見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

本年もお世話になりました。新年もいっそうのご支援をお願いします。

2011年12月27日 | その他
2011年もまもなく終わろうとしています。3月11日の震災とその後の復興、人知の及ばない自然と人間が創った脅威、結束する人の力と進まない社会の無力さ、いろんなことが混在したまま時間は確実に過ぎていきました。年の瀬を迎えふるさとに戻れない多くの人、仮設住宅で厳しい冬を過ごしている人のことを思うとこうなることはわかっていたのにもっと手だてはなかったのかと思います。がんばっていること自体多少なりとも幸せに通じているならばまだがんばれるかもしれません。でも、生きることをがんばらなければいけないのは辛いことです。一日も早く、がんばらなくても安心できる日常が戻ってほしいと願います。

比較することではありませんが、見晴台学園も昨年の今頃は博報賞受賞の喜びに沸き、20周年の祝賀会の準備に追われていました。時間が経つのは本当に早いです。その効果か、春は20年ぶりに10名の新一年生を迎え見晴台学園への期待がまた大きくなってきたことを実感しました。いろいろなことがありましたが、それはこのブログを振り返っていただくことで代えたいと思います。12月はLD集会と全専研の合同研究集会を開催しました。二日間のべ375名もの方に参加していただけたことは私たちが取り組んでいることがまだまだ多くの課題を抱えていることの証明でもあります。今回は特に全専研との合同開催を意識して、専攻科づくりの運動と実践に焦点をあてました。障がいのある人の高等部以降の教育年限延長、生涯にわたる学びの扉を開く全国の先駆的な専攻科づくりの取り組みに共通しているのは、学ぶ期間を伸ばし充実させることで青年らしい、豊かな人間形成を大切にしていることです。

昨日23日に見晴台学園2011年度の卒論発表会を開催しました。例年、卒業式の前にやっていましたが今年は時期を分けることで3学期は卒業に向けて大事に使おうと考えました。
5人の専攻科2年生の発表はいずれも聞きごたえのある内容でした。それぞれ20分程度の持ち時間内で卒論のポイントを要約して発表、ビデオや実演を交えてより具体的にそれぞれが大事に思うことを伝える工夫もあり、聞いている人を飽きさせずむしろ引き込むような発表会でした。堂々と語る今の専攻科2年生を見ていると確かに凄いなと思いますが、彼らの入学時から知っている私は5年間、なかには6年間の人もいますが、時間をかけて自分らしく、青年らしく育ったことに感慨を覚えました。彼らの卒論には必ず「自分」が存在します。そして、「自分」と関わる「他者」の存在を大切に受けとめています。それこそ自分のことで精一杯、なかには自分のこともうまくコントロールできずに困惑していた過去の彼らにはなかった大きな変化です。

時間は誰に対しても平等にあるといいますが、その時間をどのように使って、何を経験し、学んできたか、特に子どもから大人へと移ろいゆく時期にいる学園の生徒たちにはそこに適切な働きかけ、すなわち教育が求められるのです。高等部本科~専攻科と続く時間を試行錯誤しながら進み、自ら大人へのステップを踏み出そうとしている今の自分をリアルに語ってくれた彼らの卒論発表に心からの賛辞を贈ります。そして、彼らが学ぶ学園を支え、創っているたくさんの人たちと歓びを分かち合いたい気持ちでいっぱいです。

新年を迎えても学園の課題は山積みのようです。でも、最初に書いたようにがんばることがこうして生徒たちの成長という形で幸せにつながるわけですから、まだ私たちはがんばれる気がします。

本年もみなさまには大変お世話になりました。ありがとうございました。学園は1月6日から3学期ですが、来年もいっそうのご支援をどうぞよろしくお願いします。
来る2012年がみなさんにとっても素晴らしい年になりますように。
















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