伊勢田氏の本の感想です。と言っても第1部基礎編と第7章しか読んでいませんので全体についての感想ではありません。
第1部は人間と動物をどこまで別のものとして扱えるかを「種差別」をキーワードにメタ倫理学や社会契約説を紹介する形をとっています。このなかで利己主義などとからめて進化論も出てきます。進化論の説明の仕方がうまいのはさすが伊勢田氏といったところでしょうか。
第7章では野生動物問題を通して倫理学を考えるというアプローチをとっています。ここではタイワンザルの交雑問題や獣害問題がとりあげられています。
とくにタイワンザルの交雑問題では、ニホンザルの純血性はタイワンザルの命より優先されるものなのかという疑問が提示されていました。これは倫理学の観点から見たら当然の疑問でしょうね。僕もこの問いに倫理学の観点から答えを出すことは今のところできません。
ただ、少し突っ込ませてもらうと、この本では「移入種」という言葉を使っていますが、現在専門家の間では「移入種」ではなく「外来種」という言葉を使うのが一般的です。伊勢田氏の使っている参考文献が用語が決定されていないころのものなのでそこは仕方ないかもしれません。
細かいところで突っ込むとこはあるかもしれませんが、「種差別」というのがかなり私たちと深い関係を持つということがわかっただけでも読む価値はありました。
第1部は人間と動物をどこまで別のものとして扱えるかを「種差別」をキーワードにメタ倫理学や社会契約説を紹介する形をとっています。このなかで利己主義などとからめて進化論も出てきます。進化論の説明の仕方がうまいのはさすが伊勢田氏といったところでしょうか。
第7章では野生動物問題を通して倫理学を考えるというアプローチをとっています。ここではタイワンザルの交雑問題や獣害問題がとりあげられています。
とくにタイワンザルの交雑問題では、ニホンザルの純血性はタイワンザルの命より優先されるものなのかという疑問が提示されていました。これは倫理学の観点から見たら当然の疑問でしょうね。僕もこの問いに倫理学の観点から答えを出すことは今のところできません。
ただ、少し突っ込ませてもらうと、この本では「移入種」という言葉を使っていますが、現在専門家の間では「移入種」ではなく「外来種」という言葉を使うのが一般的です。伊勢田氏の使っている参考文献が用語が決定されていないころのものなのでそこは仕方ないかもしれません。
細かいところで突っ込むとこはあるかもしれませんが、「種差別」というのがかなり私たちと深い関係を持つということがわかっただけでも読む価値はありました。