ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ここがおかしい熊森協会3 そもそもこれじゃ話にならないよね

2009-08-17 20:36:49 | 熊森
 ただいま獣害などについての情報も集め始めた管理人です。正直、あまりに熊森が独善的で嫌気もさしていますが、たぶん僕以外はだれもこんなことをやってくれないと思うので自己満足のために頑張ります(笑。
 第三回目は熊森のアライグマ等に対する言説を見ていきましょう。これまでで一番熊森が欺瞞的に見える個所かもしれません。皆様はあきれない、怒らないための心の準備はできましたか?では始めます。

現実的、無意味な「アライグマ根絶」

>私たちは、以下の理由から環境省や一部の研究者がすすめる外来種殺処分は、大問題だと考えています。
 一度野に出た外来動物を根絶したり、一定の数に維持し続けることは不可能です。莫大な税金を毎年使えば一時期数を減らすことはできるかも知れませんが、手を緩めればまた元に戻ってしまいます。国内・海外では、ごく小さな島を除いて外来種根絶策は失敗しています。結局、無用の殺生・税金の無駄遣いとなってしまいます。
動物達に負担をかけない方法での解決策を

 無用の殺生なんてことを言い出したら、そもそも外来生物に在来生物が食われたりすること自体が無用の殺生です。なぜなら、本来そこにいないはずの生物に食われる予定なんてありませんから。さらに熊森は動物たちに負担をかけない解決策を希望しているようですが、それならば何故、アライグマなどへの対策は新しい生態系が出来上がるのを待てというのでしょうか。対策が遅れればその分、在来生物が食われたりするわけですが。在来生物にかかる負担は無視ですか?命を大切にってのは在来生物は適応範囲外なの?
倫理を持ち出すならこういうことにも目を向けてしかるべきではないでしょうか。ここで勝手に外来生物駆除=莫大な税金を投入するもの→継続的に続けられはしない→無意味という前提の三段論法が展開されているのも個人的には腹が立ちます。
さて、つぎはものすごい問題発言かもしれません。

>また、外来動物を殺さなければならないという考えは、外国人に対する偏見・差別につながっていく
おそれがあります。

すごいですねえ。熊森の中では外国人=外来生物の図式が出来上がっているのでしょうか。そもそも外来生物の定義上、本来の生息域から人為的に(つまり、本来ありえないその生物が持っていない移動方法で)持ち込まれた生物が外来生物となります。人間の輸送手段という人間が開発した方法で来ている外国人の場合、外国人=外来生物の図式にはならないんですが。あ、いやこういうことを言うのは別に珍しくもないですよ。古くは池田清彦が「環境問題のウソ」などで言っていたのでそれをぱくった、もとい参考にしただけでしょうし。ただ倫理に踏み込んだ話をしておきながら人種差別的な発言が出てくるとは想像の斜め上をいきました。

また、熊森が言うところの外来種殺処分派のシンポジウムとセミナーの感想で、  

>公的な機関が、このような一方的な考えの人ばかりを壇上に挙げて、公的な場所で、公的な資金で、一方的なセミナーを開催することに、大きな問題を感じました。

と言いつつも、

>兵庫県立人と自然の博物館田中哲夫主任研究員は、「法律は新たな移入種には有効だが、既に定着している種については効果薄」と指摘しています。やっと、熊森の主張と同じ人が研究者の中に出てきました。

というのは、もはや自分たちに都合の良いとこしか見ない(というか見えない?)ものとして解釈すべきでしょうかね。ちなみにこの熊森の主張と同じ研究者が処分派のシンポジウムでアライグマについて講演したわけですが。

>半分は反対意見の人をも壇上に上げて、討論するべきです。外来種殺処分派の主張には問題点がいっぱいあるのに、殺処分に反対するわたしたちには、指摘する時間さえ保障されません。

問題点をきちんと指摘できるなら是非やってもらいたいところですが、少なくとも熊森では無理でしょうね。とりあえず自分の論理矛盾を直すところから始めないと研究者と議論することはおろか大学生、高校生レベルのディベートにすら発展しないでしょう。だって自己矛盾や事実誤認なんて議論としては論外だもの。
さて、個人的に一番呆れた・・・・・・というか嗤ったのが以下の文章です。

>早稲田大学教授池田清彦著、「環境問題のウソ」3 外来種問題のウソとホント 
(2005年12月出版 ちくまプリマー新書、760円)を、読まれたある顧問が、外来動物は皆殺しにしなければならないというウソが、はっきりわかったと言われていました。みなさんも、是非お読み下さい。

生命の尊厳がわからなくなった研究者に洗脳されて、行政のみなさんが決められたことは、哀れなアライグマたちの皆殺し。熊森は、人間の考えつくことが空恐ろしくなります。

そうか、池田清彦で開眼しちゃうレベルなのか熊森の顧問とやらは。たいして論理的思考できないのね。
さらに負け犬の遠吠えレベルのご発言。

>熊森はマスコミに、熊森の外来種観を取り上げて国民のみなさんに問うてほしい、どっちの言っていることがまっとうか外来種根絶派の学者と紙上討論させてほしいと、何度か頼みましたが、どこも取り上げてくれませんでした。

紙上討論ねえ。あんな歪んだ生命観、外来種観で研究者あいてに討論できると思ってるんですね。そもそも研究者に相手として見られていない現実があるわけですが。うちでよければやってみます?

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2 コメント

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熊森って。。 (fksm)
2009-08-22 23:55:49
熊森っておかしな宗教団体みたい!と思いながらいろいろ検索していたら、ここにたどり着きました。
外来種のことについて、難しいことは分かりませんが、熊森についての見解は、同感です。

熊森は、熊の樹皮はぎを間伐とかいって美化しています。
実際は、50年から80年といった大きな木から剥いてしまい、細いものには手をつけません。

熊森さんは、間伐の意味が分かっていないようです。



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あそこはいろいろおかしいですよね (梨(管理人))
2009-08-23 20:28:46
いらっしゃいませ。

>熊森は、熊の樹皮はぎを間伐とかいって美化しています。

僕も熊森のHPを見たとき、「熊の樹皮はぎは無作為だから林業をやっている人の思い道理の間伐にはなりにくいよな」と思いました。あれじゃあ現場で反発を買うだけじゃないですかね。

>外来種のことについて、難しいことは分かりませんが

難しかったですか。確かに外来生物について何も知らない人には分かりにくかったかもしれません。ここが分かりにくいと言ってくださればこちらでも分かりやすくするよう努力はしますので分かりにくかったら言ってください。
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