【週間ゲーム販売本数】首位の「モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.」は完売なるか?

2011年09月03日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数やゲーム市場を追いかける記事の第17回。
今回は文章多めになってしまった。

→コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■PS3初の「モンハン」が30万本弱で首位、PSP「ブラック★ロックシューター THE GAME」も大健闘

注目された「モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.」(MHP3HD)の販売本数は28.7万本。PS3の初週販売本数
ランキング(ファミ通データ)に当てはめると第9位の出足。また、据え置き機のモンハンとしては、MH3(初週58.3万本)
MH2(同36.8万本)の2本のナンバリングタイトルに続く第3位と好調なスタートを切った。

今週2位のPSP「ブラック★ロックシューター THE GAME」(10.5万本)も大健闘。ニコニコ動画等で盛り上がった
キャラクターや音楽を用いたゲームなんだけど、注目はイメージエポックがパブリッシャーとして成功しつつあること。
第1弾「最後の約束の物語」(初週5.7万本)以上の結果となり、2012年発売予定という4タイトルにも注目が集まる。


■MHP3HDの消化率は約7割、値崩れなく完売なるか?

据え置き機のモンハンといえば、WiiのMH3(トライ)が大幅な値崩れを起こしたのは記憶に新しいところ。
トライは初週(2日間)の消化率が6割未満だったけど、今作MHP3HDは初週(4日間)で約7割。
消化率のデータは電撃でのみ公開されているので、以下は電撃データ(MHP3HDは初週31.6万本)を用いてみます。

まず31.6万本で消化率7割ということは、単純計算で店頭出荷本数は約45万本。メーカーや問屋在庫等を考えると
50万本程度生産されている可能性もある。つまり残り12万本~17万本を無事消化できるか。
ここでPS3で初週30万本前後を販売したタイトルのデータを抽出してみる。(着地が確定した去年以前のタイトルのみ)



上記3タイトルの累計本数は、平均で初週の1.58倍を販売。これをMHP3HDに当てはめると累計50万本超になるが
はじめの生産本数50万本説が確かなら、追加でこれ以上生産するとアウトというギリギリのライン。
「龍が如く3」の倍率(1.43倍)を適用すれば累計45万本となり、店頭出荷数分をようやく消化するという危うい水準。


■MHP3HDおよびPSPリマスターシリーズ全体の命運を握るのは、企画者のSCE自身

MHP3HDが上記3タイトルより後伸びがあれば大丈夫なんだけど、MHP3HDはMHP3を据え置きのHD画質でプレイしたい
というコアなユーザーが中心とみられること、新規ユーザーも多少はいるだろうけど、そもそもPS3の普及台数は
PSPの半分未満であり、また今週のデータを見る限り、MHP3HD目当てのPS3購入者はそれほどいないようにみえる。

しかし、PS3の無料ソフト「アドホック・パーティ」(アドパ)のダウンロード件数は今年の2月に100万件を突破。
これはアドホック対応のPSPソフトを、PS3を介して無料でマルチプレイが楽しめるソフトなんだけど、
おそらくかなりの割合のユーザーがMHP3の協力プレイ目当てでダウンロードしているのだろう。

MHP3ユーザーで、かつPS3を所持しており、MHP3の協力プレイに活用しているアドパユーザーは潜在的な
MHP3HDユーザー。彼らにMHP3HDの魅力を伝えれば、販売本数が大きく伸びる可能性があるんだけど
MHP3HDのアドパまわりはザンネンながら悪評が先行している状態。

アドパの開発を担当するSCEは、早急にバージョンアップを行い、現状積まれている問題を改善しないと
MHP3HDだけではなく、自身がPS3普及の一手として打ち出したPSPリマスターシリーズ全体が
大きくつまづくことになるだろう。


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