舞木廃寺跡 豊田市

　先日、江戸時代の一揆の指導者のことを記事にしましたが、本当は舞木廃寺跡を見に行くのが目的でしたので、そのことを書きます。

猿投の桃
　史跡は桃畑の奥にありました。

桃畑では、桃が袋がかぶせられていました。豊田市では、3年生か4年生の社会科で地域の特産として、猿投の桃を学習します。

舞木廃寺跡

舞木廃寺跡の全景。左に案内板、右に史跡の石碑、ちょうどその中間に塔の心礎がありました。


これが心礎です。六角形でした。

律令時代に思いをはせる
　実際に見学して、こんな山奥によくぞ1000年以上も前にお寺があったものだなあと感心しました。お寺があったということは、この地に人が住んでいたということです。律令の時代ですから、お寺は鎮護国家のシンボルなので、このお寺の周りにはある程度の集落が存在したと思います。
　地図で見ると、舞木廃寺は篭川の東側に立地しています。

　赤い丸は、条里制の名残を残す地名のある地域です。「豊田市のあゆみ」によれば、三反田、一町田、郷地などが条里制と関係があるとしています。

　この図は、上の図の伊保地区を拡大したものです。「郷地」「三反田」の地名が見えるとともに、田んぼがきっちりと仕分けられていて、条里制を思わせるものがあります。（戦後の土地改良かもしれませんが）また、伊保地区から田券などに押されたという伊保郷印が見つかっています。
　こうしたことを考えると、この地は昔から人が住んでいた土地であることが分かり、感動しました。

伊保郷印（豊田市郷土資料館HPより）

丸岡城 福井県坂井市

　福井県敦賀市の疋壇城・深坂古道を見学した次の日,福井県坂井市の丸岡城を見学しました。



柴田勝家の甥　柴田勝豊によって築城
　丸岡城は、天正4年（1576年）に織田信長の家臣柴田勝家の甥、柴田勝豊によって築かれたそうです。柴田勝豊は、当初一向一揆の本拠地であった豊原に築城したのですが、現在の丸岡に移転したそうです。

人柱伝説
　丸岡城には、私が小さいときに聞かされた「人柱」の伝説があります。

　
　わが子を侍にさせるという約束のもと、自ら人柱となったお静という人の伝説です。子どもは結局侍になれず、それを恨んだお静の霊がこのお城に現れるというものです。

お静の慰霊碑

長浜城にあった人柱伝説
　人柱の伝説は、以前訪れた長浜城にもありました。
長浜城の記事

五角形の堀
　丸岡城の復原図がありました。

　堀が五角形で、けっこう大きなお城でした。
　昭和9年に国宝に指定されましたが、昭和23年に福井大震災により倒壊し、昭和25年重要文化財の指定を受け、昭和30年に修復再建されたそうです。

疋壇（ひきだ）城 福井県敦賀市（２）

　なぜか忙しくなり、なかなか史跡めぐりに行けません。今回は、5月に行った福井県の疋壇城の続きです。
疋壇城は、近江と越前を結ぶ交通の要所にありました。今は、ほとんどが畑になっていました。しかも私有地になっているそうです。

城の遺構　石垣
　石垣が遺構として残っていました。ただし、後で畑を作るために持ち込まれた可能性もあるそうです。小さい石垣は持ち込まれたもの、大きい石垣は遺構の可能性があるそうです。


堀の跡
　これは、堀の跡らしいです。




天主の跡
　城跡の南のほうをぐるっとまわって西の方にまわると、石碑がありました。そしてこの辺りに「天主」があったということです。

疋壇城の石碑

天主跡への登り口

史跡を守る活動をしている現地案内の方
　偶然なのか、会のほうで依頼してあったのか分かりませんが、元公民館の館長という方が疋壇城の案内をしてくださいました。この方は、疋壇城を保存するためにボランティアの会を作り、年に数回草取りをしていらっしゃるそうです。本当にありがたい話です。私もどこかの会に所属して史跡の保存に少しでも役立つようなことができたらなと思いました。

縄張りはほとんどが畑で私有地
　本丸跡から周りを見るとずっと畑が広がっていました。私有地です。これを買い取って史跡として再調査し、城の復原まで行くと素晴らしいのに思いました。