も機密度が高い情報は「思想・信条・多重債務・病歴など」で、二次・三次被害を与える「流出ダメージ・大」の場合、最高で一件1000万円に評価される可能性もあるようです。

情報漏洩が起こる要因としては、多い順に、Web(ホームページなど)、メール、紙(シュレッダー忘れ)、フロッピー、PC本体、だそうで、ゴミ箱や裏紙から、個人情報が流出するケースが多いようです。また、PCの盗難や廃棄時にデータが盗まれることもあります。さらに、外部からのハッカーの侵入もありますが、社員や派遣社員、外注先などから漏洩することもあり、まさに油断も隙もないといった感じです。個人情報を取り扱うことは大変な世の中になってきました。しかし、会社なりに個人情報を保護するための社内体制の整備が必要であることは理解できました。

最後に、次年度の松本商工会議所の事業として、「松本ネット塾」「松本e-商人塾」のポータルサイトの構築について説明がありました。私の会社も、自社ホームページや商品を宣伝するため、「銀行系のポータルサイト」を活用していますが、銀行や公的機関が主催するポータルサイトのように、「オーソライズされており、かつ、気軽にサイトの宣伝や交流ができる場」が増えるのは、サイト運営者にしても、消費者にしてもメリットが大きいのではないかと思います。

映画「グラディエーター」について 

2005-03-21 21:50:47 | 映画・ドラマ

TVで放送された映画「グラディエーター」を録画して見ました。歴史物の映画は好きで必ず見ているのですが、この「グラディエーター」は、「アカデミー賞」をいくつも獲得している名作とのことで、期待して見ました。特に古代ローマものは、コロシアムや神殿などの大規模なセットがなければお話になりませんし、戦闘やローマ皇帝のパレードなど、お金がかかるシーンが多いだけあって、視覚的にも楽しめます。何もお金ばかりかけるハリウッド大作が全てではありませんが、やはり歴史物はその時代にどっぷりと浸かるため、セットや時代考証にはお金をかけてほしいと思っています。

「グラディエーター」の時代は西暦180年ころ、世界史で習うところの「五賢帝時代」の最後の皇帝、マルクス・アウレリウスが死ぬところから始まります。ちなみに、なぜ賢帝が五人も続いたのかというと、それぞれに優れた資質の皇帝がたまたま実子がなく、優れた人物を養子にして後を継がせたからです。映画のシーンのように、マルクス・アウレリウス帝がマキシマス将軍に後を継がせていれば、「六賢帝」になったかもしれませんが、映画でも、史実でも、出来の悪い実子コンモドゥスが後を継ぐことで、「五賢帝時代」が終わりを告げることになりました。

映画では、前皇帝の信頼厚いマキシマス将軍が、現皇帝のコンモドゥスに嫌われ、処刑されるところを危機一髪で逃れますが、結局、剣闘士奴隷(グラディエーター)となります。このあたり、何やら「ベン・ハー」と似たようなストーリーですが。これ以降は、虎が出たり、戦車が出たり、1対1の対決や、集団対集団の対決あり、といったさまざまな剣闘試合のシーンが展開されます。このあたりの趣向の凝らし方は、現代の「プロレス」を思わせるものがあります。そして「悪役の皇帝」と「人気剣闘士」を軸に「サーカスとパン」そして「ローマの退廃」を描いています。

最後には皇帝御自ら剣闘試合に臨むことになります。歴史上でも、皇帝が自ら競技会に参加することはあるのですが、その場合もちゃんと”打ち合わせ”済みの場合です。いくら何でも、皇帝への復讐を公言してたプロの剣闘士と試合をするなどというのは、いくら「ハンデ」があったとしても???という感じです。映画でも「親衛隊」が視覚的・効果的に使われていますが、史実においても、コンモドゥス帝は親衛隊に暗殺され、ローマ帝国は親衛隊を味方につけた者が皇帝となる、軍人皇帝時代へと進みます。「マルクス・アウレリウス帝の夢」はかなわぬ夢となるのですが、映画のラストシーンの「静寂」は印象に残りました。

決まり文句について

2005-03-20 23:28:12 | 読書談義

清水義範さんのパスティーシュについて、トラックバックをいただきましたが、このほかにいろいろと考えさせられる作品として、「深夜の弁明」があります。こちらも著者の初期の短編集で、さまざまなもののパロディーが載っています。たとえば、家庭電化製品のおしゃべり(『ピー、お湯が沸きました、』『ピー、ドアが開いています』など)とか、新聞の投書欄とか、パソコンのディスプレイに表示されるエラーメッセージとか、日常何気なく見たり、聞いたりしている「ことば」を取り上げていて、いろいろと考えさせられます。

