ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

そんな熊森で大丈夫か? クマにドングリは他者危害

2011-01-04 19:39:14 | 熊森
 熊森のドングリ運びについて批判を加えていきます。さて、熊森の(少なくとも数年前までの)言い分ではドングリなどは奥山にしかまかないはずでした。「奥山に餌がない」というのが彼らの主な主張ですしね。そんな彼らの行動ですが、少々言動と行動にずれが見られます。以下の熊森NEWSをどうぞ。

10/21 くまもりは連日、クマが集落に出てこないように、食料を持って現地を走りまわっています

熊森のドングリを、クマが毎日バケツ1杯ずつ食べていく

11月7日 各県でどんぐり運びが進む

あり~(・3・)?
この写真を見る限りどう見ても奥山に運んでいるとは思えないんですが・・・。というか自治体のクマ捕獲用の檻があるってことは、人里近くでしょうが。熊森のドングリ運びが先か、自治体の檻設置が先かわかりませんが、人里近くにクマをとどめる誘因物をばらまいてどうする。
熊森側が効果を検証し、データや論文として発表していない以上、獣害問題の基礎的な知識を持った人間からすればクマにドングリをやるというのはクマと人の距離をいたずらに乱しているだけなんですね。これは他者危害ですよね。その地域に暮らしている人からすれば、いたずらにクマに接触するリスクをあげられています。いくらクマによる死亡事故が年1件程度としても試行回数が多くなればたまたまババを引くことがありえるわけで。クマにしても人と接触することが多くなれば事故、捕獲の確率が高くなるわけで、望ましいとは到底言えないですね。
6年もやってるのに効果一つ満足に検証できないくらいなら最初から余計なことはやるべきではないんじゃないかな。



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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うわ (さんにゃん)
2011-01-05 23:16:11
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

ひとつめ…溝が。
ふたつめ…革靴って。
みっつめ…服装がウラジロ取りに行く時といっしょ。
うちの裏山もこんな感じです。しかも道路沿い。私そんな奥山に住んでるつもりはないんですが(笑)
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さんにゃんさん (梨(管理人))
2011-01-06 21:33:02
今年もよろしくお願いします。
服装に目がいかれましたか。僕はそこまで鋭くなかったですね。アハハ・・・orz
結局、車で行けてなおかつあまり歩かなくても済むところに運んでいるようですね。
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熊森 (クマクマ)
2011-01-07 23:04:53
熊森が狼は日本にいなかったとか言っていますがとか100年前に滅びたとか言っていますが平成の狼が最後の一頭だということは知らないんですかね?
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Unknown (豺狼)
2011-01-08 13:09:34
梨さん、クマクマさんはじめまして。
『ニホンオオカミは生きている』の内容に関して、熊森はかなり誤った解釈をしています。
今泉吉典氏は、それまで「ヤマイヌ」と呼ばれていたニホンオオカミに「ニホンオオカミ」という正式な和名をつけたのであって、いたと言い出したのではありません。

また、西田智氏の考えは「「ヤマイヌ」は一般的にニホンオオカミの別名とされているが、日本にはニホンオオカミでもイヌでもない「ヤマイヌ」という種がいるのではないか」というもので、つまり「ニホンオオカミとヤマイヌという2つのイヌ科動物が存在する」ものです。「ヤマイヌだけが存在する」というものではありません。

「はく製の毛皮の3分の2は山犬であることがわかっているそうです」は意味不明です。そのような記述はありません。

以前にも熊森は同じことを書いておりまして、これを見たときにはあきれました。http://homepage2.nifty.com/kumamori/kako-200904.html
ここでは『オオカミを放つ』も読んだと言っていますが、ニホンオオカミ絶滅直後にシカが増えなかった理由に関する記述を読み落としたのでしょうか。
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補足 (豺狼)
2011-01-14 20:01:30
ニホンオオカミのタイプ標本はかつてシーボルトが飼育していた個体でして、シーボルトはこの個体を「ヤマイヌ」としてオランダ・ライデン博物館に送っています(この個体の剥製のラベルにも「Jamainu(ヤマイヌ)」と記載されています。)。

西田氏が独自に考えている「ヤマイヌ」はこの個体とは別物なのですが、どうやら熊森は混同しているようです。
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補足2 (豺狼)
2011-01-19 21:53:06
『ニホンオオカミは生きている』は、2000年に九州の山地でニホンオオカミに酷似した動物を撮影した西田智氏の著書で、西田氏がその動物と遭遇するに至った経緯やその動物がニホンオオカミであることの検証、西田氏のニホンオオカミ観などのほか、日本オオカミ協会に対する反論意見も載っています。

ちなみに、日本オオカミ協会の公式ブログ「シカと森toオオカミ」の管理人は、オオカミ協会の会員の一人であって学者ではなかったと思います。確かブログのどこかの記事のコメント欄にそうありました。
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豺狼さん (梨(管理人))
2011-01-20 16:46:16
>日本オオカミ協会の公式ブログ「シカと森toオオカミ」の管理人は、オオカミ協会の会員の一人であって学者ではなかったと思います。

学者で無くとも問題なわけですよ。学者でもない僕にすら分かる初歩的なことを再導入という応用をやりたいと言っている団体の公式ブログを任されている人間であれなわけですから。
むしろ、碌な教育も施さずに公式ブログを任せているのは問題では?それに僕は、協会そのものの書評も引用しています。協会そのものの見解が最上位捕食者以外はキーストーンでないという見方が妥当では?
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おっしゃるとおりです (豺狼)
2011-01-24 19:22:52
もちろん私は梨さんの意見に賛成ですし、協会の主張には大いに賛同しかねます。協会内部にもオオカミ学者と呼べる人間はいないようですし。
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お詫び (豺狼)
2011-09-24 13:45:18
今更ですが、前回はいきなり現れて出しゃばった真似をしてしまい申し訳ありませんでした。深く反省しております。
実は、その後問題の点について熊森にメールで指摘したところ、くまもりニュースの記事の内容を修正していただけたものでして、熊森に対しても申し訳なかったと思っています。
本ブログは以前から興味深く拝見させていただいておりまして、今後もそうさせていただくつもりですのでよろしくお願い致します。
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