パソコンのエラーメッセージをおちょくった「乱心ディスプレイ」は1988年頃の作品ですが、現在でも、エラーメッセージの文章は多少洗練?されたとはいえ、まだまだパロディーのネタとして通用するのではないかと思います。数年前は『(まるでソフトウェア自身のバグではない、と言いたいかのように)特定できない原因により重大な障害が発生しました・・・・・』などと表示され、2時間の作業がパーになり、よくキーボードに八つ当たりしたものです。また、肝心のエラーメッセージの内容が英語のままで、そのウインドウの「yes」「no」ボタンだけが「はい(Y)」「いいえ(N)」に訳されていたりして・・・・近頃は、とりあえず『ご迷惑をおかけして申し訳ありません・・○○を終了します。・・・』というふうにやや素直になりましたが。

また、「百字の男」は、新聞の番組紹介欄で、ドラマのあらすじをきっちり100字にまとめるライターの話で、たとえば
『公平(坂下雄二)と貴美子(落合のり子)の仲が怪しいとにらんだ良子(高倉三枝)は水島(手島純)のマンションに泊まってしまう。一方太一(中村ヒロシ)の担任教師山岡(貝原益高)はのぞき魔と疑われて青ざめる。』
などといった文章を毎回書いているうちに、何でも100文字にまとめてしまう職業病になってしまうのですが、これまた、毎日の新聞でお目にかかっているので、ニヤリとさせられるところです。あらすじがわかったような、わからないような、それでいて思わずドラマを見たくなるような文章で、しかも100字にきっちり納めているところを見事にパロディーにしていると思いました。

すでに清水義範さんの作品に登場してるかもしれませんが、「ローカルニュースの決まり文句」のパロディも是非読んでみたいと思っています。「スキー場オープン」のニュースでは、必ず「人々はカラフルなウェアに身を包み、思い思いのシュプールを描いていました。」で締めていますし、「幼稚園児が、名物○○作りに挑戦」のニュースでは「最初は園児たちは慣れぬ手つきで○○を収穫していましたが、・・・できあがった○○をおいしそうにほおばっていました。」でまとめています。このような、日本語だけの、日本人だけの「お約束」「決まり文句」というのは、日本語のボキャブラリーが貧困になっているのでしょうか、それとも日本語の表現が洗練し、パターン化されて、誰でも手軽に使えるようになってきているのか、それとも日本人が決まり文句が好きなのか、難しいところです。

夏物の園児用品・先生用品企画会議

2005-03-19 22:03:13 | 仕事・ひと

今日は社内で企画会議をしました。幼稚園・保育園向けの新年度用品の出荷の真っ最中ですが、4月以降本格的に推進する夏物の園児用品・先生向けユニフォームの企画について打ち合わせを行いました。

夏物の園児用品といえば半袖またはノースリーブの園児服やスモックと水泳パンツや水泳帽子などの水泳用品がメインとなります。幼稚園・保育園の園児は、成長期にあたるため、園児服などもすぐに着られなくなってしまいます。また、食生活が向上したこともあるのでしょう、小学生並みの体格の園児も多くなり、サイズもSSから3Lまで用意してもさらに4L、5Lといった注文もあり、生産管理や在庫管理が難しくなっています。特に水泳用品などはかなり大きめのサイズを購入しないと、来年の夏にはもうサイズが合わない、などということになりかねません。この商売、何十年とやっているのですが、未だに販売予測数と実績がぴたりと一致するなどということは希で、あるサイズは在庫山積み、あるサイズは品切れ、ということになってしまいます。

少子化で、園児が減少傾向にあるため、先生向けのユニフォーム販売にも力を入れています。先生用のスモックとエプロンが主力ですが、それだけではバラエティが少ないため、ポロシャツやジャージなど、ベースとなるウェアの紹介をしています。年に3回程度、春夏ものと、秋の運動会などのイベント用ウェアと冬の防寒ものを展開しています。しかし、保育士・幼稚園教諭のみなさんは、年代も20~40歳代で好みはそれぞれあり、また園や自治体の方針もあり、どのような商品が、どのような値段であれば売れるのか、まだまだ見極められない状況です。今年の春夏は、「カジュアルテイストのワーキングウェア」を中心にラインアップを組んでみましたが、どうなることやら・・・・・

企画会議のついでに、現在の新年度用品販売の反省会(まだ途中段階ですが)もしました。今年度も数量ミスや欠品、納期遅れなどがあり、園にご迷惑をおかけしました。反省点としてはやはり「基本に忠実に」ということになるのではないかと思います。あらかじめ業務のやり方はマニュアル化されているのですが、ついついおろそかにして、自己流で仕事を進めてしまい、かえって混乱してしまったのではないか。また、担当者が病気などで休んだ場合のバックアップが円滑にできなかったのではないか、といったところが考えられます。こういうときは、平凡ですが、やはり基本に立ち返るべきだ、という結論に達しました。

夏物の園児用品・先生用品の推進は4月中旬ごろから開始されます。それまでにあと3週間あまり。忙しい中で「次」に向けての準備をするのは大変ですし、「前」の反省に基づく対策も考えて実施しなければならないのですが、なんとか乗り切っていければと思います。